NHKは23日、現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」にヒロインの祖母、米田佳代役で出演している女優、宮崎美子のコメントを発表した。
通算111作目となる朝ドラで、橋本環奈演じる平成元年生まれのヒロインが、栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む結(橋本)の姿を描いていく。
佳代は結の祖母で、古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。第18回(同日放送)では、結が姉の歩(仲里依紗)との口論をきっかけに、阪神大震災で被災した幼少期のつらい思い出がよみがえりふさぎこんでいるところを、手作りのおむすびを差し入れて励ます場面が展開した。
宮崎美子 コメント
――出演が決まったときの気持ちは?
「あぁ、いよいよおばあちゃん役が来たのかと。『おばあちゃんです』と言うのも、だいぶ慣れてきました(笑)。
佳代さんは、私の実年齢より少し上の設定なので、話し方も意識しています。今は、70代もまだ若いイメージじゃないですか。北村有起哉さんが息子なので私の実年齢よりも少し老けて見えた方がバランスが良いかな、でもまだ先もあるので、あまりに老けてしまうのもな…とか、今も手探りですね。あと、ちょっとだけ背が縮んでいる感じも意識しています。
子どもって、おじいちゃんやおばあちゃんのこと好きですよね。慕ってくれるところがあるから嬉しいなと思っています」
――自身の役柄について
「佳代さんは後ろで見守るポジションだと思います。うちは、なんといっても、おじいちゃん(松平健)があぁですから。威厳があるというか、わがまま気ままにやりたいことをドーッとやっていく人なので、手綱を引っ張ってコントロールしつつ、息子夫婦を見守っています。
ときどき愛子さんが実の娘なんじゃないかと思ってしまうくらい、愛子さんとの距離が近いですよね。仲の良い姑とお嫁さんで、すごく良い関係だなと思います。愛子さんも肝が据わっていて、佳代さんと似ているところもあるので、頼りにしているんだろうと思います。優しいと言えばいいんですけど少し気が弱くてクヨクヨしがちな息子を、うまく愛子さんが引っ張ってくれているんですよね。
佳代さんは糸島でずっと生きてきて、農業に携わってきて、“生きもの“を育てている。農作物も、生きものなんです。佳代さんは、自然の恵みをいただき、生きものを育てて、その育てた美味しいものを提供することで、みんなを育てている“育む人”だと思います。どっしりと根を張っている人ですが、その力強さを表に押し出すんじゃなく、じんわり頼りがいがある人みたいになれたらいいなと思っています」
――ドラマに登場する“食”について
「やっぱり『おむすび』がキーになるんですよね。大事なところでたびたび登場するので、終わるまでにおむすびを何個握るのかなと思っています。きっとすごい数になるんじゃないでしょうか(笑)。昔はドラマの中でも素手でおむすびを握って食べるシーンがよくありましたが、今はすっかり無くなってしまいました。私自身もおむすびを握るとしたら、やっぱりラップを使ってやります。だから、久しぶりに素手でおむすびを握るシーンは嬉しかったです。
糸島野菜や料理が登場するシーンでは、実際に糸島から食材を運んでいただいています。市場に出せないような形が曲がったお野菜なども選んで持ってきてくださるんですけど、それが本当に美味しいんです。おいしい食材を料理を監修している広里(貴子)さんが、さらにおいしいお料理にしてくれるので、食卓のシーンはすごく幸せです。
糸島ロケでは農家の方にご指導いただいたのですが、帰るときにキャベツの苗を3つ持たせてくれたんです。2年前から私も自分で菜園を借りているので、そこにいただいた苗を植えておいたら、立派なキャベツが出来ました。それを現場に持っていき、お料理して使っていただいたものが、ドラマにも出ております。みんなに『甘くて、シャキシャキして美味しい』と言っていただいて、生産者としては食べてくれる消費者が『美味しい』と言ってくださるのが、一番嬉しいんだなと実感しました」
――視聴者に向けたメッセージ、見どころ
「『おむすび』で描かれているのは、身近な等身大のお話です。日常の中にある現実と戦うというか、乗り越えるというか。その中で、家族だから言えること・言えないことを抱えながら、少しずつ進んでいくような家族の普通を、明るく丁寧に描いていくドラマだと思っています。
おむすびは、ぬくもりの伝わる、あったかい食べ物だと思います。いざという時に、一番頼りになる食べ物のイメ―ジなので、このドラマがそんなふうになれたらいいなと思っています。どなたにとってもどこか懐かしく、あったかく、元気になるドラマです」