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福田沙紀がショートドラマ「大人に恋はムズカシイ」で監督初挑戦 「とんでもない愛情でこの作品を一緒に持ち上げたい」

iza(イザ!) 2024年7月8日 18時0分

女優の福田沙紀が初監督に挑んだショートドラマ「大人に恋はムズカシイ」が、ショートドラマ配信アプリ「BUMP」(以下、バンプ)で8日からリリースされる。大人になり忖度やプライドが捨てきれない女が年下男性と出会い、すれ違いを繰り返すなかで彼の真っ直ぐな思いに感化され、素直に愛する気持ちを取り戻すというストーリーで、1話あたり1分程度で描かれる。イザ編集部では福田と、バンプを立ち上げたemole代表の澤村直道氏にインタビューを行い、作品の見どころや撮影でこだわったことなどを聞いた。

「別れて欲しい。美冬は...俺がいなくても生きていけそうだから」と言われ、結婚を考えていた彼氏の大輝(平田雄也)に振られてしまった29歳の美冬(下京慶子)。そんな彼女が一人でヤケ酒をしていると、突然「かわいいね」と声をかけられた。自分よりも明らかに若い青年の名前は隼人(平井亜門)。努力して完璧なバリキャリウーマンになった結果、捨てられてしまった女と、常に相手に合わせていい顔をしてきた結果、本当の自分を見失った男は恋に落ちるが...。

--福田さんにとって初監督作品ですが、監督をやってみたいと思うようになったキッカケや、今作で監督をすることになった経緯を教えてください

福田(以下、福)「監督をやってみたいという思いは20歳くらいの時にフワっとあったのですが、当時はそういった機会もなかなかありませんでしたし、自分の中に具体的な企画があったわけでもありませんでした。その後、事務所を辞めてフリーになり、自分ができることを探しているなかで、山口龍大朗監督の『シキ』(2023年公開の映画)に出演したのですが、山口監督が私と同じ熊本の出身で、すでにバンプでいろいろと作品を作られていて、私が作品作りに俳優とは別の部分で参加したいと話した時に『じゃあ監督はどうかな』という話になりました。ちょうどそのころ、澤村(直道)さんと一緒に作品を作っていらっしゃったので、話を通してくださり、『ぜひ作ってみましょう』という運びになりました」

--そのときすでに脚本は出来上がっていたのですか?

福「いえ、その時点でバンプ側からいくつか提案していただいた中の一つが『大人に恋はムズカシイ』の企画書で、そのときに3話ぐらいまでのプロットがあったんです。そこからプロデューサーたちを含めて企画会議や脚本会議を重ねて作っていきました。実は脚本もちょっと書いています」

--では福田さんの意見やアイデアも脚本に盛り込まれているということですか?

福「はい。ただし原案は私ではありませんので、それをバンプ側のみなさんとブラッシュアップして膨らませていった感じです。当初は1話3分弱の全10話の作品になる予定だったのですが、こういう市場はユーザーの動きが早いので、もっと短くということで、基本的には1話1分の全29話という形に変わりました。29話のショート動画となると、フックとかクリフハンガーと言われる『次の展開が気になる要素』がたくさん必要になるので、それをみんなで膨らませていきました。10話ならその要素が最低20個は必要なのですが、『29話になったら60個は必要だね』ということで、幸いにも制作陣は今作の登場人物たちの年齢に近いスタッフが多かったので、これまでの経験を持ち合わせながらいろいろとストーリーを作っていきました」

--1話あたり2つのフックを考えるのは大変だと思いますが、その辺が逆に、作品を作る面白さでもあるのでしょうか?

福「そうですね。 しかも、ストーリーもどんどん展開していかなければいけないので、29話に変更になった時は『どうしよう。できるのか…』と不安もありました。でも逆にそれを『制限がある中でやるのはショートだろうが2時間ドラマだろうが変わらない』と前向きな思考に切り替えました。そんななかで、やっぱり台本作りが最も時間が掛かりましたね」

澤村(以下、澤)「これまでに商業映画やテレビドラマの経験がある監督・脚本家と何度か一緒に制作をしてきましたが、ショート動画は長編ものよりも難易度が高いと言われることが多いんです。ショートの脚本はスタートから割と何かが起こってなければいけないですし、セットアップと言われる人物の背景を説明してる時間が、飽きられてしまいやすいのであまりないんです。なので、常に展開を起こしながらも、登場人物に対してどうやって没入感を作っていくか、といった試行錯誤がかなり必要で、そこに対してはとても柔軟に、それこそ楽しみながら参加してくださったので、すごく心強かったです」

--女優と監督の違いはどんなところにありましたか?

福「みんなを引っぱって行かなければという気持ちは強く芽生えました。監督業に興味を持つことになったキッカケの一つの『ライフ〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜』(07年、フジテレビ系)で、カメラワークやカット割りで『このシーンがこういう風に映像化されるんだ!』と演出のすごさを感じたんです。だからこそ、今作でそれぞれのキャラクターを生かしたいし、とんでもない愛情でこの作品を一緒に持ち上げていきたいと思いました。たくさんのスタッフさんが集まってくれたこともうれしかったです。カメラマンの方は以前、映画『YATTER MAN 〜ヤッターマン〜』(09年公開)でご一緒した方で。今回、撮影期間は5日間だったのですが、ずっと楽しくてアドレナリンが出ていましたし、やっぱり人との出会いって大事だなとかいろんなことを考えていました」

--撮影でこだわったポイントはありますか?

福「いまは韓国ドラマが人気なので、バンプ側との話し合いの中で『韓国ドラマのようなアングルのアプローチで』という話がありました。私も15年ぐらい前から韓国ドラマにハマっていて、独学で韓国語も勉強してきたので、実際に撮った画を確認した時に『こういう画が欲しかったんです!』と言ってもらえた時はうれしくて気合が入りました(笑)」

澤「ドキドキするようなシーンで、他の監督だとあまり撮らないような画角から撮っていて、初めてやるのに画角の指示をたくさんしていたので『すごいな!』と思いました(笑)」

--韓国ドラマっぽい撮り方とは?

澤「いろいろあると思いますが、少し斜めの角度から撮るようなシーンとか、その人物に何かが迫ってきているという、その人の感情が浮き出て見えるような撮り方は、そのように感じます」

--福田さんが今作でキャストに求めたことはありますか?

福「1分程度の尺なので、テンポ感は気にしました。例えば女子3人が喋ってるシーンとかは、よりリアルな女子トークの早口感を意識して指示しました。けっこう“リズム”で表現することが多かったです」

--最後に、今作で意識しながら見てほしいことや見どころを教えてください

福「いろんなことを頭の中で考えちゃうって、よくあることだと思うんです。私もやりがちで、これをやろうかなと思っても『でも、こういう風に思われるかも』『こうした方がいいかなって』って一人ですごいおしゃべりしちゃうんですけど、一回、そのおしゃべりをやめて、一つ目に浮かんだことにチャレンジするって結構楽しいかもしれないなと思ってもらえたらうれしいですし、この作品を通して、周りの目じゃなくて『自分』と向き合える時間を作るキッカケの一つになれたらと思っています」

emole株式会社 (https://emole.co.jp)

日本初、1話3分のショートドラマ配信アプリ“BUMP(バンプ)”を運営。 『創造で挑戦できる世界へ』をビジョンとして掲げ、グローバル展開を目指すエンターテイメントスタートアップです。 アプリダウンロードURL:https://app.adjust.com/12nidiws

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