日本AMDは12月13日、法人ユーザー向けの年次イベント「Advancing AI & HPC 2024 Japan」を開催した。その名の通り、AIとHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)に関する講演と、それに関連した製品やソリューションを展示からなるイベントで、講演については後日オンデマンド配信される予定だ。
この記事では、本イベントの展示から筆者が気になったハードウェアをまとめて紹介する。
●Ryzen AI 300/Ryzen AI PRO 300シリーズ搭載PCが勢ぞろい
展示会場では、AMDと同社のパートナー企業がブースを構えてさまざまな展示を行っていた。
その中でも、共通して客足が多かったのが「Ryzen AI 300シリーズ」「Ryzen AI PRO 300シリーズ」を搭載するCopilot+ PCの展示だ。AMDブースの他、一部のメーカーブースにも用意されており、「実際にどんなものか?」と興味深げに見ている人が多かった。
●サーバ向けCPU/GPUの“ホンモノ”を展示
主催者であるAMDはいくつかのブースを展開していたが、その1つではサーバ向けCPU/GPUの“実物”が展示されていた。実際に目にする機会が少ないものだけに、こちらも来場者からの注目を集めていた。
●富士通の自社開発CPUのイメージ展示も
富士通ブースでは、同社が開発を進めているArmアーキテクチャのCPU「FUJITSU-MONAKA(富士通モナカ:仮称)」のサンプルが展示されていた。
FUJITSU-MONAKAは、同社が理化学研究所などと共同で開発したスーパーコンピュータ「富岳」向けCPUで培ったノウハウなどを生かしつつ、より手頃かつ省電力で使えるAI/HPC向けCPUとして開発が進められている。
AMDは、自社のInstinctシリーズとFUJITSU-MONAKAを組み合わせた「AIのオープン化を加速するサステナブルなコンピューティング基盤」を実現すべく協業契約を締結した。今回のイベントに富士通が出展したのは、この協業の中核となるFUJITSU-MONAKAをアピールする目的もあったようだ。
FUJITSU-MONAKAは、2nmプロセスで製造された積層式の「コアダイ」と、5nmプロセスで作られたSRAMダイとI/O(入出力)ダイを組み合わせて作られている。コアダイには1つ当たり36基のCPUコアが搭載されており、これを4つ搭載することで合計144基のCPUコアを備えることになる。
コアダイは2nmプロセスを採用しつつ、その他のダイは5nmとしているのは「高いパフォーマンスを確保しつつ、コストと電力効率を最適化するため」とのことだ。