俳優の神木隆之介が主演する連続ドラマ「日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』」(TBS系)の第5話が24日、放送される。
1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島(通称・軍艦島)と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、家族の壮大な物語。完全オリジナル作で、戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。脚本を野木亜紀子さん、監督を塚原あゆ子さん、新井順子さんがプロデュースを担当。神木が端島の炭鉱員の家で生まれ育った鉄平と、現代の東京に生きるホストの玲央の一人二役に挑んでいる。
「海に眠るダイヤモンド」第4話振り返り(ネタバレ)
2018年の東京。玲央は、出会ってすぐにプロポーズしてきたIKEGAYA社長、いづみ(宮本信子)の家に転がり込み、第二秘書に就任。さらにいづみは、玲央が次期社長候補であると紹介し、役員を務める娘らを驚かせた。家族たちは、優遇される玲央がいづみの「隠し孫」かもしれないと考え、DNA鑑定で2人の血縁関係を調べようと玲央の頭髪を入手した。
いづみの秘書を10年前から務めているという澤田(酒向芳)は、玲央に、いづみの夫は20年以上前に他界したことや、いづみはもしかすると結婚する前に別に付き合っていた人がいて、玲央は彼女の孫なのではと家族が思い始めていると話した。自身の家族構成を聞かれた玲央は、母は恐らくどこかで男と暮らしていて、父とは面識がなく名前も知らないことや、「日下」という名字は母親の名前であるなどと説明。そして、自分が、かつて端島にいたいづみにとって忘れることのできない「荒木鉄平」という人物にそっくりだと聞いていたことから、「(いづみの)元カレが端島の鉄平?」と質問した。澤田は目を泳がせながら鉄平のことは聞いたことがないと答えたが、鉄平の日記があることを明かした。いづみの部屋でその日記を手に取った玲央。いづみは、日記には玲央と一緒に長崎を訪れたときに見た浦上天主堂の話も出てくるから読むよう勧めた。
1958年7月の端島。幼なじみの朝子(杉咲花)の初恋の人が自分だと知って以来、鉄平は浮足立っていた。そんな鉄平に親友の賢将(清水尋也)は、この小さな島でフラれたら気まずいなどと忠告。これに鉄平が、賢将と幼なじみの百合子(土屋太鳳)が恋人関係にあったことに触れると、「あれは特殊事情。幸せ者のお前には教えたくない」と遠くを見ながら話した。
その頃、助産師手伝いのリナ(池田エライザ)の部屋で、鉄平の兄、進平(斎藤工)は、ゴムで束ねられたたくさんの札束と血に染まったスカーフ、そして一丁の拳銃を目撃。リナは「護身用」と言い訳するが、進平は慣れた手つきで確認しながら「14年式。危ねーな」と鋭い目つきでリナを見た。
ある日、島の食堂で働く朝子の仕事を小ばかにする百合子の姿を見かねたリナが、なぜ朝子に対していつも意地悪を言うのかと尋ねた。百合子は「あの子が楽しそうにしていると腹が立つのよ」と冷たく返し、リナから事情を聞かれた鉄平は「昔から」とだけ答えた。そんななか、長らく体調を崩していた百合子の母、寿美子(山本未來)が白血病で亡くなった。鉄平は、百合子の家族の運命を変えてしまった1945年8月9日の出来事を思い返す。その日、寿美子は2人の娘、千鶴(竹井梨乃)と妹の百合子(野田あかり)を連れて長崎の教会まで手伝いに行こうとしていたが、気分が乗らない百合子は鉄平(川原瑛都)、賢将(藤原聖)、朝子(小野井奈々)らと遊んでおり、自分のことを探す寿美子に気づくと物陰に隠れた。だが、寿美子の「百合子!」という呼びかけに、朝子がいたずら心で「はーい!」と答えてしまい、見つかった百合子はしぶしぶ母と姉に同行。その後、3人は長崎で被爆した。浦上天主堂は爆風で吹き飛び、千鶴は絶命。百合子はこの出来事をきっかけに「朝子がいなければ違う未来はあったろうか」と考えるようになり、朝子に冷たく接するようになった。一方の朝子はそのことに気づいておらず、むしろ自分の家庭の身分が低いことが理由だと思い込んでおり、鉄平や賢将も本当のことを言えなかった。そして鉄平の兄、吉平と2人の姉も、戦争で命を落としていた。
島で精霊流しが行われる8月15日。百合子は突然、賢将からメダイのペンダントを手渡された。それは、百合子が幼い頃に寿美子からもらった思い出のものだったが、3年前に大型の台風が島を襲った際、百合子は神に祈り続ける寿美子と口論になり、「神はいないの!」と投げ捨てていた。そのとき偶然、賢将が拾っていて、この日まで百合子に返すタイミングを見つけられずにいた。ペンダントを受け取った百合子は母のことを思い出しながら号泣。2人はそのまま食堂へ向かい、百合子は朝子を盆踊りに誘った。百合子の自宅で朝子は、祭壇に置かれた骨つぼに気づいた。百合子は朝子の浴衣を着つけながら、これまでの言動を謝罪。「あなたが許してくれなくても、私は許すわ」と言う百合子と朝子は微笑み合った。そして、ペンダントが奇跡的に見つかったと聞いて「神の奇跡?」と尋ねた朝子に、百合子は「奇跡は人が起こす」と返した。
第5話あらすじ
現代。いづみの家に、DNA鑑定の結果が届く。
1958年12月。「全日本炭鉱労働組合」の意向に従い、鉄平の父、一平(國村隼)や進平たち鉱員は、期末手当の賃上げを求める「部分ストライキ」を行おうとしていたが、鉄平たち鷹羽鉱業側は鉱員たちの要求を退け、鉱山のロックアウトを実施。ロックアウトされれば賃金自体が出ないため、鉱員たちは生活に困ることになる。
父や兄、そして家族同然に思う鉱員たちと対立するという不本意な事態に、鉄平は労働組合制度の仕組みに疑問を持つ。そして鉱員たちの間では、ロックアウトを選択した炭鉱長、辰雄(沢村一樹)への不満が高まっていた。
そんななか、リナが進平に、自身の悲しい過去を語り始める。
■番組概要
[タイトル]日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』
[放送日時]毎週日曜よる9:00~9:54