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キータッチの“コトコト感”と細かなカスタマイズ性、豊富なカラバリが魅力! Nuphyのメカニカルキーボード「Halo75 V2」をチェック

ITmedia PC USER 2024年11月28日 12時5分

 キーボードの新進気鋭なブランド、NuPhy(ニューフィ)の「Halo75 V2」は、ポップなデザインとは裏腹に、上級者も満足できるフルカスタマイズ対応のワイヤレスキーボードだ。価格は3万3000円と高級キーボードに分類されるが、その価格に見合ったカスタマイズ性の高さが光る製品に仕上がっている。本記事では実機を用いて、使い勝手をチェックしていこう。

●メカニカルキーボードらしさを感じないかわいらしいデザイン

 メカニカルキーボードと言えば、黒や白を基調としたシックなデザインの物が多かったが、NuPhyの製品は基本的にポップでかわいらしいデザインが採用されている。Halo75 V2シリーズも例に漏れず、下記のカラーラインアップを用意する。

・マットブラック

・Bright(ホワイト系)

・モヒート(グリーン系)

・Beyond(ブルー系)

・サクラ(ピンク系)

 さて、今回手元に用意したBeyond(ブルー系)モデルは、よく使うキーが濃いブルーで、その他のキーは水色とグラデーションが施されており、なんだか涼しさを感じるようなデザインに仕上がっている。個人的に、かなり好みのモデルだ。

 採用されているキーキャップも、丸みを帯びていてXDAプロファイルをほうふつとさせる。キータッチも心地いい。また、丸みを帯びたキーキャップも相まってよりポップなデザインを際立たせている。

 Halo75 V2は、NuPhyとメカニカルスイッチをはじめとして、電子/機械スイッチなどを開発、生産しているGateronと共同で開発した「Herbシリーズ」キースイッチが採用されている。選べるラインアップは以下の通りだ。

・Mint:ヘビータイピスト向けの37gfリニアスイッチ。

・Raspberry:ゲーマー向けのアーリーアクチュエーションに対応した45gfリニアスイッチ

・Lemon:タイプ感と静音性の両方を備えた55gfタクタイルスイッチ

 今回手元に用意した実機は、ゲーマー向けのRaspberryキースイッチが採用されたモデルで、キーを押し込んでからスイッチがオンになる(入力が認識される)「アクチュエーションポイント」が1.2mm±0.3mmと非常に浅く、FPSなどの正確な入力が求められるゲームにピッタリだ。

 最近のゲーミングキーボードは、このアクチュエーションポイントを自由にカスタマイズできる製品や、キー入力オン/オフを瞬時に認識するラピッドトリガー機能を搭載した製品が増えてきた。

 もちろん、キーボードのスペック上ではアクチュエーションポイントを自由にカスタマイズしたり、ラピッドトリガーに対応したりするものが上位モデルにあたるが、カスタマイズ自体が面倒だったり、調整が難しい事もあって、初心者には正直ハードルが高い。

 その点、Raspberryキースイッチを採用したHalo75 V2であれば、細かな設定はせずとも正確な入力が実現できる。初心者にとっても「買ってきてすぐにゲーム体験が向上する」ということでおすすめだ。

 Halo75 V2は、先ほど紹介したHerbシリーズキースイッチだけではなく、キースイッチで有名なCherryと協力した「Cherry Silent Red Clear-Top」スイッチもラインアップに加えられている。

 CherryのSilent Redと言えば、軽いキータッチを実現した赤軸スイッチに高い静音性を掛け合わせたモデルで、キータイプの音が驚くほど静かなキースイッチだ。

 筆者も自作キーボードにハマっていた際に、必ず選んでいたキースイッチなのだが、どうやらCherry Silent Red Clear-Topは、再設計した金型を使った新たなモデルのようだ。

 アクチュエーションポイント自体は1.9±5mmで、Raspberryキースイッチと比較すると深めではあるが、驚くべきはそのキータイプ音の小ささだ。

 Halo75 V2の商品ページにCherry Silent Red Clear-Topスイッチを搭載した、Halo75 V2のキータイプ動画が掲載されているが、キースイッチを押したときの音がHerbシリーズと比べて驚くほど小さくなっている。

 キーボードのタイプ音を極力減らしつつ、ゲームもプレイするという方はHalo75 V2を購入する際にキースイッチの種類をCherry Silent Red Clear-Topに指定して購入すると良いだろう。

●有線接続だけでなくワイヤレス接続にも対応

 Halo75 V2はUSB Type-Cケーブルによる有線接続の他に、2.4Ghzワイヤレス接続とBluetooth接続にそれぞれ対応しており、ワイヤレス接続でも利用できる。

 キーボードの奥側を見るとWindowsモードとMacモードに切り替えるスイッチと、モード切り替えスイッチ、USB Type-Cポートがそれぞれ用意されている。

 ワイヤレスで利用する場合は、モード切り替えスイッチを一番右までスライドさせる必要があるので、その点だけ注意しておきたい。

 ワイヤレス接続する場合は、Fnキーと1~3のキーを同時押しすることで、Bluetooth接続に切り替わるようになっている。既に別のPCやタブレットとペアリング済みの場合は、Fnキーと対応する1~3のキーを3秒間同時押しすると、ペアリングモードに切り替わる。

 付属のレシーバーを使って2.4GHzワイヤレス接続を行う場合は、PCにレシーバーを接続した上でFnキーと4キーを同時押しすることで切り替えられるという仕組みだ。

 Bluetooth接続を利用する上で注意したいことが、有線接続と2.4GHzワイヤレス接続する際は、ポーリングレート(1秒間にキー入力データを送信する回数。高ければ高いほど入力遅延が減る)は1000Hzで動作するが、Bluetooth接続時は125Hzまで下がってしまう。

 普段使いであれば、Bluetooth接続でも問題無いが、FPSゲームのようにキー入力の正確性を求められるようなシーンでは、有線接続か2.4GHzワイヤレス接続を利用するようにしよう。

 逆を言えば、2.4GHzワイヤレス接続であれば、有線接続とポーリングレートが変わらないので、バッテリー管理の観点を除けば有線接続だろうが、ワイヤレス接続だろうがゲームプレイに大きな差が生まれないといえる。

 卓上のケーブル配線を気にせず快適にゲームプレイできるという点は、ユーザーに取って非常にありがたい。

●自作キーボードと同じレベルの高いカスタマイズ性を実現

 Halo75 V2キーボードの商品ページを見ると、QMK/VIAという記載が見受けられるが、これはHalo75 V2がオープンソースのキーボード用ファームウェアであるQMK/VIAに対応していることを示している。

 QMK/VIAは、自作キーボードでよく見るファームウェアだったのだが、最近ではHalo75 V2をはじめ、組み立て済みのキーボードでも採用されるモデルが増えてきている。

 QMK/VIAの特徴は何と言ってもカスタマイズ性の高さだ。キー配列の変更はもちろん、マクロキーの設定などが可能だ。

 また、普通のキーボードでは見ない大きな特徴として、キーボード配列をレイヤー化(多層化)できる点が挙げられる。

 メインの配列は0番レイヤーに設定した上で、レイヤー切り替えキーを設定して、キーボードのレイヤーを1番以降に切り替えて、自分が設定したマクロキーを使える様にするといった使い方が可能だ。

 もともとは極端にキースイッチが少ない超小型キーボード向けに用意されていた機能だが、Halo75 V2のような一般的なキースイッチ数のキーボードでももちろん活用できる。

 どちらかというと、玄人向けの機能で慣れるまでには少し時間がかかってしまうが、一度慣れてしまえば従来のキーボードでは考えられない様な、使い勝手の良いキーボードに大化けするので、興味がある方はトライしてみてほしい。

●インテリアに調和しつつ、ワイヤレス接続時の高ポーリングレートと、多彩なカスタマイズ性が光るキーボード

 Halo75 V2はゲーミングキーボードとして見ると、アクチュエーションポイントが自由にカスタマイズできない点や、ラピッドトリガー機能が搭載されていないため、少し物足りなさを感じる。

 その一方で、2.4GHzワイヤレス接続時もポーリングレートを1000Hzで利用できる点や、部屋のレイアウトにあわせたデザインを選べること、玄人も大満足の多彩なカスタマイズ性を実現するキーボードなので、気になる方は検討する価値があるだろう。

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