Microsoftは11月19日(米国太平洋夏時間、以下同)、デスクトップタイプのクラウドPCデバイス「Windows 365 Link」を発表した。日本を含む一部の国/地域において同日から12月15日まで本製品のプレビューを受け付け、2025年4月から順次正式に販売を開始する予定だ。正式販売時の米国における想定価格は349ドル(約5万4000円)となる。
●Windows 365 Linkの概要
Windows 365 Linkは、一般的に「シンクライアント」と呼ばれるデバイスの一種で、オフィスに設置して従業員が共有して使うことを想定している。Microsoftのクラウド仮想PCサービス「Windows 365」での利用に特化することで、使いやすさを高めていることも特徴だ。
ポート類は、本体正面にヘッドフォン端子とUSB 3.2 Gen 2 Standard-A端子を、背面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子、USB 3.2 Gen 2 Standard-A端子×2、DisplayPort出力端子、HDMI出力端子、有線LAN(1000BASE-T)端子と電源入力端子を備えている。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E(6GHz帯対応のIEEE 802.11be)とBluetooth 5.3に対応する。
USB端子にはオーディオデバイス、入力デバイス(マウス/キーボードなど)、Webカメラ、ストレージなどを接続できる。Webカメラについては映像をローカル処理するので「ビデオ会議は高パフォーマンス、とりわけ『Microsoft Teams』や『Cisco Webex』でのビデオ会議は高品質」だとしている。映像出力は、最大で4K(3840×2160ピクセル)のディスプレイを2台接続できる。
ボディーサイズは約120(幅)×120(奥行き)×30(厚さ)mmだ。
Windows 365 Linkはローカルにデータやアプリを保管しない設計で、プリインストールされるOSでは「管理者権限」も利用できない。サインイン(ログイン)にはMicrosoft Entra IDを利用可能で、設定次第では「Microsoft Authencator」アプリ、FIDO Passkeyや「FIDO USB Security Key」を使った多要素認証にも対応できる。
デバイスの管理は、Windows PCと同様に「Microsoft Intune」を通して行える。
利用できるWindows 365のサブスクリプション
Windows 365 Linkは、以下のいずれかのWindows 365サブスクリプションと組み合わせて利用できる。
・Windows 365 Enterprise
・Windows 365 Frontline
・Windows 365 Business
現時点では、官公庁向けの「Windows 365 Government」では利用できない。
なお、Windows 365 Linkは、デバイスの管理をMicrosoft Intuneで、サインインをMicrosoft Entra IDで行うことを前提としている。Windows 365を利用していても、デバイスの管理やサインインを別のソリューションで行っている環境では利用できないので注意しよう。
プレビュー提供は「レンタル」で
本製品の発売に先駆け、Microsoftでは以下の国/地域でWindows 365 Linkのプレビューを実施する。
・米国
・カナダ
・イギリス
・ドイツ
・日本
・オーストラリア
・ニュージーランド
プレビューを希望する場合は、Microsoft(またはその現地法人)の営業担当まで問い合わせる必要がある。
プレビュー用の本体は貸し出し(レンタル)提供となり、不具合や故障があった場合は交換対応となる。製品として発売された後は、国/地域によって1~2年の標準保証が付帯する他、2~4年の有償拡張保証サービスも提供される予定だ。