「別にガジェットが好きなわけではないので、必要のないものは買わない」──そんな筆者でも、2024年は物欲に駆られてポチってしまったアイテムが結構あった。今回は筆者が2024年に購入したガジェットの中から、買って良かったと感じている5つの製品を紹介したい。
●(1)OSアップデート期間が長くなった「Pixel 8a」
スマートフォンとして購入したのは、ミッドレンジの「Pixel 8a」だ。筆者は長らくiPhoneを日常でのメイン機、ライター仕事での動作検証用などにAndroidをサブ機として運用してきた。
Androidについては、メーカー独自機能の影響がなるべく少ないピュアな状態で動作して、基本のOS標準機能や周辺機器の接続などが試せれば何でもよいのだが、それゆえに食指も動きづらい。
長らく頼ってきた「Pixel 3」のサポートが2022年に終了してしまってから、Androidのポジションはぽっかり空いていて、仕事のレビューで試用するいろいろなAndroidスマートフォンを触りながら、次の相棒を探していた。
そんな時にPixel 8aが廉価シリーズでありながらも、発売から7年という長いOSアップデート保証を伴って現れた。これならGoogleストアで7万2600円(税込、以下同)で購入したとしても、1年あたりのコストはかなり抑えられる。性能面についても、一部のAI機能に対応していて、カメラやディスプレイの性能もまずまず。コストパフォーマンスの良さに納得して購入した。
詳しい方からは「2024年は、上位のPixel 8の方が安かった販路もあったじゃん」という声も聞こえてきそうだが、そこはご愛嬌(あいきょう)。通信プランも不要で、乗り換えの手続きはおっくうだったのである。しかも、もしミドルレンジのモデルでできないことが見えてくれば、筆者にとっては仕事のための知見にもなる。
こうした個人的な特殊な動機はともあれ、7年間のサポートという長く連れ添えるコスパモデルが万人におすすめしやすい一台であることは間違いない。実際、販売ランキング等でも上位の常連だ。
今期ならPixel 8aか、「AQUOS sense9」「Xiaomi 14T」あたりが有力候補になるだろうが、OSアップデートはAQUOSで3回、Xiaomiで5回だ。実際にミドルレンジのモデルで、そこまでの年数を耐用できるかは分からないが、機種変更が面倒なズボラ民としては、7年という数字にロマンを感じた。
●(2)久しぶりに買い替えた「Apple Watch Series 10」
長らく買い替えていなかった製品としては、Apple Watchシリーズもそうだ。ここ数年の新機能には特にピンと来ていなかったので、新機種に手を出さず、「Series 4」(2018年発売)と「Series 6」(2020年)を併用し続けていた。ただし、前者はついにOSのサポート期間が終了してしまう。
そんなタイミングでナンバリングが「10」の節目を迎えた「Apple Watch Series 10」が発売された。数世代に一度のボディーデザインが刷新されるタイミングでもあり、一部の文字盤で秒針の常時表示対応などもあった。これは新鮮な気持ちで使えそうだと思って購入した。価格は5万9800円からだが、最小構成で問題ないだろう。
ただし、慣れ親しんだ「シルバー」を選んだが、あとで新色の「ジェットブラック」にしておけば良かったとは後悔した。個人的には後者の方が出来がよいと思う。
使っていて良かったと思うポイントは、充電速度がとても速くなったことだ。家事や入浴の合間に充電器にセットしておくだけで、終日の運用が苦ではなくなった。新OSの目玉機能の1つである「バイタル」アプリでは、就寝時の着用が必要になるので、こうした特徴とも相性が良いだろう。
もし、長く新モデルを買い渋ってきたApple Watchユーザーがいれば、買い替えるのに悪くないタイミングであることを伝えたい。
●(3)小型ポータブル電源「Anker Solix C300 Portable Power Station」
趣味という視点では、小型のポータブル電源(ポタ電)を購入したのが個人的な大冒険であった。個人的に2024年には、本格的にアウトドアグッズを買いそろえ、キャンプ場などで過ごす時間が増えたため、屋外で長時間仕事をするためにノートPCの充電をしたり、冬に電気毛布などの機器を使ったりしたいという気持ちが芽生えていた。
ただし、中型~大型のポタ電となると、10万円を超えることも珍しくない。さらに自宅での収納場所を確保しなくてはという問題も出てくる。
一方で、ここ数年で良い製品が増えていたのが2~3万円台の小型のポータブル電源だった。こうした製品は定格出力こそ低いので、例えば電気ケトルやドライヤーなどを使うことはできない。しかし、入門機としては最適だ。
いくつかの製品を比較した上で、手持ちに加えて肩掛けができる「Anker Solix C300 Portable Power Station」をチョイスした。価格は3万4990円だった。
同製品は、同価格帯の製品群の中では、コンセントやUSB Type-Cを含めて、ポート数が充実していること、充電速度が速く、将来的にソーラーパネルの拡張などにも対応できることなどが魅力的だった。
ちなみに、LEDライトも備えており、ちょっとした停電時などの対策グッズとしても役立つ。「ポタ電が欲しいけれども、価格がなぁ……」と思ったことがある方はチェックしてみると良いだろう。
●(4)iPhone用のモバイルバッテリー「SMARTCOBY Ex02 Wireless Charger(Magnet & Watch) plus Stand CIO-MB20W1C-5000-EX02」
メインのスマホは2023年秋に発売された「iPhone 15 Pro」を使っている。バッテリー持ちに不満はないが、うっかり充電し損ねるときもある。モバイルバッテリーは何台か持っているが、正直ケーブル接続するのが面倒だ。どうせならまだ所持していないMagSafe対応のモバイルバッテリーが欲しいと考え、製品を探した。
こだわったポイントとしては、万が一の際にApple Watchも充電できるとうれしい。そして、できれば指をひっかけるためのリングも備わっていてほしい──と条件を絞り込んでいたら、ピッタリ当てはまったのが、CIOの「SMARTCOBY Ex02 Wireless Charger(Magnet & Watch) plus Stand CIO-MB20W1C-5000-EX02」だった。12月に発売されるということで、すぐに予約した。価格は5980円だ。
この手の製品は、ECサイトを見ると、無名の中華ブランドが多く展開されているカテゴリーでもある。しかし、廃棄時の回収サービスがあるかどうかは、見落としたくない。CIOならば、国内メーカーで回収サービスも展開している。これなら安心して使えるだろう。
使用感としては、モバイルバッテリーゆえに重量感はあるものの、やはりiPhoneの背面に装着して、リングを指にかけながら使えるのが秀逸だった。バッテリー残量も側面の透過型ディスプレイで確認できるので使い勝手が良い。充電パッド側に指紋が目立ちやすいのが少し気になるが、許容範囲だ。Apple Watchの充電は最大2.5Wに限られるのがやや惜しいが、メインはiPhoneの充電なので筆者としては問題なかった。
かつてのiPhoneのバッテリーケースのようなアイテムをお探しの方には、おすすめしたい一台である。
●(5)IKEAで見つけたLEDリングライト「STANKREGN ステンクレグン」
Web会議用のLEDライトは、ECサイトで無名ブランドの製品を何台か購入して使ってきたが、いかんせんどうも壊れやすい。長く持って半年が寿命のようで、気付くと壊れていることが多かった。信頼できる有名ブランドの製品がないかと探してみるも、いまだに大手が参入していないジャンルのようでもあった。こうなると消費者としては、どれを買えばよいか悩ましいところで決めかねる。
そんな折、家具を買いにふらっと訪れたIKEAで、Web会議用のLEDリングライト「STANKREGN ステンクレグン LEDリングライト, 調光可能/ターコイズ」を見つけた。
作りはシンプルで、この手のジャンルの製品としては変わり映えしない。しかし、さすがIKEA商品ならでのミニマルなデザインがよい。かつUSB Type-CケーブルでノートPCのポートに直挿しでき、アダプターも不要なのが秀逸だった。
もちろん、光量(非公開)はそれなりなので、映りを意識するならば満足度はそれなりかもしれない。ただし、これがあれば、たまの通話で顔が真っ暗という事態だけは避けられる。光量は気にしないから取りあえずLEDリングライトが欲しい。でも、どれを買うべきか分からない──という方にとっては、使い勝手の良さゆえに、悪くない選択肢となるだろう。