うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、10月27日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●「Windows 10 22H2」の9月度プレビュー更新プログラムで問題発生
米Microsoftは10月30日(現地時間)、Windows 10 バージョン 22H2向けの2024年9月度のプレビュー更新プログラム「KB5043131」を適用した環境で、管理者以外のユーザーがクイックアシストやMicrosoft Teams、Windowsナレーターなどのアプリの起動に失敗することがあると報告した。
この問題は、マニフェストファイルで「UIAccess=true」を設定するアプリで発生する可能性があるとのことだ。「UIAccess=true」は、アプリケーションに高い権限を付与するように要求するために使用される。管理者としてアプリケーションを実行している場合は、この問題が発生する可能性は低くなるという。
Microsoftは、Known Issue Rollback(KIR)を使用して対応中だ。コンシューマーデバイスやIT部門によって管理されていないデバイスの場合、最大24時間以内に解決策が展開される。IT部門によって管理されているデバイスの場合、グループポリシーを構成して展開する必要がある。
●Intelが第13/14世代Coreの不具合対策マイクロコードをLinux向けにリリース
Intelは10月29日(現地時間)、第13/14世代Coreプロセッサで発生している不具合に対応するLinux向けのマイクロコードをGithubで公開した。
第13/14世代Coreプロセッサでは、以前から動作が不安定になるという不具合が発生しており、Intelはこれまでに何度か対策のためのマクロコードをリリースしている。今回リリースされた「0x12B」は、Intelが9月末に根本原因を発見したとしてリリースされていたもの。
既にOEM/ODMパートナーに提供されており、ユーザーにはBIOSアップデートとして配布される。このため、BIOSアップデートを実施していれば、今回のLinux向けマイクロコードも必要はない。
なお、リリースされたLinux向けのマイクロコードも、ディストリビューターがOSリリースに含めるためのもので、ユーザーによる直接的な作業は必要ない。
●純正ツール登場 Chromeの速度低下解決やメモリセーバーなど
Googleは10月29日(現地時間)、デスクトップ版Chrome向けに、新しいパフォーマンスコントロール機能をリリースした。これを利用すると、デスクトップ上のリソースの使用方法をより細かく制御できるようになるとしている。
今回リリースされたのは、パフォーマンス検出ツールとメモリセーバーの新モードだ。
パフォーマンス検出ツールは、Chromeの潜在的なパフォーマンスの問題を事前に特定し、解決策を提案するというものだ。例えば、現在使用しているタブを高速化するために、他のタブを非アクティブにすることを提案する場合がある。表示されるアラートから「今すぐ修正」をクリックするだけで、提案が適用される。
メモリセーバーは、使用してないタブのメモリを開放するという機能だ。従来はオンとオフしかなかったが、新たに「適度」「バランス重視」「最大」の3つのモードが追加された。
・適度:メモリを適度に節約。タブは長時間経過してから非アクティブになる
・バランス重視:メモリをバランスよく節約。タブは最適な時間が経過してから非アクティブになる
・最大:メモリを最大限に節約。タブは短時間経過してから非アクティブになる
これらの機能は、Chromeの「設定」→「パフォーマンス」から変更できる。
●Google Chrome更新 深刻度「Critical」のセキュリティ欠陥に対応
Googleは10月29日(現地時間)、デスクトップ向けChromeの安定チャネルをアップデートした。アップデート後のバージョンは、WindowsおよびmacOSが「130.0.6723.91/.9」、Linuxは「130.0.6723.91」となる。
本バージョンでは、以下の2つの脆弱(ぜいじゃく)性が修正されている。カッコ内はそれぞれの深刻度だ。
・CVE-2024-10487:Out of bounds write in Dawn(Critical)
・CVE-2024-10488:Use after free in WebRTC(High)
特別な理由がない限り、早急にアップデートすることが推奨されている。通常は自動的に更新されるが、Chromeの右上に表示されるメニューから「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を表示することで手動での更新も可能だ。
●GIGABYTE製マザーボード向けにゲーム性能を向上する新機能「X3Dターボ・モード」
GIGABYTEは10月31日、AMD X870E/X870および600シリーズのチップセットを搭載したマザーボード向けに、ゲーム性能を最大化する「X3D ターボ・モード」を発表した。
X3D ターボ・モード(Turbo Mode)は、コア配分/帯域幅調整/ハードウェア電力バランスを統合した機能だ。独自の最適化パラメーターにより、非X3Dプロセッサでも、X3Dプロセッサと同様にゲーム性能の向上を実現できる。
同社の検証によると、Ryzen 9000シリーズの16コアX3D/非X3Dプロセッサでは最大18%、Ryzen 7 9800 X3Dプロセッサでは5%の性能向上が見込めるとのことだ。
本機能は、最新のβ版BIOS「AMD AGESA 1.2.0.2a 」に含まれている。
●キオクシアがQLC技術採用のUFS 4.0対応フラッシュメモリを量産開始
キオクシアは10月30日、業界初というQLC(Quadruple-level cell、4bit/セル)技術を採用したUFS 4.0組み込み式フラッシュメモリの量産開始を発表した。QLC UFSは、従来のTLC UFSよりもビット密度が高く、大容量が求められるモバイル・アプリケーションに適しているとしている。
同社の512GB QLC UFSは、最大毎秒4200MBのシーケンシャルリードと最大毎秒3200MBのシーケンシャルライトを達成する。スマートフォンやタブレットだけでなく、PC、ネットワーク機器、AR/VR、AIなど、より大容量で高い性能が必要とされる次世代アプリケーションにも適しているとのことだ。
新しいQLC UFS 4.0対応製品は、キオクシアの3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」と、コントローラーをJEDEC規格のパッケージに収めたもので、MIPI M-PHY 5.0とUniPro 2.0に対応する。理論上1レーンあたり最大23.2Gbps、デバイスあたり最大46.4Gbpsのインタフェース速度をサポートする。
High Speed Link Startup Sequence(HS-LSS)もサポートしており、M-PHYおよびUniProの初期化シーケンス(Link Startup)にかかる時間を従来から約70%短縮可能としている。