女優の吉高由里子が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合など)の第43話が10日、放送され、主人公、まひろ(吉高)の一人娘、藤原賢子(南沙良)が若武者・双寿丸(伊藤健太郎)への恋に破れる展開に視聴者の注目が集まった。
平安時代を舞台に、「源氏物語」の作者として知られる紫式部/まひろ(吉高)の幼少期からの生涯と「源氏物語」の執筆や、権力者、藤原道長(柄本佑)とのかかわりを軸に描く波乱の一代記。双寿丸は平為賢(神尾佑)に仕える若武者で、賢子が盗賊に襲われているところを助けたことで親交を深め、腹が減ると食事をごちそうになるために賢子のもとを訪ねている。孤児として育ち、教養はないが、裏表のない性格で自身の境遇を前向きに捉えて仕事や仲間との生活に生きがいを見出している。屈託ない双寿丸の人柄に、賢子はすっかり魅了されており、まひろも身分を超えた2人の関係を微笑ましく見守っている。権謀術数渦巻く政治劇のなかで、双寿丸と賢子の打算のない甘酸っぱい関係が多くの視聴者の癒しとなっている。
この日の放送で、双寿丸が翌年に武功を立てるため、大宰府に赴くことになったと賢子に打ち明けた。大宰権帥(ごんのそち)に任じられた藤原隆家(竜星涼)に従って彼の地に下る為賢に随行するという。賢子が自分も連れて行ってほしいとせがむと、双寿丸は「女は足手まといだ。お前は都でよい婿をとって幸せに暮らせ」と一蹴。双寿丸のいないところに自分の幸せはないと食い下がる賢子だったが、双寿丸の気は変わらなかった。「ごはんを食べに来ていただけなの?」と落胆する賢子に、「うまい飯がゆっくりと食えて、妹みたいなお前がいて、楽しかった」と慰め、「俺は捨て子で身寄りがないゆえ、お前の家には俺の知らない温かさがあった。ありがとう」と世話になった礼を述べた。「やっぱり、一緒に行く」となおもすがる賢子を振り切り、賢子の家族には改めて礼を言いに行くと言い残して立ち去った。
武者と貴族の子女という身分違いの関係ながら、まひろにも、越後守の要職にある祖父、為時(岸谷五朗)からも温かく見守られている2人の関係を応援していた視聴者は多く、あえなく散った賢子の初恋に同情。SNSには、「妹みたいは、NGワードだ」「そっかー、そっか…」「最初から脈なかったのか」「切ねえ…」「賢子ちゃんこれで大人の階段上っていくのよ」といったコメントがずらりと並んだ。
また、賢子のアプローチを努めて明るく断った双寿丸の誠実さを、「双寿丸にとっては格上の相手だし、彼自身が武士の中でも下っ端だしな。苦労させると分かりきってるもんね」「危険かもしれないところに連れて行きたくないと」「やんわりと突き放して(振って)あげたんや」「きっちり振っていい男だよ」などと称える書き込みも少なくなかった。