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6日放送「笑うマトリョーシカ」橋本P最終回直前インタビュー 「僕を見ていてください」の意味と、道上(水川あさみ)と清家(櫻井翔)が迎えるラストとは…

iza(イザ!) 2024年9月5日 17時0分

女優の水川あさみが主演を務める連続ドラマ「笑うマトリョーシカ」(TBS系)の橋本芙美プロデューサーが、6日に放送される最終話(第11話)を前に、その見どころやキャストとの撮影エピソードなどを語った。

日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴を持つ早見和真氏が2021年に発表した同名小説が原作のヒューマン政治サスペンス。印象的な笑顔とリベラルな言動で人気を集める若手政治家の清家一郎(櫻井翔)と、高校時代の同級生で秘書を務める鈴木俊哉(玉山鉄二)の奇妙な関係に違和感を抱いた新聞記者の道上香苗(水川)が、2人を取り巻く黒い闇に迫っていく。

第10話(8月30日放送)では、清家を裏で操る「ハヌッセン」の正体が実母の浩子(高岡早紀)ではなかったこと、そして、過去に起きた贈収賄事件「BG株事件」には、現首相の羽生雅文(大鷹明良)までもが関与していたことが明らかとなった。最終回では、清家からの突然の提案を受け入れた道上が、清家の「ブレーン」に就任する。そしてついに、ハヌッセンの正体が明かされる。

--これまでの撮影を経て、主人公・道上を演じる水川さんの印象を改めて教えてください

「水川さん演じる道上は視聴者と一緒に謎を追っていく立場なので、説明セリフがとても多いのですが、それをいかにナチュラルに伝えるか、その表現の仕方が本当に素晴らしいと感じています。作劇上、本当はハヌッセンではない人をハヌッセンのように見せたりもしていましたが、演者側はそのミスリードを理解したうえで演じなくてはいけないので、疑う側も疑われる側もその点がすごく難しかったのではないかと。そんななか、水川さんは座長として常に現場の中心で盛り上げてくださいますし、先日はスタッフとキャストにTシャツを作ってくれたりもして。さらに現場が一丸となりましたね。最終回の道上は、今まで以上にかっこいいです! 色々苦悩する姿も描かれますが、最終的に道上がどんな選択をして、どんな言葉を投げかけていくのか、最後まで見届けていただけたらと思います」

--鈴木役の玉山さんについてはいかがでしょう

「玉山さんは、現場で水川さんやスタッフから“タマッセン”と呼ばれてうれしそうに笑っていたり(笑)、意外とお茶目なんです。鈴木は、悪者かと思ったら実はハヌッセンに狙われていたり、清家との絆が一番強い人かと思いきや突然切り捨てられたりという、視聴者からの見え方が初回からすごく変化した役。切られた後、鈴木が復活していく7話(8月9日放送)は特に、玉山さんといろいろな話をしました。改めて衣裳合わせをしたり、鈴木の気持ちを復活までどう持っていくか、ご本人からもご意見をいただいて作っていきました。その結果、清家や浩子の呪縛から解放されて、再び前を向いて道上と一緒に事件を探っていく鈴木にも、視聴者の皆さまが感情移入できる形になれたのではないかなと思います。また最終回では、秘書をやめた鈴木が、今後の人生でどういう選択をするのかという点にもぜひ、注目していただけたらと思います。鈴木のラストシーンは、撮影現場で見ていて思わずうるっときました(笑)。視聴者の皆さまにも見届けていただけたらうれしいです」

--清家役の櫻井さんについてはいかがでしょうか

「清家は政策の説明や会見で話すシーンが多いので、セリフの量もかなり多いんですよね。清家は難しい役どころだったと思いますが、演じる上で佇まいから喋り方、表情の一つ一つまで、ものすごく緻密に作り上げてくださったと思います。会見の場に佇む櫻井さんはまさに『清家一郎』だなと。櫻井さんのレギュラー番組のスタッフさんもドラマを見てくださっているそうで、『政治家役が似合う』とすごく言われているらしいです」

--6話(8月2日)のラスト、清家が鈴木を切り捨てるシーンは、櫻井さんが表現する清家の冷徹さ、そして鈴木が絶望する姿が視聴者に大きなインパクトを与えたかと思います

「あのシーンは中盤の見せ場だったので、演じる側も相当プレッシャーを感じていたと思います。清家側からでいうと、何が清家の“本心“の言葉で、何が浩子に“言わされている”言葉なのか分からない不気味さと、鈴木を切ることの辛さがひしひしと伝わる表現が入り混じる、いろんな意味を持つシーンだったので。鈴木が一生懸命清家に語りかけようとするのに、全く聞く耳を持たずにセリフをかぶせる清家のタイミングなど、監督、玉山さん、櫻井さんでディスカッションして作り上げていきました。色々な感情、要素が絡み合う難しいシーンでもありましたが、玉山さんと櫻井さんが見事に演じきってくださり、このドラマにおける名シーンの一つになりました」

--ここまでの作品作りで大変だったこと、苦労された部分はどんなところですか

「脚本作りにおいては、原作にある回想シーンをドラマのどのタイミングで入れるかに一番苦労しました。BG株事件などドラマ独自の要素を足した分、原作の本線と辻褄が合っているかを考えながら組み立てるのがすごく難しくて。あとはハヌッセンが誰なのかをどう見せていくかという点。鈴木から美和子(=清家が学生時代に付き合っていた真中亜里沙、演・田辺桃子)、美和子から浩子へ疑惑が移行していくところは、映像だからこそより怪しく見せられる部分で、そこが面白くもあり苦労した部分です。早見先生にも毎回原稿をお送りし、気になるところがないかを都度ご確認いただきました。清家が“首相公選制”という国民が直接投票で首相を選べる制度を導入しようとするところも原作にはなく、事前にご相談した上で取り入れさせていただいた要素。あれは政治監修の方のアイデアで。清家が最終的に権力を握っていく様子をより恐ろしく感じさせるためにどのような政策を打ち出すべきか相談した際、独裁的になる危険性をはらんだ政策として、この制度を教えていただいたんです」

--清家たちの地元を愛媛にしたことも、原作をリスペクトしてのことでしょうか

「そうですね、愛媛県、特に外泊(そとどまり)での撮影は映像化の条件でもありました。炎天下での撮影でしたが、早見先生も現場まで来てくださって、みんなでたくさん写真を撮りました(笑)。地元・愛媛のフィルムコミッションの方が、蛇口からポンジュースが出る重いタンクをわざわざ石垣を登って運んできてくださり、キャストスタッフみんなで美味しく飲みました。地元の方々がお昼にそうめんを作ってくれたりもして。景色も美しい場所でしたが、地元の方々のあたたかいご協力にも心が癒されました。感謝です!!」

--そしていよいよ最終回。清家から道上への「僕のブレーンになって」という衝撃の発言で幕を閉じた前回に続く展開となりますが、見どころは?

「10話のラストは、監督が『清家から道上への愛の告白のように撮りたい』と言っていたこだわりのシーンでした。そこからの最終回、視聴者の皆さんも考察してくださっていますが、道上がどんな見立てをして最後に“清家を操る者”とどう対峙していくかが見どころです。ハヌッセンの正体とは? 清家のブレーンとなった道上が何を感じ、どんな筋道を辿ってラストへと向かっていくのかに注目です。今までお互いを“疑似遠距離恋愛”的に見合ってきた2人の最終地点がどうなるのか、清家の本当の心があるのかどうか? 本心があるとするなら、それを道上に見せるのかどうか。そして、そんな清家を櫻井さんがどう演じるのか。『僕を見ていてください』と言った清家の言葉の意味がラストで分かるので、その意味についても考えていただきたいです。“ハヌッセンの正体”については、亡くなった方も含め今まで出てきた登場人物にまだまだヒントがあるので、おさらいしておくと良いかも。また、秘書をやめた鈴木が今後の人生をどうしていくのかも気にしていただきたいポイントです。最終回の脚本を読んだ水川さんにも『こういうことにしたんですね、いいね!』と言っていただけてよかったです。敢えて言いますが、原作にもある、道上と清家の長い対峙シーンは圧巻です!!

余談ですが、最終回で清家がマトリョーシカを扱うシーンがあります。マトリョーシカって、実際に開けたり閉めたりする動作が意外と難しいのですが、それを櫻井さんがものすごい速さで美しく見事に捌いていく場面も個人的な見どころの1つです。こんなに上手くマトリョーシカを使える方は他にいないんじゃないかと思います(笑)。ぜひ、お楽しみに!」

--それでは最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします

「10話まで、この怒涛の展開をハラハラドキドキしながら一緒に駆け抜けてくださった視聴者の皆さま、本当にありがとうございます! そしてついに、『ハヌッセンの正体は?』という答えが最終回で確実に分かりますので、視聴者の皆さんも最終回に向けて様々な考察をしてみていただくと楽しいと思います。そして道上と清家が“疑似遠距離恋愛”のような関係性の末にどんなラストを迎え、お互いにどんな言葉を投げかけあうのか。そこもすごく楽しみにしていただきたいです」

■番組概要

[タイトル] 金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』

[放送日時]毎週金曜よる10:00~10:54

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