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Intelが「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」のラインアップを一気に拡大 ノートPC向けを中心にデスクトップPC向けや組み込み用も

ITmedia PC USER 2025年1月6日 23時5分

 Intelは1月6日(米国太平洋時間)、NPUを統合したCPU/SoC「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」の追加ラインアップを発表した。今回発表された製品の多くは、企業向けセキュリティ/管理機能「Intel vProプラットフォーム」にも対応している。

【更新:1月7日9時】Core Ultra 200Sプロセッサについて、追記を行いました

●Core Ultra 200Vプロセッサ(薄型ノートPC向け:メモリ統合)

 2024年9月に発表された薄型ノートPC向けSoC「Core Ultra 200Vプロセッサ」(開発コード名:Lunar Lake)については、従来のラインアップを継続する。ただし、以下のモデルについて、新たにIntel vPro Enterprise対応が行われる。

・16GBメモリ搭載モデル

・Core Ultra 5 236V

・Core Ultra 7 266V

32GBメモリ搭載モデル

・Core Ultra 5 238V

・Core Ultra 7 268V

・Core Ultra 9 288V

 Core Ultra 200VプロセッサのIntel vPro Enterprise対応では、以下の新要素や機能改善が盛り込まれている。

・NPUを活用したエンドポイントセキュリティの再設計

・150超のシリコンベースの攻撃からの緩和策を実装

・「MITRE ATT&CK」で検証済み

Windows 11のセキュリティ機能への最適化

・30個のシリコンベースのセキュリティ機能に対応(既存要素を含む)

「Intel Partner Security Engine(IPSE)」を搭載

・IPSEを通して「Microsoft Pluton」も利用可能

 上記SoCを搭載するvPro対応ノートPCは、1月6日(米国太平洋時間)から順次PCメーカーを通して発売される予定だ。

●Core Ultra 200Hプロセッサ(パフォーマンス重視ノートPC向け)

 「Core Ultra 200Hプロセッサ」(開発コード名:Arrow Lake-H)はCore Ultraプロセッサ(シリーズ1)のHシリーズの後継モデルで、パフォーマンス重視のノートPC向けCPUとなる。搭載製品は、PCメーカーを通して2月から順次発売される予定だ。

 主な特徴は以下の通りとなる。

・CPUコア:最大16基(ハイパースレッディング非対応)

・パフォーマンスコア(Pコア):Lion Cove(開発コード名)×最大6基

・高効率コア(Eコア):Skymont(開発コード名)×8基

・ローパワーアイランドEコア(LP Eコア):Skymont×2基

GPUコア:Intel Arc Graphics(Xe-LPG+アーキテクチャ×最大8基)

・先代比で最大15%のグラフィックスパフォーマンス向上

・AI処理のピーク性能は最大77TOPS

NPU:NPU3(第3世代)

・単体で11TOPSの処理に対応

・CPUやGPUを合わせたAI処理のピーク性能は先代比で最大25%向上

対応メモリ:DDR5-6400/LPDDR5X-8400

・DDR5規格時は最大96GBまで搭載可能

・LPDDR5/LPDDR5X規格時は最大64GBまで搭載可能(CAMM2対応)

PCI Expressバス

・PCI Express 5.0:8レーン(GPUまたはSSDでの利用を想定)

・PCI Express 4.0:8レーン(SSDやその他機器の接続を想定)

USBバス/Serial ATAバス

・Thunderbolt 4(USB4):最大4ポート

・Thunderbolt 5を搭載する場合はPCI Expressバスに別チップを実装

USB 3.2 Gen 2:最大2ポート

USB 2.0:最大10ポート

Serial ATA 3.0:最大2ポート

ネットワークポート

・無線:Wi-Fi 6E/7(規格はPCメーカーの設定次第)+Bluetooth 5.4

・有線:1000BASE-Tポート

ラインアップ

 Core Ultra 200Hプロセッサのラインアップは以下の通りだ(★印が付いているものはvPro Enterpriseに対応)。

・Core Ultra 5 225H

・CPUコア:計14基

・Pコア:4基(1.7GHz~4.9GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):18MB

GPUコア:7基(最大63TOPS)

基本消費電力(PBP):28W

最大ターボパワー(MTP):60W

Core Ultra 7 235H★

・CPUコア:計14基

・Pコア:4基(2.4GHz~5GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):18MB

GPUコア:8基(最大74TOPS)

基本消費電力(PBP):28W

最大ターボパワー(MTP):60W

Core Ultra 7 255H

・CPUコア:計16基

・Pコア:6基(2GHz~5.1GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):24MB

GPUコア:8基(最大74TOPS)

基本消費電力(PBP):28W

最大ターボパワー(MTP):60W

Core Ultra 7 265H★

・CPUコア:計16基

・Pコア:6基(2.2GHz~5.3GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):24MB

GPUコア:8基(最大75TOPS)

基本消費電力(PBP):28W

最大ターボパワー(MTP):60W

Core Ultra 9 285H★

・CPUコア:計16基

・Pコア:6基(2.9GHz~5.4GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):24MB

GPUコア:8基(最大77TOPS)

基本消費電力(PBP):45W

最大ターボパワー(MTP):115W

●Core Ultra 200HXプロセッサ(エンスージアスト用ノートPC向け)

 「Core Ultra 200HXプロセッサ」(開発コード名:Arrow Lake-HX)は、Core Ultra 200Hプロセッサよりもさらに高パフォーマンスを求めるエンスージアスト(求道者)向けノートPCや、モバイルワークステーションに搭載することを想定したCPUだ。設計的にはデスクトップPC向け製品とほぼ同一で、外部GPUを別途搭載することを前提としている。搭載製品は、PCメーカーを通して2025年前半から順次発売される予定だ。

 主な特徴は以下の通りとなる。

・CPUコア:最大24基(ハイパースレッディング非対応)

・パフォーマンスコア(Pコア):Lion Cove(開発コード名)×最大8基

・高効率コア(Eコア):Skymont(開発コード名)×16基

GPUコア:Xe-LPGアーキテクチャ×最大4基

NPU:NPU3(第3世代)

・単体で13.1TOPSの処理に対応

対応メモリ:DDR5-6400/LPDDR5X-8400

・DDR5規格時は最大96GBまで搭載可能

・LPDDR5/LPDDR5X規格時は最大64GBまで搭載可能(CAMM2対応)

・ECC(エラー訂正機能)対応モジュールも利用可能

PCI Expressバス

・PCI Express 5.0:20レーン(GPUとSSDでの利用を想定)

・PCI Express 4.0:4レーン(SSDやその他機器の接続を想定)

・DMI 4.0(チップセット接続用):8レーン

・チップセット経由を含めると、最大48レーンのPCI Expressバスを用意)

ラインアップ

 Core Ultra 200HXプロセッサのラインアップは以下の通りだ。全モデル共に、PBPは55W、MTBは160Wに設定されている(★印が付いているものはvPro Enterpriseに対応)。

・Core Ultra 5 235HX

・CPUコア:計14基

・Pコア:6基(最大5.1GHz)

・Eコア:10基(最大2.9GHz)

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):24MB

GPUコア:3基

Core Ultra 5 245HX★

・CPUコア:計14基

・Pコア:6基(最大5.1GHz)

・Eコア:10基(最大3.1GHz)

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):24MB

GPUコア:3基

Core Ultra 7 255HX

・CPUコア:計20基

・Pコア:8基(最大5.2GHz)

・Eコア:12基(最大2.4GHz)

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):30MB

GPUコア:4基

Core Ultra 7 265HX★

・CPUコア:計20基

・Pコア:8基(最大5.3GHz)

・Eコア:12基(最大2.6GHz)

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):30MB

GPUコア:4基

Core Ultra 9 275HX

・CPUコア:計24基

・Pコア:8基(最大5.4GHz)

・Eコア:16基(最大2.7GHz)

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):36MB

GPUコア:4基

Core Ultra 9 285HX★

・CPUコア:計24基

・Pコア:8基(最大5.5GHz)

・Eコア:16基(最大2.8GHz)

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):36MB

GPUコア:4基

●Core Ultra 200Uプロセッサ(メインストリームノートPC向け)

 「Core Ultra 200Uプロセッサ」(開発コード名:Arrow Lake-U)はCore Ultraプロセッサ(シリーズ1)におけるUシリーズの後継モデルで、メインストリームのノートPC向けCPUとなる。搭載製品は、PCメーカーを通して2月から順次発売される予定だ。

 基本設計は、先に紹介したCore Ultra 200Hプロセッサと同様で、Pコアが最大2基となり、GPUコアがXe-LPGアーキテクチャ(最大4基)に変更されていること以外に大きな違いはない。

ラインアップ

 Core Ultra 200Uプロセッサのラインアップは以下の通りだ。全モデル共に、PBPは15W、MTBは57Wに設定されている(★印が付いているものはvPro Enterpriseに対応)。

・Core Ultra 5 225U

・CPUコア:計12基

・Pコア:2基(1.5GHz~4.8GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):12MB

GPUコア:4基

・Core Ultra 5 235U★

・CPUコア:計12基

・Pコア:2基(2GHz~4.9GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):12MB

GPUコア:4基

・Core Ultra 7 255U

・CPUコア:計12基

・Pコア:2基(2GHz~5.2GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):12MB

GPUコア:4基

Core Ultra 7 265U★

・CPUコア:計12基

・Pコア:2基(2.1GHz~5.3GHz)

・Eコア+LP Eコア:10基

・スマートキャッシュ(L3キャッシュ):12MB

GPUコア:4基

●Core Ultra 200Sプロセッサ(デスクトップPC向け)

 デスクトップPC向けの「Core Ultra 200Sプロセッサ」(開発コード名:Arrow Lake-S)には、アンロック非対応製品が追加される。搭載PCや一部モデルにおけるリテールパッケージ(箱入りの単体CPU)は、1月13日(米国太平洋時間)から順次発売される予定だ。

ラインアップ

 Core Ultra 200Sプロセッサ(アンロック非対応)のラインアップは以下の通りだ。PBPは通常モデルが65W、省電力モデル(モデル名末尾に「T」が付くもの)が35Wとなる。モデル名に「F」が付くものは、内蔵GPUが省かれている。vProへの対応は、組み合わせるマザーボードによって異なる(内蔵GPUなしモデルは無条件で非対応)。

【通常モデル】

・Core Ultra 5 225/225F

・CPUコア:計10基

・Pコア:6基

・Eコア:4基

GPUコア:3基

Core Ultra 5 235

・CPUコア:計14基

・Pコア:6基

・Eコア:8基

GPUコア:3基

Core Ultra 5 245

・CPUコア:計14基

・Pコア:6基

・Eコア:8基

GPUコア:4基

Core Ultra 7 265/265F

・CPUコア:計20基

・Pコア:8基

・Eコア:12基

GPUコア:4基

Core Ultra 9 285

・CPUコア:計24基

・Pコア:8基

・Eコア:16基

GPUコア:4基

【省電力モデル】

・Core Ultra 5 235T

・CPUコア:計14基

・Pコア:6基

・Eコア:8基

GPUコア:3基

Core Ultra 5 245T

・CPUコア:計14基

・Pコア:6基

・Eコア:8基

GPUコア:4基

Core Ultra 7 265T

・CPUコア:計20基

・Pコア:8基

・Eコア:12基

GPUコア:4基

Core Ultra 9 285T

・CPUコア:計24基

・Pコア:8基

・Eコア:16基

GPUコア:4基

●NPU非搭載の新CPUも登場

 Intelは今回、NPUを搭載しない「Coreプロセッサ」や「Intel Processor(旧Celeron/Pentiumプロセッサ)」の新製品をいくつか発表している。その一部を紹介する。

Core 200Sプロセッサ

 「Core 200Sプロセッサ」(開発コード名:Bartlett Lake-S)は、主に組み込み機器で使うことを想定したCPUで、デスクトップ向け第12~14世代Coreプロセッサと同じCPUソケット(LGA 1700)を採用している。CPUのPコアは最大8基(最大5.6GHz駆動)、Eコアは最大16基を備え、XeアーキテクチャのGPU(Intel Graphics)も内蔵されている。

 同社によると、最上位製品の「Core 7 251E」は、Core i7-14700と比べてシングルスレッド性能が最大1.06倍、マルチスレッド性能が最大1.08倍となるという。

Core 200H/Core 200Uプロセッサ

 ノートPC向けには「Core 200Hプロセッサ」(開発コード名:Raptor Lake-H Refresh)と「Core 200Uプロセッサ」(開発コード名:Raptor Lake-U Refresh)が登場する。その名の通り、いずれも第13世代Coreプロセッサの改良版という位置づけで、よりリーズナブルなノートPCを求めるニーズに応える。

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