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石川祐希、古賀紗理那、河村勇輝、須崎優衣、阿部詩…胸張れ!パリで涙した“グッドルーザー”たち

iza(イザ!) 2024年8月12日 15時19分

パリ五輪が12日で閉幕した。東京五輪から3年が経過して、多くの苦難や厳しいトレーニングを積んで夢舞台への切符をつかんだアスリートたち。連覇を期待されたが手が届かなかった選手、思わぬ形で敗者となり動揺を隠せなかった選手もいた。注目選手たちの敗者の弁を紹介する。

「オリンピックチャンピオンじゃなかったら価値がないと思っていた」

須崎優衣<レスリング女子50キロ級・初戦敗退→3位決定戦勝利で銅メダル>

東京五輪では圧倒的な強さで1点も失わず、すべてフォール勝ち。パリ五輪でも金メダル最有力候補と目されていた。しかし初戦でインド選手に試合終了直前に逆転負け。その後、3位決定戦への権利を得た須崎は本来の姿を取り戻し、テクニカルフォール勝ちで2大会連続メダルを手にした。

初戦敗退後「パリ五輪に人生をかけて、レスリングだけをしてきた。今の私はオリンピックチャンピオンの器ではなかった」

銅メダル獲得後「昨日初戦で敗退してから苦しい2日間だった。周りの方々が背中を押してくれて立ち直らせてくれた。五輪チャンピオンの須崎じゃなかったら価値がないと思っていた。負けても私に声援を送ってくれて、そういう方々にオリンピックチャンピオンの姿を見てもらえるようにこれから4年頑張って行きたい」

「金メダルを取れる強さを身につけたい」

阿部詩<柔道女子52キロ級・2回戦敗退>

東京五輪に続き、兄・一二三との兄妹同時金メダルへの期待を一身に背負って登場。しかし2回戦でまさかの敗戦を喫し、会場中に響き渡るほどの大声で号泣。観客からは「ウタ」コールが沸きあがった。

「負けた瞬間は冷静に自分を保つことができなかった。(五輪は)誰にも経験することができない舞台だと改めて感じたので、そこでしっかり金メダルを取れるような強さを身に着けたい」

「新しい歴史を見ることができて幸せ」

橋本大輝<体操男子団体総合金メダル・個人総合6位>

エースとして活躍が期待されたが、団体戦予選では得意の鉄棒で落下。決勝ではあん馬で落下したが、チームメイトの活躍もあって2大会ぶりの金メダルを獲得。しかし個人総合決勝でもあん馬で落下し、つり輪も得点が伸びず連覇の夢は途絶えた。

「(チームメイトの岡慎之助が金メダルを獲得して)新しい歴史を見ることができて、僕は幸せです。悔しい気持ちより何か幸せすぎて、涙が出ちゃって。今日でパリ五輪は終わりだけど堂々とやり切れたっていう気持ちでいっぱいです」

「10年間日本代表のユニホームを着てプレーできたのは奇跡」

富樫勇樹<男子バスケットボール 1次リーグ敗退>

ベスト8進出を目標に掲げていたが、3試合で勝利を飾れず予選敗退。

「もし最後になったとしても何一つ後悔はありません。こんな僕が10年間近く日本代表のユニホームを着てプレーできたことが奇跡です!ありがとう」

「想像以上に世界とのレベルは縮まっている」

河村勇輝<男子バスケットボール 1次リーグ敗退>

パリ五輪開幕前、チームの目標をベスト8進出に掲げたが1次リーグで敗退。しかしフランス戦では29得点7リバウンド6アシストをマークし、国際バスケットボール連盟のX(旧ツイッター)で「21世紀において五輪で1試合あたり25得点以上5リバウンド以上5アシスト以上を記録した3人目の選手(2016年のケビン・デュラントと2012年のルオル・デン)」だと紹介された。

「すごく悔しい結果。一時は逆転しそうなところまでいったが、あと1本決めたらこっちに流れが来るというところで、相手に決められた。初めての五輪だったが、想像以上に日本と世界とのレベルの差は縮まっていると感じた」

「喜び、悔しさ、達成感を共有できることが幸せ」

羽根田卓也<カヌースラロームカナディアン 13位>

リオデジャネイロ五輪でカヌー競技初のメダルを獲得したレジェンド。5大会連続出場となったが、決勝に進めず13位となった。

「挑戦の中で感じた喜び、悔しさ、そして達成感―それらすべてを、皆さんと共有できることがアスリートとして何より幸せです。皆さんの声援が私にとってどれほど大きな力となり、心の支えとなったか、計り知れません。5回目のオリンピックで得た感動は、私一人のものではなく、ともに歩んできた皆さんと分かち合うものです。支えてくれたすべての方々に、改めて心からの感謝を申し上げます。これからも皆さんとともに新しい挑戦へと進んでいきます」

「キャプテンとして力不足だった」

石川祐希<男子バレーボール 準々決勝敗退>

46年ぶりのメダルを目標に掲げたが、準々決勝でフルセットの末、イタリアに敗戦。退任が決まっていたブラン監督と泣きながら抱擁した。

「メダルを取るとずっと言い続けてきてこの結果なので、しっかりと強く受け止めなければいけないと思いますし、このみんなで作って来た集大成がこういう結果で終わってしまったので、キャプテンとしての力不足だったと思いますし、エースとしても力不足だったと感じています」

「ブラン監督とメダルを取りたかった」

高橋藍<男子バレーボール 準々決勝敗退>

準決勝進出まであと一歩だったが、世界ランク2位のイタリアの前にフルセットの末、敗戦。

「結果がすべてなので、ここで負けてしまったことは、自分たちが、そこを勝ち切る力がなかった。まだまだ自分たちが強くならないといけない。勝ち切る力をつけていかないといけない試合だった。(退任する)ブラン監督と一緒にオリンピックでメダルを取りたかった。今の自分があるのはブラン監督のおかげ。ブラン監督に勝たせてあげられなかったというか、メダルを取れなかったのは、自分の中で心残りというか、悔しい部分だと思います」

「バレーボールが大好きな古賀紗理那として戦いました」

古賀紗理那<女子バレーボール 1次リーグ敗退>

大会前に五輪を最後に競技からの引退を発表。メダル獲得を狙ったが、1次リーグは1勝2敗と結果が残せず、1次リーグで敗退した。

1次リーグ、ケニア戦後「今日が最後かもしれないし、最後じゃないかもしれないというところで本当にみんなで気持ちを立て直して勝つことができてよかったです。今日はキャプテンとか考えず、バレーボールが大好きな古賀紗理那として戦いました」

1次リーグ敗退決定後「結果は望んでいたものではなかったですが、私たちがチームで駆け抜けてきた3年間はとても価値のあるもので、私の誇りです。この3年間はずっと忘れないと思います」


「勝ち切らないと意味がない」「勝たないと顔向けできない」

阿部一二三 斉藤立(たつる)<柔道混合団体 銀メダル>

東京五輪決勝で敗れた開催国フランスと決勝で再び対決することになった日本チーム。4勝すれば勝利のなかで女子48キロ級の角田夏実らの活躍で3勝1敗。あと一人で金メダルという場面で男子66キロ級の阿部一二三が約8分の死闘の末敗戦を喫すると、そこから連敗し3-3の同点に持ち込まれた。ルーレットで決められた代表戦は90キロ超級の戦いとなり、五輪初出場の斉藤がフランスの英雄、リネールと戦うことになった。必死に攻める斉藤だったが、最後はリネールの内股が決まり、金メダルを逃した。

阿部一二三「日本の皆さんにすいませんという気持ち。みんながつないでくれた良い流れをものにできずに申し訳ない。あそこで勝ち切らないと意味がないので悔しい気持ちでいっぱいです」

斉藤立「個人で負けてしまって、切り替えることができなった。(日本代表監督の)鈴木(桂治)先生に『何のためにきたんだ。死ぬ気でやるんだ』と言われて…。『(立の父でロス、ソウル五輪金メダリストの)斉藤(仁)先生が見ていたら絶対そう言っていたと思う』と言われた。勝たないと日本代表としても顔向けできないと思ってやっていた。代表戦でもう一度チャンスをもらってたのに本当に悔いが残る」

「自己ベストじゃ足りない」

サニブラウン・アブデルハキーム<陸上男子100メートル 準決勝敗退>

決勝進出を狙ったが準決勝敗退。自己ベストの9秒96をマークしながらも10位に終わった。

「自己ベストじゃ足りない。100パーセント以上、200パーセントくらい出さないともっと上には行けない。1ミリ1ミリ前進はしている。でも悠長なことを言ってる暇はない。自分が前進していても、海外の選手たちはもっともっと前進していて、一生追いつけない。差を縮めるためもっともっと頑張っていかなきゃいけない」

「人の失敗は祈りたくない」

四十住さくら<スケートボード女子パーク 予選敗退>

東京五輪に続く連覇を狙ったが、予選のランで79・70点と得点を伸ばせなかった。決勝には上位8人が進出するが、四十住は、残り16人を残した時点で7位。結局、最終組で2人に得点を上回られ、2大会連続金メダルの夢は途絶えた。

「連覇したい気持ちはある。最後まであきらめずに、ただ人の失敗は祈りたくないので。でも決勝には行きたいので、ちょっと変な気持ちになっちゃうけど、行けるように祈ります」

「金メダルよりも銅メダルを取ることの方が価値がある」

早田ひな<卓球女子シングルス 銅メダル>

金メダルを狙ったが準々決勝で左腕を負傷。準決勝は本来のプレーができず敗退し、3位決定戦に回った。試合直前まで20パーセント程度の力でしかプレーできなかったが、5分前に痛み止めの注射を打つと状況が一転。いつもの力強さが戻り、日本女子シングルスでは東京五輪の伊藤美誠に続く2人目のメダルを獲得した。

「金メダルを目指していたが、神様にこのタイミングでいじわるされるとは思わなくて…。どんな結果になっても最後までやり続ける姿、銅メダルを皆さんに見せられたらなという気持ちで戦いました。金メダルを取るよりも銅メダルを取ることのほうが私にとっては価値があるかな」

「もう少し狙ってもいいのかな、という向上心も芽生えた」

鈴木聡美<競泳女子平泳ぎ100M 準決勝敗退、同200M 4位>

競泳史上最年長の33歳で2大会ぶり3度目の五輪出場。本命の100メートルは決勝に進むことができなかったが、200メートルは6年ぶりに2分22秒台をマークし、4位に入った。

「200メートルで決勝に進み、すばらしい経験ができて、4位まで順位も上げられた。もう少し狙ってもいいのかな、という向上心も芽生えた」

「胸を張って言えるぐらい楽しめました」

半井重幸(Shigekix)<ブレイキンBボーイ 4位>

パリ五輪から正式種目として採用されたブレイキン。今大会はフェンシング女子の江村美咲とともに旗手に抜擢された。金メダル有力候補にあげられていたが、準決勝で敗退し、3位決定戦でもアメリカ選手に敗れた。しかし終始キレのあるムーブを披露。会場を盛り上げたが、結果は4位。

「恥ずかしい姿は見せていないけど、より輝いた姿を見せたかった。胸を張って言えるくらい楽しめました」

「メダルという形にはならなかったですけど、誇りに思う」

張本智和<卓球団体 4位>

準決勝敗退時には心神喪失状態。3位決定戦でメダルを取りを狙ったが、4位に終わった。

「正直準決勝が終わった後では最悪の大会だと思っていましたけど、きょうは勝てなかったけど、すごくいい大会だったと思います。戸上(隼輔)と篠塚(大登)と田勢(邦史)監督とサポートしてくださったスタッフ、みんなと戦えて、メダルという形にはならなかったですけど、このチームを誇りに思います。(準決勝の)スウェーデン戦も(準決勝の)フランス戦も僕が勝てば終わっていたので、2人は責任を感じる必要はないと思います。きょうも僕が2番で勝っていれば、勝てていたので。僕が(2番手で勝って)1-1にしていればきょうは勝てていた。全員が出し切った。いいチームでした」






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