NHKは18日、2025年度前期に放送される連続テレビ小説「あんぱん」に、高橋文哉、志田彩良、ソニン、瀧内公美、山寺宏一の5人が出演すると発表した。山寺以外の4人はいずれも朝ドラ初出演となる。
112作目の朝ドラは、人気アニメ「アンパンマン」の原作者として知られる高知県出身の漫画家、やなせたかしさんと妻の小松暢さんをモデルにしたオリジナル作品。「花子とアン」(14年度前期放送)以来2度目となる中園ミホさんが脚本を担当する。ヒロインの朝田のぶ役を今田美桜が、その夫となる柳井嵩役を北村匠海が務める。今回発表された5人が演じるのは、のぶと嵩が学生時代に出会う人物たち。それぞれの役柄とコメントを以下の順で紹介する。
◆役名(演者)
キャラクター説明
1.自身の役柄の印象と意気込み
2.連続テレビ小説出演歴、出演作品での思い出、または“朝ドラ”の印象
3.やなせたかしさんの作品のイメージや好きなキャラクター
4.ドラマの舞台となる高知の印象や思い出
辛島健太郎(高橋文哉)
嵩の同級生。福岡出身。若い頃に友人がいなかった嵩にとって真の友人となっていく。のぶや朝田家の面々ともかかわっていくことになる。
1.「この辛島健太郎という役は本当に愛すべき不器用で、台本を読んでいても愛くるしいなと思う瞬間がある一方で、ドキッとするような発言をする瞬間もありますが、素直でまっすぐな子だからこその言動だなと感じています。そして、健太郎は福岡出身なので、初めて博多弁でお芝居が出来ることにもワクワクしております!! 北村匠海さん演じる柳井嵩の一番の親友ですので、この作品の中で二人の関係性と空気感を大切にしつつ、健太郎にしか引き出せない嵩くんをお届けしたいと思っております。
この役をこの『あんぱん』という作品の現場で演じられることを誇りに、精一杯向き合いたいと思います」
2.「連続テレビ小説には初めて出演させていただきます。
このお仕事をしていて目にすることも耳にすることも多い『朝ドラ』という言葉が、すごく遠い存在に感じていながらも、いつか携わることが出来るように努力してきた自分もいるのが事実です。
今回、『あんぱん』で辛島健太郎という役をデビュー5周年の節目に託していただけたこと、本当に胸が高鳴ります。
僕にしか作れないものを皆様にお届けする覚悟で現場に存在したいと思っています」
3.「寛大な心と当たり前のことへの感謝と感動を感じられる作品を手掛けている印象です。
『アンパンマン』は子供の頃から拝見していたので、当たり前のように日常にあふれていましたが、お腹がすいている子に自分の身を削って助けるヒーローとしての強さも、子どもの頃に友達と歌っていた『手のひらを太陽に』の、“生きているからうれしいんだ“”みんな生きているんだ”、という歌詞も、大人になった今見返すと身の回りに散らばっている幸せのカケラを日々集めて毎日を楽しく過ごせているんだなと考えさせられます。
好きなキャラクターはしょくぱんまんです!
小学生の頃好きだった女の子がしょくぱんまんが一番カッコイイと言っていたのを思い出しました」
4.「今回の作品は高知県が舞台ですが、ぼく自身高知県に行ったことがなく、街の景観は撮影がもしあれば新鮮な気持ちで楽しめたらいいなと思っております。
ですが、去年末に親戚が還暦を迎え、その親戚が鰹が大好物だったので鰹の代表的な名産地である高知県の通販サイトで自分用と併せて購入したことがあります。
その時に食べた鰹が美味しすぎて忘れられないので撮影期間の合間があったら鰹が食べたいです!!」
小川うさ子(志田彩良)
のぶの同級生で幼なじみ。のぶと一緒に通っていた女学校時代は、卒業までに良い相手を見つけて花嫁になることを夢見ていたが…。
1.「これまでもオーディションに挑戦し、結果に涙してきた念願の朝ドラに出演させていただけることが本当にうれしく、自分で自分を抱きしめてあげたい気持ちです。
私が演じるうさ子はのぶちゃんの幼なじみで親友です。ちょっぴり泣き虫な一面もありますが、周りの人からたくさんの刺激や影響を受け、少しずつ強さを身につけようと奮闘する影の努力家です。うさ子がたくさんの方に愛していただけるよう、私自身も努力をし精一杯務めたいと思います!」
2.「10代の頃、朝ドラの現場見学をさせて頂く機会があり、プロフェッショナルな現場を目の当たりにしました。以来、いつか自分もここに立ちたい!という強い目標ができ、私にとって憧れの場所でした。立ち止まりながらも一生懸命に人生を走る登場人物たちから、『今日も頑張ろう!』と勇気をもらえる、観ていてとても前向きになれるドラマという印象です」
3.「自分が犠牲になることを恐れず、目の前の困っている人を助け、喜んでもらうことで自分も幸せになる。強い武器で戦うのではなく、誰かの為に優しさや思いやりを差し出せるのが本当のヒーローなのだとアンパンマンから教わりました。人々への愛が深く、優しい心を持ったアンパンマンがかっこよくて大好きです!」
4.「高知県についてはほとんど知識がありませんでした。しかし、方言指導で初めて土佐弁を話してみて、関西弁などと比べるとあまり知られていない土佐弁ですが、とても可愛くわくわくする言い回しが多い印象でした!『あんぱん』を通してこれから高知県の景色や魅力を知っていけるのが楽しみです!」
山下実美(ソニン)
のぶが通う高等女学校の教師。
1.「高知出身、ハチキンの女であった私は、のぶちゃんのような子だったと思います。それとは真反対であるその時代の象徴である女学校の先生。そのコントラストが出るように演じたいと思います」
2.「全国民の一日のスタートを彩る朝ドラ。『あんぱん』は、懐かしい土佐弁で散りばめられた台詞を見るだけでワクワクが止まらず、朝から毎日あの明るい土佐弁が聞けると想像しただけで、どう皆様の毎日を活気あるものにしてくれるんだろうと楽しみで仕方ありません。初めての朝ドラ出演が高知が舞台であるこの作品で、本当に光栄に思います」
3.「高知で育った私としては、アンパンマンは身近なものとして共に生きてきました。私個人としてはドキンちゃんが好きで、ばいきんまんの横にいながら女心があふれ出るいとおしさがたまりません。やなせ先生の作品の世界とつながる『あんぱん』の登場人物に、高知県民ならず日本中がこの作品の虜になる事でしょう」
4.「高知といえばの『お酒』は強くない私ですが、『よさこい祭り』には幼い頃から血を注いできた、まさに高知の女やき」
黒井雪子(瀧内公美)
のぶが高等女学校を卒業後に入る女子師範学校の教師。
1.「登場人物全体においては、アンパンマンに登場するキャラクターたちを想起させるような人物名になっており、キャラクターイメージが湧きやすい印象を持ちました。
主人公ののぶさんに立ちはだかる壁として登場させていただきますので、非常にやりがいのある役です。パワフルに気合を入れて演じていこうと思っております」
2.「初めて朝ドラに出演させてもらいますので、個人的には緊張しつつも、みなさんと作りあげていく時間を楽しんでいけたらと思っています。
朝ドラは、お子さんから御年配の方まで幅広く愛されているドラマのイメージがあります。月並みではありますが、朝からみなさんに元気と勇気を与え、主人公をなんだか応援したくなる、そんな印象があります」
3.「やなせたかしさんといえば、『アンパンマン』ですが、個人的には『チリンのすず』という作品も大好きです。
好きなキャラクターは『チーズ』です。
小学生のときによくモノマネをして遊んでいた思い出があり、チーズ推しでいきたいなと」
4.「高知には大学時代の友人がおり、その友人が発していた土佐弁がとても好きで印象に残っています。
わたしは富山出身なのですが、富山弁と土佐弁が似ていると言われたこともあり、非常に親近感を持っております。
いつか旅で訪れたい街です」
座間晴斗(山寺宏一)
嵩が通う芸術学校の教師。嵩にとって生き方、人生の考え方の基本を教えてくれた恩師。
1.「まず、この作品に出演できることをとても光栄に思います! 36年前『それいけ!アンパンマン』のばいきんまんのオーディションには落ちたものの、めいけんチーズ役としてレギュラーになれたことに感謝です。座間晴斗は、やなせ先生の恩師がモデル。型にとらわれず本質を見抜き、学生達に真の自由を説く、当時としては稀有な先生だと思います。ドラマでは、飄々としながらもユニークでおちゃめな面が加わっているような…。やなせ先生への感謝を込めて、この役に全力で取り組みたいと思います!」
2.「初出演は『半分、青い。』で1シーンのみの医師役でした。初朝ドラの緊張を悟られない様に必死だった事を記憶しています。
2度目は『なつぞら』で活弁士で声優の豊富遊声役。ドラマは常に不安と緊張でいっぱいなんですが、アテレコシーンだけは楽しく演じられたと思います。
3度目は『おかえりモネ』で 気仙沼市観光課課長役。
『宮城が舞台の朝ドラで宮城弁で芝居がしたい』という夢が叶いました。
震災を扱った作品ですので、本当にたくさんの事を考えさせられ、一生心に刻まれる作品となりました。小道具だった『課長 遠藤克敏』の名刺はいつも財布に入ってます」
3.「『やさしく、ユーモアにあふれ、誰にでも楽しめる。その中にこっそり、やなせ先生の深い人生観が込められている』そんなイメージです。
アニメ放送開始から担当している『チーズ』『カバお』『かまめしどん』はもちろん、増岡弘さんから引き継いだ『ジャムおじさん』も好きを超えた大切なキャラクターです。
『ひもじい人を助けたくてパンを焼く』まるで先生の代弁者のようだと感じます。
せっかくですので自分がやっていないけど好きなキャラクターを
・でんでん一座の花形『だいこんやくしゃ』
・愛情深く育てた野菜を涙ながらに提供する『おくらちゃん』
・考えてるのと逆の事を言う『ようせいバック』
・接着剤の銃でなんでもくっつける『ザーマス・ボンド』
・マナーに厳しい『ヨーカンマダム』
・悩んだってしょうがないと歌う『ショウガナイさん』
それと、やなせ先生がお亡くなりになってから生まれたキャラクターなんですが『ベンチさん』も大好きです。誰かが『座りたい』『休みたい』と思った時に、そっと寄り添い座ってもらうために旅をしているベンチさん。まさに“やなせイズム”の結晶のようなキャラクターだと思います」
4.「1996年『アンパンマンミュージアム』オープンの際に高知県香美市を訪れました。
自然あふれるすてきなところで、やなせ先生の郷土愛を強く感じました。パーティで振る舞われた大量のカツオのたたきに『これが本場の味かぁ!いくらでも食べられる!』とカバおばりに興奮したのを覚えています」