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JBLの有線イヤフォン「Quantum 50C」はどんな感じ? ゲーミング向けってどういうこと?

ITmedia PC USER 2024年11月7日 17時40分

 ハーマンインターナショナルの有線イヤフォン「JBL Quantum 50C」は、ゲーミングイヤフォンをうたっている。直販価格は4950円で、他のECサイトや家電量販店での実売価格もおおむね同額だ。

 ヘッドフォンやヘッドセットには、ゲーミングモデルが複数出ている。しかし、イヤフォンでゲーミングを掲げるものは多くない。どこがどう“ゲーミング”なのか――ハーマンインターナショナルから実機を入手したので、ちょっと見てみよう。

●Quantum 50Cは「Quantum 50」の後継商品

 名前を聞いて気づいた人もいるかもしれないが、Quantum 50Cは「JBL Quantum 50」の後継商品となる。

 8.6mmドライバーやボイスフォーカスマイクを中心に、基本的な外観はQuantum 50とほぼ同じだ。強いて外観の違いを見いだすと、3.5mmプラグ周辺のカラーがオレンジからブラックになっている。

 しかし、見た目からは分からないスペックアップも行われている。1つがハイレゾ対応だ。従来モデルは再生周波数帯域が「20Hz~20kHz」だったが、本モデルでは「20Hz~40kHz」となった。帯域の上限が広がったことで、ハイレゾ再生に対応した格好だ。

 もう1つが、USB Type-C接続への対応だ。「え、3.5mmプラグが付いてるんだよね?」と思った人はするどい。本製品はUSB Audio準拠のUSB Type-Cオーディオアダプターを付属する形で対応している。

 最近はスマートフォンやタブレットだけでなく、ノートPCでも3.5mmイヤフォン/マイクジャックを省くモデルも少なくない。USB Type-C接続にも対応することで、接続できるデバイスの“幅”は広がっている。スマホ/タブレットやPCはもちろん、USB Type-C端子を備えるゲーム機やVRデバイスにも利用可能だ。

 なお、USB Type-Cオーディオアダプターをインターネットに接続されたWindows PCにつなぐと、「JBL QuantumENGINE」というユーティリティーアプリが自動的にインストールされる。本アプリの詳細については後述する。

 他の特徴は、先代のQuantum 50を引き継いでいる。

 3サイズのイヤーチップに加えて、イヤフォンと耳との隙間を埋めるための「エンハンサー」も付属しており、通常のインイヤータイプのイヤフォンと比べると外部の音をカットしやすくなっている(Mサイズのイヤーチップとエンハンサーはあらかじめ装着済み)。

 また「リモコン」と「マイク」が別体で、マイクがちょうど口元に来るように工夫されている。この手のイヤフォンマイクでは、リモコンとマイクが一体化されていることも珍しくなく、「マイクが口元に来ない」あるいは「手を大きく動かさないとリモコンを操作できない」といったこともよくある。リモコンとマイクを別体とすることで、声はより拾いやすく、リモコン操作はよりやりやすくなっている。

●意外と大きいエンハンサーの効果 手元リモコンもいい感じ

 ここ数週間、Quantum 50Cをいろいろな環境で使ってみているのだが、何よりも良いことはエンハンサーによる遮音効果だ。

 実売価格を考えれば仕方のないことだが、本製品にはアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能はない。しかし、エンハンサーによって周辺の音はある程度遮られるので、値段の割に没入感は高い。集中力が求められる「ゲーミング」において、手頃な価格でその環境を手に入れられるというのは素晴らしいと思う。

 また、マイクから独立したリモコンの操作性も良好だ。JBLロゴのある側には受話ボタンが、その反対側にはスライド式のボリュームとマイクスイッチを備えているのだが、スイッチでとっさにマイクをミュートできるのは非常に助かる。スマホでの音声通話や、PCでのビデオ会議の際に何度も使った。

 先述の通り、インターネットに接続されたWindows PCであれば、付属のUSB Type-Cオーディオアダプターをつないだ際にJBL QuantumENGINEがインストールされる。このアプリを使うと「イコライザー」「JBL QuantumSURROUND」「マイク」の設定を行える。

 JBL QuantumSURROUNDを使うと、7.1chの「より広がりのあるサウンド」(いわゆる「空間オーディオ」)再生が行える。頭のサイズを「S」「M」「L」から選んで効果を設定できるが、頭の直径(10~20cmの範囲で1mm単位)を入力すればより高い精度で効果を得られる。

 ただし、USBオーディオアダプターの出力設定によっては有効にしても効果を得られないこともある。

 また、本アプリはUSBオーディオアダプターを経由してQuantum 50Cをつないだ場合のみ有効だ。3.5mmプラグで直接つないだ場合は利用できないので気をつけたい。

 先代のQuantum 50と比べると、Quantum 50Cの価格は1800円弱上がっている。ただ、スペックアップの内容や利用できるようになった機能を加味すると、十分に許容できる。

 主にゲームで「ヘッドセットが欲しいけれど、耳を覆うようなものはちょっと……」と思っている人や、いろいろなデバイスで使えるイヤフォンマイクを探している人は、Quantum 50Cをチェックしてみてほしい。

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