女優の吉高由里子が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合など)の第45話が24日、放送され、俳優の松下洸平が演じる宋人薬師、周明(ヂョウミン)が再登場し、SNSに歓喜の声が殺到した。
平安時代を舞台に、「源氏物語」の作者として知られる紫式部/まひろ(吉高)の幼少期からの生涯と「源氏物語」の執筆や、権力者、藤原道長(柄本佑)とのかかわりを軸に描く波乱の一代記。周明は第22話(6月2日放送)からの越前編に登場したキャラクターで、対馬に生まれたが幼少期に口減らしのために海に捨てられ、宋の船に拾われてさまざまな苦難を経たのち、優しい薬師のもとで育てられた。日本の朝廷との交易の場を越前に作るよう商人に扮して宋から派遣された役人、朱仁聡(浩歌)に同行して越前に渡来。国守に任命された父、藤原為時(岸谷五朗)に伴って越前にやってきたまひろと知り合うと、宋に興味津々のまひろに言葉を教えるうち親しくなり、互いに淡い恋愛感情を持つようになっていた。しかし、左大臣を務める道長とまひろの関係を知ると、自身の出世のためにまひろに道長への文を書かせようと画策。思惑を見透かされて周明は逆上し、2人の関係は破綻した。
わずか3話のみの登場ながら、まひろとの悲しくも情熱的な恋愛模様を演じた周明の存在感は視聴者に強い印象を残し、SNSには再登場を望む声が寄せられていたなか、第44話の最後に流れた次週予告で、口ひげをたくわえた姿が一瞬映り、期待の声が高まっていた。
第43話(11月10日放送)では、眼病に悩む権中納言、藤原隆家(竜星涼)に、権大納言の藤原実資(秋山竜次)が、目の病を治す恵清という名の腕のいい宋の薬師が大宰府にいると教えるくだりがあり、この恵清が周明と同一人物なのではないかとの予想もあったものの、この日のオープニングタイトルで「周明 松下洸平」のクレジットが表示され、同じ役での再登場が確定。ファンが今か今かと待ちわびるなか、まひろが太皇太后、藤原彰子(見上愛)の女房の職を退き、ソウルメイトたる道長のもとを離れて、大宰府に旅立った。
船で彼の地に到着したまひろが、宋人の商人たちが行き交うにぎやかな通りを目を輝かせながら巡っていると、見覚えのある宋人の姿を見かけ、相手と目が合ったところでこの日の物語は締めくくられた。開始から42分台、まもなくドラマが終わるというところでようやく姿を表した周明に、ファンは大興奮。SNSには、「残り2分。松下洸平のセリフあるのか?」「やっと最後に出てきた」「うっそでしょみたいな展開」といったコメントがズラリと並んだ。
続いて流れた第46話「刀伊の入寇」の予告映像では、2人の「妻はいるの?」「いない」という会話や、周明の「話したいことがある」とのセリフ、海賊のような男たちが民を襲撃するなか、周明がまひろの手を引いて海岸沿いを逃げる緊迫した場面が連続。「来週は見所満載っぽいので待ち遠しい」「平安版『最愛』みたいだぁ…」など、松下と吉高が共演したラブサスペンスドラマ「最愛」(TBS系、2021年)を連想し、ドラマティックな展開に期待を寄せる書き込みも散見された。