今週（11月10日週）の新製品では、AMDの新CPU「Ryzen 7 9800X3D」が抜きん出て目立っていた。Ryzen 9000シリーズに属するSocket AM5対応モデルで、第2世代「3D V-Cacheテクノロジー」を採用している。L3キャッシュを96MB備え、ゲーミングパフォーマンスを高めているのが特徴だ。主な仕様と価格は以下の通りとなる。
●第2世代3D V-Cache搭載モデルが8.7万円でデビュー
8月にRyzen 9000シリーズの末尾Xモデルが出回った頃から登場を待ち望まれており、販売開始日の11月15日には開店前のPCパーツショップに並ぶ人が相次いだ。パソコン工房 秋葉原パーツ館では「一番早い人は前日から並んでいたそうです」という。
各ショップの入荷数を聞いて回ると、Intelの新世代最上位の「Core Ultra 9 285K」よりはまとまった数量が入ったとのコメントが多かった。しかし、店舗用に数十個の在庫を確保していたショップでも「開店前の9時頃には入荷分の人が並んでいました」（パソコンSHOPアーク）というほど需要が高く、15日夕方時点で街中から在庫がほぼ払底している。
再入荷の目処は、まだ見えていない様子だ。あるショップは「代理店に尋ねても首をかしげるばかりで、誰も予想がつかない感じです」と語る。こうした反響を受け、複数のショップが「1つの型番のパーツとしては2024年一番の人気」とコメントしていた。
●9800X3Dの登場でSocket AM5マザーが盛り上がる
Ryzen 7 9800X3Dの反響によって、Sockrt AM5に対応するマザーボードの売れ行きも明らかに良くなったというショップも多かった。
パソコンSHOPアークは「マザーボードとセットで購入を検討されていた人は多いですね。中でもASRockの『X870E Nova WiFi』（7万円弱）は取り合いになりました」という。他にもAMD X870／X870Eチップセット搭載の上位マザーとセットで購入する人が多かったようだ。
その他、Socket AM5マザーボードで定番人気となっている「B650 Steel Legend WiFi」の売れ行きも加速したというショップも複数あった。パソコン工房 秋葉原パーツ館は「1時間で5台くらい売れましたね。やっぱり欲しいCPUを待っていたという人が多くいらっしゃるんでしょうね」と話していた。