NHK連続テレビ小説「おむすび」(総合など)第10週「人それぞれでよか」(第46~50回)の第48回が4日、放送される。
平成元年生まれのヒロイン米田結(橋本環奈)が栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む姿を描く。主題歌「イルミネーション」をB’z、語りをリリー・フランキーが担当する。
「おむすび」第10週「人それぞれでよか」振り返り(ネタバレ)
2007年7月、結の父、聖人(北村有起哉)が営む「ヘアサロンヨネダ」がある神戸・さくら通り商店街で、夏休み恒例の子供向け防災訓練が行われることになった。栄養士を目指して専門学校に通う結は、市役所の若林建夫(新納慎也)から頼まれて炊き出し隊長として協力することに。過去3年の訓練でマンネリ化した献立が不評だったことを懸念した若林は、何か趣向を凝らそうと提案した。
結が担任の桜庭真知子(相武紗季)に相談すると、栄養士の基本になる「大量調理」を学ぶ機会として、授業で炊き出しの献立を考えることになった。結の班で意見を募ると、結以外の班員は、震災当時、遠方か被害の少ない地域にいたため炊き出しの経験がなかった。自宅が全壊するほどの被害を受けた結も当時6歳と幼かったことからほとんど記憶がなく、炊き出しで何を食べたのかを覚えていなかった。
そこで実際に避難所生活を経験した商店街の人たちから話を聞くと、地震発生から3、4日目くらいから食料が届き始めたものの、パンや米ばかりで食物繊維が足りなかったため、高齢者や子供、女性のなかに便秘で苦しめられた人がいたことがわかった。パン屋の娘、佐久間菜摘(田畑志真)もその1人で、当時、便秘で苦しみ、避難所を騒がせたことがあった。そんな菜摘を救ったのが、地震で一人娘を亡くし、心を閉ざしていた靴屋の渡辺孝雄(緒形直人)だった。避難所の窮状を知った孝雄は、自宅に買い置きしてあった大量のわかめや豆、しいたけなどを避難所に持参。菜摘の母、美佐江(キムラ緑子)に泣きながら感謝されたが、すぐに家に戻ろうとした。若林はまだ余震もあるから危険だと引き留めたが、孝雄は「真紀はもうおらん。いつ死んでもええ」。若林も聖人も返す言葉が見つからなかった。
95年、避難所生活が5日目に入り、ようやく炊き出しができるようになった。あたたかい食べ物に避難所で歓声があがり、大勢の被災者がわかめごはんのおにぎりと大豆と野菜のスープをほおばった。久しぶりに家族たちが笑顔になり、幼い結もうれしかった。
話は07年に戻り、結の姉で古着バイヤーの歩(仲里依紗)は、孝雄から修理した聖人の靴を渡された。きれいに生まれ変わった靴を見た歩は、靴職人としての孝雄の腕の確かさに舌を巻き、中古の靴を仕入れて孝雄にカスタムしてもらい販売することを思いついた。すぐに母、愛子(麻生久美子)に説明用のイラストを描いてもらって、孝雄を説得しに店を訪問。断られたものの、歩は諦めていなかった。
そのころ、結の恋人で実業団野球のピッチャー、四ツ木翔也(佐野勇斗)はスランプに陥っていた。
結は、震災当時の炊き出しについて、専門学校のクラスメイトとともに商店街のひとたちに追加聞き取り。どんなメニューを作っていたのか、どうして味が安定しなかったのかなど、疑問を深掘りしていった。
「おむすび」第48回あらすじ
結は、専門学校の仲間とともに震災当時、炊き出しでどんな食べ物が出されていたのかを聞き取り調査。意外にも幅広い具材が使われており、豆腐もあったことにクラスメイトの森川学(小手伸也)が驚いていると、聖人は苦い顔をして父、永吉(松平健)がかかわっていたことを思い出す。当時、福岡・糸島からはるばる避難所までやってきた永吉は、食材集めに奔走していた。