押井守監督が手がけた劇場版アニメ「イノセンス」の公開20周年を記念し、「イノセンス 4Kリマスター版」「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版」の2作品が、2月28日から2週間限定で同時公開されることが決定した。
士郎正宗さんのSFコミック「攻殻機動隊」を原作として、押井監督によって映画化された2作品。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995年)は、西暦2029年を舞台に、高度に発達したネットワーク社会において多発するコンピューター犯罪、サイバーテロなどに対抗するため結成された非公認の超法規特殊部隊「公安9課」の草薙素子とバトーの活躍を中心に描いた。「マトリックス」(1999年)などのハリウッド作品にも影響を与え、2017年には、スカーレット・ヨハンソン主演の実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」が公開された。
4Kリマスター版としては今回が初の劇場公開となる「イノセンス」(04年)は、前作から3年後の32年が舞台で、公安9課のバトーを中心に描かれた。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門(第57回)に、日本のアニメーションとして選出された唯一の作品でもある。
押井守監督 コメント
「当時は、何年もかかって手描きやCGで仕上げた画を細かなディテールまで映像で再現できなかった。ですが今回、高解像度のデジタルスキャンをしたことで、画の精度が格段に上がったと思います。4Kの威力を確かに感じました。それで当時のことを思い出しましたが、当時は病んでたなと(笑)。『イノセンス』が完成した後、2ヶ月くらい寝込んで立てなかったんですが、この作品にはその病んでるエネルギーが入っていました。美しいものを作るためには、何かを乗り越えないといけない。改めて観て、この作品から情念というのか退廃的な魅力を感じました。
皆さんにもぜひ劇場でご覧いただきたいです」