プロ野球で出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるために導入された「現役ドラフト」が9日、行われた。しかし日本野球機構(NPB)の公式サイトにファンのアクセスが殺到。一時ネットワーク障害が発生するなど混乱した。
現役ドラフトは22年に初めて実施され、今年で3回目。初年度は阪神・大竹耕太郎投手と中日・細川成也外野手が新天地で活躍した一方で、移籍した12人中6人(うち2人は育成で再契約)が構想から外れた。23年は公式戦の出場経験がなかった日本ハム・水谷瞬外野手が交流戦最優秀選手に選出されたほか、DeNA・佐々木千隼投手がリリーフとして28試合に登板、防御率1・95をマークし、26年ぶりの日本一に貢献した。
ファンにとっては、新戦力獲得と“推しメン”の放出が気がかりだったのか、発表時間を見込んだタイミングでNPBの公式サイトにアクセスが集中し、一時つながりにくくなった。さらに、悪質なファンから正式発表を思わせるデマやコラージュ画像がポストされたことで、ファンは大混乱。結局、18時になってNPBからの正式な発表があり、ロッテの平沢大河内野手を西武が、広島の矢崎拓也投手をヤクルトが、DeNAの上茶谷大河投手をソフトバンクがそれぞれ指名するなど、ドラフト1位3人を含む13選手の移籍が明らかになった。
SNSには「正式発表遅すぎ」「おっそ」「寿命が縮まった」「サーバー落ちているんなら、Xで発表して」「試合は時短したがるくせに、結果は組織…」などと反応。発表が過去2年より遅かったため「選手が難色示したのか?」とポストする人もいた。一方で、間違った情報が錯綜したことに怒りを覚える人も多く「本当の情報はどれだ」「本当、デマだけはやめてほしい」「全然違うじゃないか、ガセ流すなんてふざけんな」というコメントも散見された。
現役ドラフトは、各球団が最低で1人、最大で2人の選手を獲得可能。今回は初めて広島が2巡目の指名を行い、日本ハム・鈴木健矢投手の移籍が決まった。