NHKは17日、現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」に立川周作役で出演している俳優、三宅弘城のコメントを発表した。
通算111作目となる朝ドラで、橋本環奈演じる平成元年生まれのヒロイン米田結(橋本環奈)が、栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む姿を描いていく。
三宅演じる立川は、星河電器茨木支社の社員食堂の責任者。東京のホテルで経験を積んだベテラン調理師で、社食の古株として献立や調理方法一切を取り仕切っている。プロ野球・阪神のファンで、野球部の面々にはいつも大盛りをサービスしているが、ボリューム過多で味付けの濃い彼の料理を敬遠する女性社員もいる。入社したばかりで、ろくに役に立っていない新人栄養士の結からその点を指摘されて、小娘の言うことを聞くぐらいなら辞めるとへそを曲げ、周囲を困らせている。
三宅弘城 コメント
――出演が決まった時の心境は?
「朝ドラは、2回目の出演です。どちらもNHK大阪放送局さんで、1回目に出演した『あさが来た』の時の印象がすごくよかったんです。大阪が、大好きになりました。前回の朝ドラで、初めてNHK大阪に行ったんですけれど、楽しい思い出しかなかったんですよね。あのときは、月曜日にリハで、金曜日まで撮影して、金曜日の夜に東京へ戻って、また月曜日に大阪に行くという生活をずっとしていました。月曜日に、地下鉄の駅から(BKの近くにある)谷町4丁目の交差点のあたりに出てくると、『あぁ、戻ってきた!』みたいな気持ちになって、すごくホーム感がありました。でも、よく考えたら、もう8年くらい前になるんですよね。今回、スタジオが何階にあるかも忘れていて、大阪放送局のエレベーターで行ったり来たりしていましたね。
あと、脚本家の根本ノンジさんとは、いろいろな作品でご一緒させていただいているんです。今回、根本さんが『おむすび』を書くということになって、『僕も出演できたらなぁ』と思っていたんですけれど、念願が叶いました。しかも、大好きなBKだったので、余計にうれしさ倍増でしたね」
――自身の役柄について
「プライベートでもタイガースファンなので、すごく共感を持ちました。料理は食べるのも作るのも好きなので、きっと撮影現場でも炒めたりするんだろうなぁと楽しみになりました。料理自体は(料理指導の広里)先生が作っていらっしゃるので自分が調理するお芝居は軽くでしたが、社食なので作る量が多いんです。よくあるようなフライパンを軽く振るという感じではなく、普段扱わないようなすごく大きいものを混ぜたりしました。その中で難しかったのは、包丁を研ぐところですね。切ったり、煮たり、炒めたりは、普段もしますけれど、ちゃんと包丁を砥石で研ぐというのは、あまりやったことがなかったので。難しかったし、勉強になりました。立川にとって包丁は、30年来の相棒ですからね。
立川は、職人だし、自分のやってきたことにすごく自信を持っているし、プライドもあると思うんです。あと、責任感もありますよね。『俺はここの責任者やぞ。朝一番に来て、最後に帰るんは、当然やろ』というセリフもありますが、すごく職場や自分の仕事にプライドを持っている人なのだと思っています」
――立川の結への態度や、印象深いシーンについて
「立川には、自分なりのやり方があったのだと思います。栄養士がどうかではなく、自分はそれでやってきたし、昭和の人間みたいな考え方を持っているんじゃないですかね。『いっぱい食べて、体をでかくしろ』とか、『筋肉を付けるなら、とにかくたんぱく質だ』とか、『飯は、大盛りで3杯食え』だとか、昭和って、そういう今ではナンセンスとされることをやっていたような気もするんですね。そのやり方でやってきたのに、『栄養士って…、何や!』ではないですけど、こっちにまで入ってくるな、みたいな思いが、立川にはあったんでしょうね。平成の時代には、まだそういう昭和の考え方をする人がいたと思うんです。立川は新たなことに拒否反応が出てしまっていたんじゃないですかね。
『十五の夜』を歌うシーンは、みんなのシーンが終わってから撮影しました。僕一人だけ残って、スナックのカラオケみたいなセットを簡易的に組んで、少し薄暗い中でミラーボールが回っていて…。ワンコーラスではなくて、1番をフルコーラスで歌ったんです。周りやスタッフから、『今日の最後のシーンは、『十五の夜』ですね、楽しみにしてますよ!』とか言われたりして、ものすごくプレッシャーでした。スタッフに囲まれながら一人で歌ったので、本当に恥ずかしくて(笑)。でも、ちゃんとやりましたからね!(笑)」
――視聴者へ向けたメッセージ、見どころ
「星河電器は栄養士になった結ちゃんのスタート地点です。結ちゃんが、人に影響を及ぼしたりすることもあるし、結ちゃんだけではなく、四ツ木翔也君にもいろいろなことが起こります。結ちゃんの考え方や将来の進み方が変わっていくので、見逃せないと思います。
今週、立川が結構大事なことを言うんです。『ふざけているようで意外とちゃんとしているんだな』と見えなければいけないと思ったので、真面目にやりました。『好きなことをすること』と『プロになること』の違いを説明しているというか、立川自身も経験してきたことなのかもしれません」