マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIVシリーズ」に、Intel最新のCore Ultra 200Sシリーズ(開発コード名:Arrow Lake-S)を搭載した最新のタワー型デスクトップPC「DAIV FX-I7G7S」が加わった。
2023年から導入されたタワー型の高品位シャシーに、Core Ultra 200Sシリーズの主力モデルであるCore Ultra 7 265Kと、GPUにNVIDIA GeForce RTX 4070 SUPERを搭載した魅力的な構成だ。実機(FXI7G7SB8AFCW101DEC)を入手することができたので、内容を見ていこう。
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●Intel最新のCore Ultra 200Sシリーズを採用
本機が採用するCore Ultra 7 265Kは、10月に発表されたIntel最新のCore Ultra 200Sシリーズ(開発コード名:Arrow Lake-S)の主力モデルだ。
このArrow Lake-Sだが、CPUコア(CPUタイル)部分に関しては、モバイル向けのLuna Lake(Core Ultra 200Vシリーズ)と共通で、TSMCの3nm(3NB)プロセスルールで製造されている。性能優先のPコア、Eコアともに新設計となり、クロックあたりの性能、コアあたりの性能を大きく向上させる一方、PコアのHyper-Threading(1コアで2スレッドを処理する機能)は省かれており、Core Ultra 7 265Kでは、Pコアが8基、Eコアが12基の20コア20スレッドという構成になっている。
またGPUコア(Intel Graphics)と、13TOPSのAIパフォーマンスをもつNPUコア(Intel AI Boost)も同一パッケージに統合している。Luna LakeのNPUコア(47TOPS)には性能で劣るが、個人用とのデスクトップPC向けCPUとしては初めてNPUコアを統合している。
●大容量の128GBメモリ搭載やトリプルSSD構成にも対応
メモリは標準で32GB(16GB×2)、ストレージもPCI Express 4.0 x4対応SSDを2TBと十分な容量を搭載する。
BTOでさらに増強させることも可能で、メモリは最大128GB(32GB×4)、ストレージは最大8TBのM.2 SSDを3台搭載するトリプルSSD構成に対応している。加えて、3.5インチHDD(4TB)を追加することもできる。
また、M.2 SSDについては、PCIe 4.0 x4対応SSDの中でも高性能なWD_BLACK SN850XやSamsung PM9A1を指定することも可能で、ストレージにこだわりのあるユーザーにも対応してくれる。
●GPUは画像生成にも強いNVIDIA GeForce RTX 4070 SUPERを採用
グラフィックスカードは、NVIDIA GeForce RTX 40シリーズのアッパーミドルであるNVIDIA GeForce RTX 4070 SUPERを搭載する。
7168基のCUDAコアとレイトレーシング専用の第3世代RTコアに加えて、568TOPSのAIパフォーマンスを持つ第4世代のTensorコアを統合し、12GBのグラフィックスメモリと、第8世代のハードウェアエンコーダーを採用するなど強力なスペックを持つ。
3Dゲームを2.5K以上の高解像度かつ高画質で快適にプレイできるのはもちろん、Stable Diffusionなどを利用した画像生成、レンダリング/エンコードを多用するビデオ編集、プレビューなどの描画処理、AIを利用した超解像や自動フレーミングなど、クリエイティブワークのさまざまな場面で処理を高速化してくれる。
●運用しやすく冷却性能にも優れる専用シャシー
DAIV FX-I7G7Sのシャシーは、2023年1月から導入された新型のオリジナルタイプを採用している。数々の企業広告制作などで実績がある「アマナ」のクリエイターの声を反映してデザインされており、制作の道具としての機能性と美しい外観を兼備する。
このシャシーの突起物を含む公称サイズは約220(幅)×530(奥行き)×510(高さ)mmとタワー型としてもかなり大柄だが、シャシーの上部にはクッション材の付いたハンドルを一体化しているため、設置や移動は比較的楽に行える。後部の足部分にはキャスターも備えており、ハンドルでケース前部を軽く持ち上げるだけで前後に移動できるようになっている。
大柄なボディーだけに内部スペースは広く、大型の冷却装置やハイエンドパーツも格納できる設計だ。本製品も240mmラジエーター搭載の水冷クーラーと前面に3基、背面に1基のケースファンによって、効率的な冷却ができるようになっている。
●10GBASE-T対応の有線LANとThunderbolt 4に標準で対応
グラフィックスカードの画面出力端子は、DisplayPortを3基、HDMIを1基搭載しており、4画面の同時出力が可能だ。
USB端子は、前面(天面部分)と背面の合計で11基を装備する。背面にある2基のUSB Type-C端子は、Thunderbolt 4(映像信号はCPU内蔵GPUを利用)にも対応している。
通信機能も充実している。一般的な1000BASE-Tの10倍の転送速度をもつ高速規格「10GBASE-T」対応の有線LAN端子に加えて、Wi-Fi 6E対応の無線LANとBluetooth 5.3を標準で装備している(Intel AX210通信モジュールで対応)。
●旧世代のフラッグシップに迫るパフォーマンス
ベンチマークテストのスコアを見よう。CPUの性能をストレートに反映するCINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のCPUスコアは1771ptsだった。旧世代のフラッグシップであるCore i9-14900KFを搭載する「DAIV FX-I9G90」(2023年発売)にあと一歩まで迫るパフォーマンスを示し、シングルスレッド処理性能を示すCPU(シングルコア)のスコアではDAIV FX-I9G90を上回った。
総合性能のテストであるPCMark 10、3D描画性能をテストする3DMark、Stable Diffusionを利用した生成Ai性能をテストするUL Procyon Benchmark Suites/AI Image Generation Benchmarkでも優秀なスコアをマークしており、日常操作からビジネス/ゲーム/AI処理まで、スキのない総合性能を備える。最新世代ならではのアドバンテージを実感できる結果だ。
●最新世代の洗練されたクリエイティブマシン
直販サイトでの販売価格は41万9800円とかなり高価ではあるが、最新構成ならではの高いパフォーマンスに加えて、冷却性能、長期耐久性やメンテナンス性へ配慮したシャシーも含め、一般的なデスクトップPCとは一線を画した内容であり、クリエイティブの道具として、対価に見合う価値はあるだろう。
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