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アリシアクリニック破産…脱毛サロンの今後はどうなる? 帝国データバンク「ビジネスモデルの在り方が問われている」

iza(イザ!) 2024年12月12日 13時50分

帝国データバンクは12日、2024年度の「脱毛サロン」の倒産が過去最高を更新したとする調査・分析結果を発表した。

医療脱毛大手「アリシアクリニック」を運営する医療法人社団「美実会」(さいたま市)と一般社団法人「八桜会」(東京)の破産に大きな衝撃が走ったが、帝国データバンクによると脱毛サロンの倒産増加が続いているという。エステ脱毛や医療脱毛を中心とする脱毛サロンの倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、2024年11月までに12件。すでに前年の11件を上回って過去最多を更新した。また、先日破産の美実会などを含めると、年間の累計件数は14件になると見込まれ、今後さらに増加する可能性があるとしている。

昨年以降、脱毛サロン業界では女性専用の「シースリー」や「銀座カラー」、男性専用の「ウルフクリニック」など、店舗を全国に複数展開する中・大規模の企業が相次いで破綻している。ことし12月には「アリシア」運営の2法人が破産を申請し、負債・利用者の規模ともに過去最大の倒産が発生。「アリシア」だけでも利用者9万人に影響が及ぶほか、直近2年間で少なくとも27.1万人の利用者が経営破綻によって被害を受けたとみられるという。

国内の脱毛サロン市場は、24年に推計1423億円と前年を下回る水準が続くなかで(リクルート調査)、美容クリニックなどが医療脱毛事業に参入するなど、業界内での競争は激化。知名度の高い芸能人を起用しての宣伝広告を行う一方で、新規出店など事業拡大に伴う費用の回収が困難となり、脱毛サロンやクリニックの倒産が目立っている。帝国データバンクは、脱毛業界全体の信頼が揺らいでいるとし、前受け金による大量の広告や大幅な値引きなどで顧客を獲得するビジネスモデルの在り方が問われているとの見方を示した。

集計期間:2024年11月30日まで

集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産

調査機関:株式会社帝国データバンク

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