「二十億光年の孤独」などの詩集で知られ、作詞や脚本、翻訳でも活躍した戦後を代表する詩人、谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)さんが13日、老衰のため死去した。92歳だった。訃報が報じられた19日、俊太郎さんの息子で作編曲家・ピアニストの谷川賢作さんがSNSで父への思いをつづった。
賢作さんは自身のX(旧ツイッター)で「私は中国からの公演の帰途についているところで間に合いませんでしたが、妹の志野が急遽NYCから駆けつけてくれて、娘と一緒に最後を看取ってくれました。穏やかな最後だったということです」と俊太郎さんの最期の様子を報告。「皆様と同様私も、俊太郎の詩に驚き、感心し、クスッと笑わされ、ほろっと泣かされ、楽しかったですね」とフォロワーたちに寄り添いながら、「紋切り型ですが、彼の詩はずっと皆さんと共にあります。ありがとうございました」と謝意を伝えた。当該ポストには生前の俊太郎さんと出演したイベントの写真が添えられていた。
俊太郎さんは1952年に詩集「二十億光年の孤独」を刊行。62年には「月火水木金土日の歌」で日本レコード大賞作詞賞を受賞し、75年には英の童謡集を邦訳した「マザー・グースのうた」で日本翻訳文化賞を受けた。そのほか、犬のスヌーピーで知られる米漫画「ピーナッツ」や、小学校の国語の教科書で親しまれている名作絵本「スイミー」の翻訳、アニメ「鉄腕アトム」の作詞を手がけるなど、幅広く活躍した。