俳優の神木隆之介が主演する連続ドラマ「日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』」(TBS系)の第7話が8日、放送され、鉱山で起きた爆発火災の消火作業にあたった主人公の兄、荒木進平(斎藤工)が迎えた衝撃のラストシーンにドラマファンは悲鳴。SNSには今後の展開をめぐって多くの考察が飛び交った。
1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島(通称・軍艦島)と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、家族の壮大な物語。完全オリジナル作で、戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。脚本を野木亜紀子さん、監督を塚原あゆ子さん、新井順子さんがプロデュースを担当。神木が端島の炭鉱員の家で生まれ育った鉄平と、現代の東京に生きるホストの玲央の一人二役に挑んでいる。
1964年の端島。鉄平には結婚を考えている幼なじみの朝子(杉咲花)がおり、兄の進平は、リナ(池田エライザ)と長男・誠の3人で幸せに暮らしていたが、死別した妻、栄子(佐藤めぐみ)の死亡届は出していないことから未だ婚姻関係にあり、戸籍を取ることのできないリナは内縁の妻だった。一方現代では、若かりし日の朝子であることが分かったいづみ(宮本信子)から「私も知らないの。鉄平が、どうなったのか…」と聞いた玲央が、鉄平のことを調べ始めていた。
この日の放送で、炭鉱の坑内でガス爆発による火災が発生。進平と鉄平も立ち向かうことになったが消火活動は難航し、ガスも充満しているため、坑内を海水で埋めて水没放棄させることが決まった。そのためには、坑内にたまる海水を汲み上げているポンプを停止させる必要があり、この作業を鉄平が担当することになった。水没放棄すれば採鉱は不可能になる。それは端島の終焉を意味していた。坑内の作業員らが地上に退避するなか、端島に愛着のある鉄平は涙を必死にこらえながらポンプを停止させた。一方、坑内に最後まで残っていた進平は坑道で意識が朦朧となり、その場に座り込んでしまった。やがて坑内で浸水が始まり、迎えたラストシーン。横たわったまま動かない進平の足が、海水につかり始めた場面でこの日の放送は終了した。
進平の安否に注目が集まるなか、多くの視聴者は「進平の死亡フラグが立ってた」「(史実で)1名死亡になってて…ちがうよね?進平さん」などと最悪の事態を予想。ポンプを停めたのが鉄平だったという流れに「鉄平が進平を…?な鬼脚本」「進平兄ちゃんを自分の手で…」といったコメントも寄せられた。
さらにSNSには「鉄平は“俺が兄貴の代わりにリナを守らなきゃ“でリナを連れて夜逃げ=1話冒頭の小舟のシーンになるのかな」「リナ母子を小舟で運んでいた舵手は鉄平?一緒に夜逃げしたから朝子には『わからない』」「進平が亡くなり、鉄平とリナが船で本土に渡り、暮らす…ということか?」などと“小舟”への言及がズラリ。第1話の冒頭で描かれた1965年のシーンで、薄暗い朝もやのなか、誰かと一緒に手漕ぎ船に乗ったリナが子供を抱きかかえながら、離れていく島を見つめるシーンに改めて注目が集まった。
この展開を受け「残されたリナと誠を守るために朝子と一緒にいることを選ぶことができなかった…?」「ここに来て死亡届や戸籍の伏線が回収されるのかな」などの推測が続々。本編終了後にドラマの公式SNSなどで公開された次回予告では、母・ハル(中嶋朋子)が鉄平に「リナさんと一緒になれん?」と尋ねるシーンがあったことから、「見ず知らずの地で戸籍上の夫婦になって誠の戸籍を確保できるようにした…?」「誠は戸籍上、鉄平の養子みたいになるのかな」「リナと鉄平との間に、授かった子供が玲央の親ということもありうる」「朝子が鉄平を探さなかったのは、鉄平がリナを好きだった時期があったから身を引いたのかな」といった考察も寄せられた。
ちなみに脚本を担当する野木さんは放送後に自身のXを更新。「台詞にもあったけどポンプ止めたからってそんなにすぐに水は来ないし鉄平のせいじゃないよ…」とポストした。野木さんの指摘どおり、当該シーンで鉄平は「海水を入れるにはポンプを停めて3時間以上かかります」と説明していた。
■番組概要
[タイトル]日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』
[放送日時]毎週日曜よる9:00~9:54