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大河「光る君へ」周明役の松下洸平「まひろとの関係が壊れた後に恋心を自覚するほうがドラマチック」【コメント全文】

iza(イザ!) 2024年6月16日 20時45分

放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合ほか)に、宋の見習い医師、周明(ヂョウミン)役で出演している松下洸平のコメントが届いた。

平安時代を舞台に、「源氏物語」の作者として知られる紫式部(まひろ、吉高由里子)の幼少期からの生涯と、「源氏物語」の執筆や権力者、藤原道長(柄本佑)とのかかわりを軸に描く波乱の一代記。周明は第22話(2日放送)にスタートした越前編から登場したキャラクターで、対馬に生まれたが幼少期に口減らしのために海に捨てられ、宋の船に拾われてさまざまな苦難を経たのち、優しい薬師のもとで育てられた。日本の朝廷との交易の場を越前に作るよう商人に扮して宋から派遣された役人、朱仁聡(浩歌)に同行して越前に渡来し、国守に任命された父、藤原為時(岸谷五朗)に伴って越前にやってきたまひろと知り合った。宋に興味津々のまひろに言葉を教えるうち親しくなり、互いに淡い恋愛感情を持つようになっていた。

第24話(16日放送)では、左大臣を務める道長とまひろの関係を知った周明が、自身の出世のためにまひろに道長への文を書かせようとするも、思惑を見透かされて逆上する場面が描かれた。

松下洸平 コメント

――まひろの人物像や印象について

「自分の知らない世界に大きな好奇心を持ちながら、型にはまらない生き方を望むたくましい女性という印象を持ちました。まひろのどこか軽やかさのある人柄や宋の言葉を積極的に学ぼうとする姿勢に、周明の心には少なからず特別な感情が芽生えていたと思います。自分と同様に辛い過去があるのにも関わらず、明るく天真爛漫に振る舞う様子は周明にはまぶしく、太陽のような存在に映ったのかもしれません」

――まひろを利用しようとする周明の気持ちについて

「周明は見習い医師ではありますが、宋と日本の交易を結ぶという密命を背負って上陸しました。その目的を果たすために、まひろを利用しようと企んで接近したことは確かです。けれども彼女に近づけば近づくほど、『今までの人生にこういう人と出会っていたら、自分の人生は変わっていたかもしれないな』という気持ちを抱くほどに心の変化がありました。

彼は日本にいたときも宋で働いていたときもあまり心を開かなかったと思いますし、ずっと孤独だったはず。そんながちがちに固まっていた自分の心をまひろの笑顔が少しほぐしてくれたような気がします。だからこそ彼女と話すときにふと見せる、周明の優しそうな表情は決して嘘ではなかったのだと思います」

――まひろを脅し、道長へ文を書くよう迫るシーンについて

「陶器の破片で脅し、道長へ文を書くよう迫るシーンではまひろに拒絶されてしまいますが、彼女と過ごした時間や交わした会話は周明にとって、きっとかけがえのないものでとても楽しかったのだと思います。それゆえに自分の本当の気持ちと果たすべき使命があまりに裏腹で噛み合わない。自らの出世欲や朱仁聡の期待に応えたいという思いとの葛藤により、張り詰めていたものがプツンと切れ、心がぐちゃぐちゃになってしまった瞬間の突発的な行動だったのかなと振り返っています。

そのシーンの最後に『つまらぬ夢など持つな』とまひろに吐き捨てますが、近づきそうだったものが自分の手から離れてしまったことで裏切られたと判断し、大切な人を傷つけるようにして去ってしまう。周明の繊細で脆く、悲しい人物像があらわれた場面だったと思います」

――周明が抱いた恋心の表現について

「朱仁聡から『お前の心の中からは消え去るとよいな』と言われたとき、まひろに対して淡い恋心を抱いていたことに初めて気づかされるという演出をつけていただきました。実は演出担当の方々と議論する中で、「周明がまひろに恋心を寄せている様子をどこまで見せましょうか」と何回か相談したことがありました。その瞬間を見せられる場面はいくつかあったのですが、彼女との人間関係が壊れてしまった後に『まひろのことを慕っていたのか…』と自覚する方がドラマチックではないかとの結論に至り、今回の芝居につながりました」

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