開催中のテニスの全豪オープンで、選手をCG化してライブ配信する動画に驚きの声が上がっている。
全豪OPは12日、オーストラリアのメルボルンで開幕した。大会公式のYouTubeチャンネル「Australian Open TV」は連日、試合の様子を伝えているが、テニスファンの目を引いたのが「AO Animated」と題する動画だ。
昨年の大会から導入された「AO Animated」は、試合映像をアニメーションに変換して中継する動画で、デジタル技術を用いて選手の動きを読み取り3DCGで再現している。素朴なCGは「まるでテレビゲームの『Wiiスポーツ』（任天堂、2006年）みたい」と国内外で話題になったが、各選手の細かい“くせ”までリアルに描写している。複数の海外メディアは、大会主催者がライブストリーミングの放送権を持っていないがゆえの“苦肉の策”だと指摘した。
選手の手とラケットの位置がずれていたり、ボールやラケットが突然消えたりするが、無料で視聴できることを歓迎するファンは多い。優勝すれば史上最年少での四大大会（グランドスラム）完全制覇となるカルロス・アルカラス（スペイン）が西岡良仁（日本）に圧勝した15日の男子シングルス2回戦もアニメ化され、YouTubeのチャット欄は「よっしー、やり返せるか」「奇跡起きてくれ」などと劣勢の西岡を応援する声や、「アルカラスほどの名選手になるとラケットがなくても打てるんだ」と表示が不安定なCGを皮肉るコメントで賑わった。
スポーツの試合をほぼリアルタイムでアニメ化する取り組みについては、米アメリカンフットボールのNFLが米ウォルト・ディズニーと協業して試験的に導入した例がある。