Microsoftは1月16日(米国太平洋時間)、サブスクリプションサービス「Microsoft 365」の個人向けプランの一部において、同社の生成AIアシスタント「Copilot」を統合することを発表した。対象のプランを契約していればアプリを更新することで利用可能だ。
これに伴い、同社は対象プランの料金を次回請求分から値上げするが、一定期間に限り従来通りのサービス(Copilotなし)で料金を据え置くプランも用意する。
●Copilotが追加されるプランとユーザー
今回、Copilotを利用できるようになるのは、以下のプランを契約している“本人”だ。
・Microsoft 365 Personal
・Microsoft 365 Family
Microsoft 365 Familyでは1つの契約を最大6人(6アカウント)で共有できるが、Copilotを利用できるのは契約者本人のアカウントのみとなる。
ファミリーアカウントのユーザーがCopilotの利用を希望する場合は、以下のいずれかの選択肢をとる必要がある。
・ファミリーサブスクリプションから抜けて、Microsoft 365 Personalを契約
・「Copilot Pro」(1アカウント当たり月額3200円:1カ月無料試用可)を契約
●Copilotを利用できるアプリ
Copilotを利用できるアプリは以下の通りとなる。
・Word
・Excel
・PowerPoint
・Outlook
・OneNote
・Microsoft Designer
・Microsoft 365 Copilot(旧Microsoft 365)
例えば、WordではCopilotに食事の好みと分量を入力するだけでレシピを作成できる。Excelであれば、現在表示しているシートの分析をCopilotに指示可能だ。
Microsoft 365ライセンス内で使う場合は利用制限あり
Microsoft 365 Personal/FamilyでCopilotを利用する場合、毎月アカウントに割り振られる「AIクレジット」を使う必要がある。両サービスの利用者は月初に60クレジットが割り振られ、処理に応じて1アクションに付き1クレジットが消費される。
AIクレジットはMicrosoft 365 Personal/FamilyにおけるCopilot対応アプリの他、「Microsoft Forms」やWindowsアプリ(メモ帳/写真/ペイント)のAI機能とも共有可能だ。余った場合は翌月に繰り越せないので注意しよう。
なお、「月間60クレジットでは足りない」という場合、当該アカウントでCopilot Proを契約することで利用制限がなくなる。
●料金変更について
Copilot対応に伴い、MicrosoftはMicrosoft 365 Personal/Familyのサブスクリプション料金を一律で月額3ドル(約470円)/年額30ドル(約4700円)値上げする。個人向けMicrosoft 365における値上げは初めてとなる。
値上げ額は国/地域によって異なり、日本(日本円建て)の場合は月額640円/年額6400円増しとなる。
・Microsoft 365 Personal(初回1カ月無料体験あり)
・月額:1490円→2130円
・年額:1万4900円→2万1300円
Microsoft 365 Family
・月額:2100円→2740円
・年額:2万1000円→2万7400円
先述の通り、値上げは次回の請求からとなるため、1月16日(米国太平洋時間)までに支払いをした場合、次回請求まで料金据え置きでCopilotを使える。
ただ、それでも「Copilotは使わないのに、値上げされては困る」という人もいるだろう。そこでMicrosoftは1月16日(同)までにMicrosoft 365 Personal/Familyを契約した人を対象に、期間限定でCopilot(AIクレジット)を省いたプラン「Microsoft 365 Personal Classic」「Microsoft 365 Family Classic」を用意する。料金は値上げ前と同額で、次回の請求までに管理画面でClassicプランに切り替えることで料金を据え置ける。
なお、Classicプランは既存ユーザー限定かつ期間限定なのだが、いつまで提供するか明言されていない。恐らく、Copilot対応プランが一巡する2026年1月まで選択肢として用意されると思われるが、CopilotやAIクレジットを使う予定のない人は、早めに変更手続きをするとよいだろう。