NHKは19日、現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」に矢吹沙智役で出演している女優、山本舞香のコメントを発表した。
通算111作目となる朝ドラで、橋本環奈演じる平成元年生まれのヒロイン、米田結(橋本環奈)が、栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む姿を描いていく。山本が演じる沙智は、この日放送された第37回で初めて登場した新しいキャラクターで、栄養士を志して神戸栄養専門学校に通い始めた結の同級生。高校時代は有名な陸上選手として活躍した経歴を持ち、当時はとして珍しいスポーツ専門の栄養士を目指している。
山本舞香 コメント
――出演が決まった時の心境は?
「お話をいただいたときは、えって(笑)。嬉しいなとは思ったんですけど、朝ドラに呼んでいただけると思っていなかったので、なんでだろう?と疑問でした。現場に入ってしばらくたってから『沙智はもともと山本舞香で書いている』と脚本家さんがおっしゃっていたと聞いて、『もっと早く言って!』て感じでした(笑)。でも、そう言っていただけてすごく嬉しかったです。ヒロインの橋本環奈とは映画『カラダ探し』で共演して以来の仲だから、環奈と一緒にお仕事できることもすごく嬉しかったです。初めての朝ドラだったので、環奈がいてくれて心強いなと思いました」
――自身の役柄について
「栄養学校メンバーのみんなは本当に栄養士になりたくて入学していますが、中でも沙智は難関と言われる『スポーツ栄養士』を目指してる子。自分の経験を踏まえた上でスポーツ栄養士を志しているから中途半端にやりたくないし、結を冷たく突き放したりもするんです。結と仲良くなりたいのか、壁を作ってるのかわからないようなところが難しい役だなと思いました。まだ10代の女の子だし、子供ながらに大人びようとして、栄養士になりたくて必死にもがいてるっていう感じですね。
ギャルの格好して登校する結も結だけど、突っかかっていく沙智も沙智。わざわざ『なめてるの?』って言うところとか、無視すればいいし、話しかけられたら冷たく返せばいいのに、ずっと結を気にかけていて。心のどこかで結と仲良くなりたいと思っているのかなとも取れますよね。もうちょっと口数少なくてもいいなって思っていましたが、良く言えば、沙智は自分の気持ちをちゃんと言葉にして伝える人なので、悪く言えば、おせっかいのうるさい人になってしまうから、そのさじ加減が難しかったです。
演じる上では、怒るレベルを結構考えました。ここで怒りすぎたら後がきかないなとか。だから、台本と向き合う時間がすごく長かったですね」
――神戸ことばでの演技について
「神戸ことばがすごく難しかったです。中途半端にはやりたくないので、ずっと音源を聞いていました。でも、口に出してみるとまた全然違うんです。ことば指導の先生につきっきりで居ていただいて、頭の中が神戸ことばでいっぱいでした。(森川役の)小手さんだけ標準語でずるいな!って(笑)。
視聴者の方に『全然方言できてないじゃん』って言われるのも悔しいし、かといって、完璧に方言ができているわけじゃないのもわかっているから芝居で魅せたいし…っていう葛藤がすごくありました。やりきれてるのかなあという不安と闘いながらの撮影でした。私は集中していると周りから不機嫌だと思われちゃうけど、『大丈夫よ! みんななんとかやりきってるから!』ってメイクさんが声をかけてくださったり、いいスタッフの方たちばっかりですごく助けられました。環奈が座長としていい雰囲気を作ってくれていたのも助かったし、『やっぱりすごいな!』と思いましたね。方言には苦戦しましたが、今回神戸ことばの役ができて、すごくいい経験ができたと思っていますし、これを今後生かせたらいいな、自分の中でひとつ強みができたなと思っています」
――視聴者に向けたメッセージ、見どころ
「結の大きな成長が見られるのがこの栄養専門学校編。人に対して、自分に対して恋人に対して、結の中で当たり前だった考え方がどんどん変わっていく、その力添えを沙智たちがやっているような、大人になっていく結の手助けを沙智たちがしている感じが見どころです。後半になるにつれて、結、沙智、カスミン、モリモリの絆が深まっていきますし、ひとつのことをみんなでやるっていうのはどの仕事でも大事なことだから、全く違う性格の子たちとどうやってうまくやっていくかっていうのを、視聴者の方々にも見ていただけたらいいですね。神戸ことばは…頑張ったのですが、あんまり期待してほしくないかな。まあ、ここは許してやろうかなぐらいの優しい気持ちで私の方言を見てください(笑)」