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堀米雄斗、大逆転で2連覇「最後まで自分を信じ切れた」/スケボー

iza(イザ!) 2024年7月30日 11時58分

パリ五輪第4日・スケートボード(日本時間30日、コンコルド広場)男子ストリート決勝が行われ、東京五輪金メダルの堀米雄斗(25)=三井住友DSアセットマネジメント=がラスト1本で大逆転のトリック。0・1点差で2位のジャガー・イートン(23)=米国=を上回り、初採用の東京五輪から2連覇を達成した。昨年12月の世界選手権を制した白井空良(22)=ムラサキスポーツ=は4位だった。

張り詰めた空気に、着地の音が「カツン」と響く。大歓声の渦の中央で、堀米が叫んだ。

「乗った瞬間は本当にすごくうれしかった。点数というよりは最後まで自分を信じ切れたこと、悔いを残さないように滑り切れたことがうれしかったです」

前半のランを終えて4位。5本中2本の点数を合計する後半のベストトリックでは、1本目に94・16点をマークし「まずはメダルを確定したい」と3位以内に狙いを定めたが、上位の選手も高得点をマーク。「自分のできる限りの、限界のトリックを出さないと勝てない」と切り替えた。

背中側に空中で270度回りながら、立てた板の後部で手すりを滑り降りる大技で逆転を狙うも、2回目から3連続失敗。ラスト1本で、トップに立つには96・99点以上が必要、表彰台さえ危ぶまれる窮地。常人では耐えられないようなプレッシャーがかかる場面だが「プレッシャーを通り越していた。『何が何でも乗る』という気持ちだけは忘れないで滑ろうと思いました」と涼しげな表情で言ってのけた。規格外の勝負強さで97・08点をたたき出し、合計281・14で一気に首位に躍り出た。

「地獄のような3年間だった」

初採用となった東京五輪で初代王者に輝いたが、パリ五輪予選で大苦戦。「メンタル的にも体的にも壊れていったりして…」。思うようなスコアが出せずパリへの出場すら怪しい中、3枠をかけて5番手で迎えた6月の最終戦、復活の優勝を果たして切符をつかんだ。「1%の可能性ではあったんですけど、その1%を信じて、きょう最後の最後まで信じ切れたかと思います」。逆転に次ぐ逆転の金。漫画の主人公のようなストーリーを自ら描いた。

次回2028年の五輪は、米ロサンゼルスで開催。スケボー発祥の地で、堀米にとっても高校卒業から拠点を置く場所だ。「考えたくもない」と苦笑しつつ「米国はスケボーを始めたときに憧れた場所。もう一回、五輪の舞台に立って、ベストな滑りをしたい」と意欲。聖地で王者は、どんな姿を見せてくれるだろう。(八木拓郎)

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