NHK連続テレビ小説「おむすび」(総合など)第17週「Restart」(第81~85回)の第84回が30日、放送される。
平成元年生まれのヒロイン米田結(橋本環奈)が、栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む姿を描く。主題歌「イルミネーション」をB’z、語りをリリー・フランキーが担当する。
「おむすび」第17週「Restart」振り返り(ネタバレ)
結の知人、相原三花(松井玲奈)が営む古着店に泥棒が入り高額品と現金が盗まれた。借金を抱えることになり、閉店を決意した三花に、結の姉で三花の友人でもある歩(仲里依紗)は閉店セールを提案した。セールに三花の仲間たちが集まるなか、神戸の「さくら通り商店街」で靴屋を営む渡辺孝雄(緒形直人)のカスタム靴が話題に。歩の発案で始まった孝雄の靴はギャルに人気で、SNSで注目が集まり、東京のシューズメーカーからコラボレーションの話が持ち上がったものの孝雄が断ったという。
その後、孝雄が自宅兼店舗で脳震とうを起こし、病院に担ぎ込まれた。阪神大震災後も孝雄は自宅を修繕せず、老朽化が進んで階段の板が抜けたことが原因だった。結の父で理髪店を営む聖人(北村有起哉)は建て直しを勧めたが、孝雄は地震で亡くなった一人娘の真紀(大島美優)の思い出が刻まれた家を壊してしまったら、真紀の声を思い出せなくなると言って拒否。真紀を忘れかけていることに落ち込む自身に寄り添おうとする歩にも「自分のことを心配せえ」と苦言を呈した。
商店街では大型ショッピングセンターの建設計画が進行。ただでさえ後継者不足で閉店する店が多く、活気が衰える一方の個人商店の経営者たちは早急に対策を作って実行に移さなければと焦っていた。そんななか、パン屋の娘の佐久間菜摘(田畑志真)が、商店街の各店で名物メニューを作ってネットで拡散させて集客するアイデアを提案。人が集まれば飲食店以外にも来客が期待できると賛成した聖人は、栄養士の結にメニュー作りを相談。行列ができるようなメニューをと頼んだ結果、「栄養パンパン オーロラ餃子」が完成し、菜摘の母、美佐江(キムラ緑子)も「ほぼメロンなパン」を試作した。ともに仲間たちから好評で、早速手分けして宣伝用のチラシを配布しようと盛り上がったが、実際に売り出してみると、名物メニューはさっぱり売れなかった。
一方、歩は、母の愛子(麻生久美子)に、病院で孝雄と聖人の話を立ち聞きしてしまったと告白。実は自分も親友だった真紀のことを忘れ始めていると吐露し、そんな自分を「冷たい」と責めた。愛子は、その分、自分が前に進めているのだから、忘れるのは悪いことではなく、思い出せるときに思い出せればいいと慰めた。歩は「真紀の声を思い出せなくなる」という孝雄の言葉から、生前の真紀の声が収められたカセットテープを思い出し、それを持って孝雄のもとへ。孝雄は懐かしい真紀の声に聞き入った。歩は、このテープの続きを覚えてると言い、孝雄が「またここんちの子と遊んでいるのか」と怒ったことを振り返った。孝雄は、早逝した妻、早苗のことを語りだした。早苗から「真紀のこと頼むね。女の子なんやからしっかり育てててね」と言われ、自分なりにしっかり育ててきたつもりだったが、孝雄は「守れんかった…」。妻との約束を守れなかったとうなだれた。だから孝雄は、この家だけは守ると決めていたという。自分でも前に進もうとは思っているが、それができないと涙を流す孝雄に、歩は、カセットテープを手渡して「これなら真紀ちゃんの声忘れへんでしょ? せやから、前に進もう」と寄り添った。
商店街で名物メニューを売り出して1週間が経ったが、商品はまったく売れず。また閉店セールをしていた三花の店も客足がピタリと止まった。借金分に売り上げは届いていなかったがこれ以上迷惑はかけられないと三花。するとそこに、神戸に滞在中のスナック「ひみこ」のママ、ひみこ(池畑慎之介)が来店。「邪馬台国って知ってる?」と切り出し、近畿にあったとか九州にあったとかいろいろな説があるが、どこでもいいと思うとし、なぜみんな決めたがるのか、自由でいいのにと話した。その話で、愛子のブログに全国の読者がついていることを思い出した歩は、ひみこをギャル風に着飾って写真を撮影。SNSでギャル仲間に拡散してもらったところ、日本中の人が見てくれて、狙いどおり客足が戻った。これを商店街の集客にも応用すべく、愛子、菜摘、美佐江ら老若男女問わず次々とギャル風にしてSNSに写真を投稿すると、商店街にも来客が増え始めた。
そんななか、ショッピングセンターの開発担当者、高沢克己(加藤虎之介)がまたしても孝雄のもとを訪れ、これで最後にすると言い、市役所職員の若林建夫(新納慎也)を連れてきた。若林は市の職員としてではなく個人としてショッピングセンターの件を了承してもらえないかと説得。その様子を見かけた整体院の院長、福田康彦(岡嶋秀昭)から知らされた聖人は驚き、真紀の思い出があるあの家を孝雄が手放すはずがないと言った。
「おむすび」第84回あらすじ
歩が三花の店に行くと、盛況だった様子が落ち着いていることに驚く。三花たちによると、来店でなくメールでの注文が増えているという。歩は孝雄にカスタムシューズを発注し、孝雄の職人魂を刺激する。
商店街では、土地を売ることを決意した孝雄の変節に、近隣の商店主たちが衝撃を受ける。