NHK連続テレビ小説「虎に翼」（総合など）第25週「女の知恵は後へまわる？」（第121～125話）の予告が13日、放送され、ヒロイン佐田寅子（伊藤沙莉）が新潟地家裁三条支部で働いていたころに出会った森口美佐江役を好演した片岡凜が登場。片岡が映り込む一瞬のカットに視聴者は大興奮で、SNSに大きな反響が寄せられている。
日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く「虎に翼」。この日は第24週「女三人あれば身代が潰れる？」（第116～120話）の最終日で、寅子のかつての上司、多岐川幸四郎（滝藤賢一）の自宅に家裁設立メンバーが集まり、少年法改正への意見を取りまとめることになった。多岐川家に同居する寅子の学友、崔香淑（ハ・ヨンス）によると、娘の薫（池田朱那）は自分と口はきかないが大学には通うようになったという。そんな薫は、母が朝鮮半島出身であることを知ったという彼から、結婚は考えられないと言われ、別れてきたと話した。香淑は「ありえない」と怒りをあらわにしたが、薫は「よかった！ 結婚する前にどうしょうもない男ってわかって」と笑顔。寅子も「別れて大正解」と共感した。そこに小橋浩之（名村辰）と稲垣雄二（松川尚瑠輝）という寅子の大学時代の同期が到着。香淑は「もうやめる」とつぶやき、薫の前で「崔香淑」を取り戻してみたいと力を込めた。多岐川はうれしそうに「愛だなぁ、佐田くん！」とつぶやいた。小橋は香淑を見てビックリ。汐見圭（平埜生成）は長い間黙っていたことを謝った。多岐川は小橋と稲垣が遠くから会いにきてくれたことに感謝した。
一方、多岐川は法務省の改正要綱を読み、怒りに震えていた。寅子はこれを読んで思うところを教えてほしいとした。「法務省の少年法改正、青年層の設定による年齢引き下げ、家裁の刑事裁判化など、現少年法の基本的構造を変えることにわれわれは反対する。刑罰をつけて執行猶予をつけておしまいではなく、保護処分により、家裁の人間と己と向き合い、心身の調和をはかるほうが適切で、再犯を防げる場合が極めて多い。非行少年の更生のため、愛を持って実務に携わるわれわれは、強く望む！」。多岐川は桂場に電話し、反対の意見書を取りに来てほしいと伝えた。多岐川は直接渡すことにこだわるが、桂場の返答は「その時間は取れそうにない」。その後、香淑は、兄の潤哲（ソンモ）と30年ぶりに再会。薫が多岐川に頼んで密かに連絡をとっていた。潤哲は妹を助けてくれた多岐川に感謝。多岐川は感謝するのは自分の方だとし「彼女の支えがなければ、ここまでやってこれなかった！」と話した。香淑ら5人は韓国料理を満喫。多岐川は家族団らんを見て涙ぐみ、幸せをかみしめた。
後日、東京家裁所長の久藤頼安（沢村一樹）が最高裁長官室を訪問。多岐川が亡くなったことを桂場等一郎（松山ケンイチ）に伝え、多岐川が作った少年法改正反対の意見を差し出した。幻覚の多岐川がかつての元気な姿で「頼んだからな、桂場！」と言って消えた。孤独と責務の重さに耐えながらひとり廊下を歩く桂場。その姿を見かけた寅子は多岐川のことで話しかけるが、言葉が続かない。桂場は目線を外し、最後まで話を聞かず階段を上っていった。
その後の予告では、「踏み入られないために、長官として巌となったんじゃないんですか？ 切り捨てたということですよね？」（寅子）「何？ 思いあがるな、立場をわきまえろ！」（桂場）と、2人が対立しているようなセリフが流れた後、寅子の背後から、美佐江とよく似た人物が近づいてくる。女性はセーラー服姿で、寅子が衝撃を受けている。また、寅子が腕を確認しているようなシーンもあった。
美佐江は新潟県三条市の大地主の娘で、当時、東京の大学で法律を学ぶことを目指していた。成績優秀な礼儀正しく、寅子とは、喫茶店「ライトハウス」で知り合い、女性法曹のパイオニアとして有名な寅子に憧れていた。ライトハウスでは率先してほかの生徒たちに勉強を教える一方、窃盗や売春、殺人がなぜいけないことなのかわからないなどと寅子に問いかけるなど、その言動のギャップが視聴者の間で「まるでサスペンス」「サスペンス美佐江」などと騒がれた。美佐江はその後、東大に合格し上京。以降の様子は描かれていない。寅子が新潟にいた昭和20年代後半で、昭和46（1971）年の時点では30代半ばになっていると思われる。
強烈なインパクトを残したものの、その後物語に一切登場しなかった美佐江。片岡の再登場に視聴者も驚きで、SNSでは「美佐江がきたよ。片岡凜ちゃん」「ふぁっ！ 来週美佐江登場？」「何いまの？ イマジナリー美佐江？」「次週予告の美佐江に全部持っていかれたよ」といったコメントが続々。また、美佐江がセーラー服を着ていたことから、「来週美佐江、きたー いや、世代が違う。娘か？！」「ここに来て美佐江再登場…いや、娘？ 幻覚？」「ついに美佐江来た？！ でも年齢考えたら本人じゃなさそうだよね…この頃美佐江はいくつだ？」と予想する声も多く見られた。