NHKは3日正午から、俳優の仲野太賀が主演を務め、2026年に放送される大河ドラマ「豊臣兄弟!」の新たな出演者をXの同局ドラマ用公式アカウントで次々と発表。小栗旬が織田信長役、宮崎あおいがお市役、松下洸平が徳川家康役で出演することが明かされた。
65作目となる大河は、天下人となる豊臣秀吉を補佐役として支えた弟、秀長(仲野)の目線で戦国時代をダイナミックに描く波乱万丈エンターテインメント。秀吉を池松壮亮が演じるほか、永野芽郁が秀長の初恋の人、直(なお)役を務め、吉岡里穂が秀長の正妻、慶(ちか)役、浜辺美波が秀吉の正妻、寧々役で出演することが昨年10月に発表されていた。
以下、今回出演が発表された3人を、それぞれ俳優名・役名と役柄・コメント・大河ドラマ出演歴の順で紹介する。
小栗旬
◆織田信長 大胆で革新的な戦略と非凡なリーダーシップにより領土を拡大し、「天下布武」のスローガンのもと天下一統を目指したカリスマ的武将。立身出世を目指す小一郎と藤吉郎兄弟にとって絶対的な主君である。当主争いで対立した弟を自らの手で殺害したという苦い過去を持っている。
――信長役のオファーを受けたときの率直な心境を
「『鎌倉殿の13人』を終えてからまだ3年くらいの月日なので、このペースで改めて大河ドラマに出演するということは一度悩んだのですが、仲野太賀くんと池松壮亮くんが演じる豊臣兄弟を一番最初にそばで見ることが出来るということは、そんな気持ちよりも勝るものでした」
――織田信長の印象は?
「近年も様々な解釈が出てきているので、実際にどんな人物だったのかは、いつになっても謎ですが、それでもやはり秀吉や家康に与えた影響というのは、ものすごく大きなものがきっとあったと思いますし、カリスマ性を持った方だったのだろうなという印象を持っております」
――台本を読んで「豊臣兄弟!」の信長像をどう感じましたか?
「序盤の台本を読みましたが、信長の説明の文言にもあるように『孤高のカリスマ』というような描かれ方をしていて、かっこいい男に描かれているなと思いました」
――今回で10作目となる大河ドラマですが、改めて、どのような思いがありますか?
「僕も歴史の話が好きですし、色々な方の解釈が反映されて、脚本というものがつくられ、その世界の中、長い時間をかけて48話という本数の作品をやる場所はなかなか他に見当たらなく、そこに参加するということは、いつも大きな期待と不安がひしめき合って刺激的な体験をくれる場だと思っています」
――八津作品の印象や、「豊臣兄弟!」の脚本に関して楽しみにしていることは?
「豊臣兄弟に今後、織田信長がどういう影響を与え、どういう存在として描かれていくのか、非常に楽しみにしております」
――出演にあたっての意気込みを
「期待に応えられるよう精一杯尽力します」
――共演を楽しみにしている方は? その理由も教えてください
「豊臣兄弟を演じる仲野太賀くんと池松壮亮くんの2人が作り上げていく世界を間近で見ながらその人間と関われることは非常に楽しみにしています。宮崎あおいさんは、ものすごく久しぶりに共演させていただきますし、しかも兄妹という役を出来るのは非常に楽しみです」
八代将軍吉宗(1995年) 徳川宗翰役
秀吉(1996年) 佐吉役
葵 徳川三代(2000年) 細川忠利役
義経(2005年) 梶原景季役
天地人(2009年) 石田三成役
八重の桜(2013年) 吉田松陰役
西郷どん(2018年) 坂本龍馬役
鎌倉殿の13人(2022年) 主演・北条義時役
どうする家康(2023年) 南光坊天海役
宮崎あおい
◆お市(おいち) 織田信長の妹。今作では信長・お市の兄妹を、豊臣兄弟と対をなす「織田兄妹」として描く。乱世に翻弄され、悲劇的な一生を送るが、兄・信長と織田家のため波乱万丈な生涯を毅然ぜんとして生き抜いた戦国ヒロインのひとり。信長と同盟を結ぶ近江の浅井長政に嫁ぎ、茶々・初・江の三姉妹を生み育てるが、のちに兄と夫が対立することになる。
――お市役のオファーを受けたときの率直な心境は?
「大河ドラマ『豊臣兄弟!』が仲野太賀さんを中心として制作されると目にした時、“とても素敵な大河ドラマになるだろうな”と思っていました。そんな気持ちで眺めていた作品に自分も参加させていただけるとは…しかもお市の方を演じさせていただけること、とても光栄です。信頼するスタッフの方がたくさんいる現場で、良い作品をお届けできるよう全力で向き合いたいと思っています」
――お市という人物の印象は? また、台本を読んで「豊臣兄弟!」のお市像をどう感じ、どのように演じたいと思いましたか?
「さまざまな作品でお市の方は描かれてきましたが、この『豊臣兄弟!』の中でどのようなお市を演じられるか、私自身まだ想像が追いついていないというのが正直なところです。これから、衣装などが決まり脚本が出来上がってくる中で共演者の皆さんとセリフを交わしながら膨らませていく過程がとても楽しみです」
――今回が3作目となる大河ドラマですが、どんな思いがあるか、「豊臣兄弟!」出演にあたっての思いと併せてお聞かせください
「私にとって大河ドラマは間違いなく人生を変え、今もなお影響を受け続けているものです。篤姫に出会わなかったら、作品への向き合い方、物事の考え方なども違っていたでしょう。いつかまた大河ドラマに参加させていただける日が来たらいいなという思いは心の中にありましたが、それが『豊臣兄弟!』であるということはこの上なく幸せです」
――八津作品の印象や、「豊臣兄弟!」の脚本に関して楽しみにしていることは?
「八津さんの書かれた脚本を読んでいると、登場人物がイキイキと動き出す感覚があり、この感覚は回を重ねるごと、登場人物が増えるごとにより大きくなる気がしています。そして、八津さんの脚本の力で様々な世代の方に楽しんでいただける大河ドラマになると確信しています」
――共演を楽しみにしている方は? その理由も教えてください
「仲野太賀さんとは一度共演させていただいたことがあるのですが、とても丁寧に作品に参加されている印象があり、またいつかご一緒させていただきたいと思っていた俳優さんです。信長役の小栗さんとお芝居で共演するのは約24年ぶりになります。当時まだ10代だった私たちですが、大人になり兄妹役でご一緒できることがとても嬉しいですし、豊臣兄弟とはまた違う兄妹の姿が描かれると思うので、小栗さんとどのような関係性を築いていけるか楽しみにしています」
元禄繚乱(1999年) 矢頭さよ役
篤姫(2008年) 主演・篤姫役
松下洸平
◆徳川家康 戦国乱世に終止符を打ち、江戸幕府初代将軍として泰平の世を築いた戦国三英傑の一人。「桶狭間の戦い」で主君の今川義元が信長に討たれたことで、その後の運命が大きく変わることに。信長亡きあと天下一統を狙う豊臣兄弟の眼前に最大最強のライバルとして立ちはだかる。
――徳川家康という人物の印象は?
「『鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(ほととぎす)』という言葉で示される徳川家康の人間性は、一見すると、民衆の言葉を聞きながら和平に努め、時代や地位に翻弄された数奇な印象もあります。けれど、日本史の中で最も有名な武将の一人であることは間違いないですし、そこに登り詰めるまでの過程には冷酷さや、残忍な面も多くあったのではないかと思います。ただ待つだけではない、狂乱の時代を生き抜いた多面的で、ゴツゴツとした家康を演じることができればと思います」
――家康役のオファーを受けたときの率直な心境は?
「お話を頂いた時は驚きと嬉しさとプレッシャーで一瞬頭が真っ白になりました。これまで多くの方が演じられてきた役ですが、皆さんがきっと『まだ誰も見たことのない家康』を目指し役作りなさっていたのではないかと思います。もちろん僕もその気概で挑みます。ですが、そもそも答えのない存在なので、楽しんでやれたらと思いますし素晴らしい共演者の皆様とご一緒出来るのをとても楽しみにしています!」
――松下さんにとって大河ドラマには、どんな思いがありますか?
「一人の人物を長く演じることが出来るのは俳優にとってとても豊かな経験になりますし、その機会を頂ける現場は滅多にあることではないと思います。なのでまたこうして大河ドラマに出させていただけることに感謝しています。1年半、贅沢な時間を過ごさせていただきます!」
――八津作品の印象や、「豊臣兄弟!」の脚本に関して楽しみにしていることは?
関して楽しみにしていることがありましたらお願いいたします。
「9年前、八津弘幸さんが脚本を務めた『家政婦のミタゾノ』シーズン1に少しだけ出させていただいたことがありますが、それ以来ご一緒する機会がなかったので、またこうして八津さんの世界にどっぷり浸かれることがとても嬉しいです。『豊臣兄弟!』の脚本を拝読しとてもワクワクしました。これから起きる戦乱の時代をまだ知らない冒頭の兄弟の姿に胸が熱くなりましたし、自分もこの時代の中で芝居ができるのかと思うと、身震いしました」
――出演にあたっての意気込みを
「数々の作品で描かれてきた戦国時代に新しい風が吹く瞬間を、楽しく!ご覧いただければ嬉しいです。『家康、なるほど。その手があったか』と思っていただけるような表現を見つけられたらいいなと思っています。その手とは? 無論、まだ何も考えておりません…クランクインの日まで、作品のために、そして自分のためになることを学び蓄えておきます」
――共演を楽しみにしている方は? その理由も教えてください
「仲野太賀さんは以前ドラマでご一緒させていただきました。ご本人にも伝えたことがあるのですが、太賀くんの表情を見ていると時々泣きそうになります。なんでなのかわかりませんし、本人は泣かすつもりなど毛頭ないと知りながら、こっちが勝手に何か貰ってしまう。いつも1つの言葉に、何個も感情を乗せて渡してくれる素敵な俳優さんです」
光る君へ(2024年) 周明役
このほか、明智光秀役で要潤、前田利家役で大東駿介、浅井長政役で中島歩、柴田勝家役で山口馬木也が出演することも合わせて発表された。