日本航空(JAL)は10日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)らと共同で、機体の表面にサメの肌を模した「リブレット形状塗膜」を施した航空機を世界で初めて国際線に導入すると発表した。就航は1月中旬を予定しており、SNSで大きな話題になっている。
リブレットとは、サメ肌形状によって水の抵抗が軽減されることにヒントを得て考案された微細な溝構造。JALとJAXA、塗装事業などを展開するオーウエルの3社は、2022年7月からJALの国内線機材(ボーイング737-800型機)に施したリブレット形状塗膜の耐久性や燃費改善効果を検証してきた。そのなかで、JAXAによる風洞試験などで空気抵抗の低減効果を確認できたことや、オーウエルがより胴体面積の大きな機材にも“サメ肌”加工を施すシステムの開発に成功したことから、今回、世界で初めてボーイング787-9型機(JA868J)の胴体の大部分にリブレット形状の塗膜を施した。
3社は今回施工した機体について、巡航時の抵抗低減率は0.24パーセントとなり、これにより年間約119トンの燃料消費量と約381トンのCO2排出量の削減が期待されるとしている(JAXAが算出した抵抗低減率と、過去1年間の成田-フランクフルト線での燃料消費量をもとに算出した、当該路線を1年間飛行した場合の予測効果)。
今回の発表を受け、ネットユーザーは「サメ肌」や空気抵抗といったキーワードに注目。SNSには「鮫肌は、どんな感じなんだろう…」「鮫肌でスピードアップ…と聞くと競泳水着を思い出します」「スピードの鮫肌水着って何年前やっけ」「ゴルフのボールはあの凸凹があるからこそ飛びますもんね。似たような理論ですかね」「JALさん、CO2削減と燃費改善で地球にも優しい飛行やな!」「JALから始まった鮫肌の取り組みが他の航空会社にも広がっていったら最高ですね」などと多くの関心が寄せられている。