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桜井俊貴 巨人スカウトからアマで異例の復帰!21日初陣「都市対抗で優勝したい」

iza(イザ!) 2024年7月19日 13時0分

野球への思いが再燃

2015年のプロ野球ドラフト会議で巨人から1位指名を受けた桜井俊貴投手。7年間のプロ生活を終え、23年からは巨人のスカウトとして新人発掘に力を注いでいたが、野球への情熱が再燃。1年のブランクを経て社会人野球のミキハウスに入団し、アマチュア球界へ復帰した。桜井が異例ともいえる現役復帰、そして19日から始まる都市対抗野球大会への思いについて語った。

兵庫県の公立高校出身で、立命大では3年春、4年秋に関西学生野球リーグの最優秀選手賞を獲得。その活躍に注目した巨人がドラフト1位で指名した。当時を振り返った桜井は「その年12人しかいないドラフト1位に入って。急に、何の変哲もない選手がパッと(ドラフト1位)になって、人生が変わった」と茶目っ気たっぷりに笑った。

ルーキーイヤーに開幕ローテを勝ち取ったが、故障などもあって思うように成績を伸ばせず、22年オフに球団から戦力外通告を受けた。トライアウトを受験するも獲得の声はかからず、現役を引退。23年から巨人のスカウト部に配属され、関西・中国地区を担当することになった。さまざまな球場に出向き、高校から大学・社会人野球まで有望な選手たちを見守るうちに、徐々に芽生えたのは「もう一回、野球がやりたい」という強い思い。数あるチームから桜井が雰囲気の良さに魅力を感じていたのがミキハウスだ。同社は母校・立命大野球部のOB会長だった藤岡重樹氏が、前身のミキハウスREDSでも監督を務めた縁もあり、入部が決まったという。

原前監督からエール

12月、巨人主催の納会で当時、監督を務めていた原辰徳氏に退団とミキハウスへの入部を報告。原氏から「自分で決めたんなら、しっかり頑張りなさい」とエールを受けた。「自分で決めたことは自信を持ってやっていかないといけない。ありがたいお言葉をいただいた」とかつての指揮官からかけてもらった言葉が原動力になっている。

今年の1月10日からチームへ合流。スカウトとして1年活動していた間は野球だけでなく、運動もしていなかったため「投げられるのかな」と不安もあったが、練習投球をしてみると肩や肘に違和感はなく、手応えを感じるようになった。しかし、いざオープン戦が始まると、イメージが一変。「自分のなかではいい球を投げられていると思っても、バッターに打たれてしまって、『これはヤバいな』と思った」と焦りを覚え始めた。

それでもプロを経験した31歳は視点を変えた。「打者目線で嫌な投球がどれだけできるか」。都市対抗野球の予選で、自分の投球へのこだわりを捨てるとすぐに結果が出た。5月に行われた近畿地区2次予選で9回を6安打1失点。13奪三振を奪う快投を見せ、公式戦初勝利を飾った。さらに第2代表決定戦でも8回から登板し、3者連続三振を奪うなど好リリーフを見せ、チームの4年連続となる本大会出場に大きく貢献した。

担当選手の活躍が刺激!

チームが都市対抗出場を目指すなかで大きな刺激もあった。スカウトとして担当し、23年のドラフト4位で巨人に入団した泉口友汰内野手が開幕一軍入りを果たし、44試合に出場(7月16日現在)。遊撃手のスタメン争いを続けている。「上の方が自分の見ていた選手を取ろうって言ってくださった。その選手が活躍してくれたら自分のことのようにうれしい。『スカウトの人ってこんな感じなんだ』と辞めてから実感している」と笑顔を見せた。

チームは4年連続5回目、桜井にとっては初の都市対抗を迎える。巨人入団の同期で現在、中日で活躍する宇佐見真吾捕手からは「都市対抗出るやん」と祝福を受けた。21日の初戦の相手は、2021年大会の1回戦で敗れた東京ガス。硬さや景色をよく知るプロ時代の本拠地、東京ドームのマウンドに立つことになる。「個人的な目標は都市対抗で優勝したい。東京ドームは結構投げやすい球場。楽しんで投げたいと思っている」。2年ぶりに戻って来たかつての主戦場で、桜井はチームを優勝へ導くつもりだ。

◆桜井俊貴(さくらい・としき)

1993年10月21日生まれ、30歳。兵庫県出身。右投右打。多聞東小4年で野球を始め、中学では軟式野球部に所属。北須磨高(兵庫)では夏の県大会3回戦で敗退。立命大進学後は3年春、4年秋に最優秀選手賞獲得。2015年のドラフト会議で巨人から1位指名を受け、プロ入り。巨人には7年在籍し、先発、中継ぎとして110試合に登板。通算成績は13勝12敗。181センチ。

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