俳優の松平健と、なにわ男子の西畑大吾がこのほど、来年1月4日午後9時から放送される時代劇「新・暴れん坊将軍」(テレビ朝日系)の取材会に出席した。17年ぶりに復活する今作では、八代将軍の吉宗(松平)と、嫡男の家重(西畑)による親子の物語が描かれる。復活を「熱望していた」という松平と、歴史ある本作への出演に「光栄」と話す西畑に、見どころや、撮影秘話などを聞いた。
“名君”と誉れ高い八代将軍、吉宗が、貧乏旗本の三男坊、徳田新之助、通称“新さん“として庶民の暮らしにまぎれながら、江戸にはびこるさまざまな悪を討つ時代劇シリーズ。新作は吉宗の治世となってから二十有余年を経た江戸の町が舞台で、オリジナルシリーズでは若き将軍だった吉宗が還暦を控え、“世継ぎ問題”に直面する。監督は三池崇史さん、脚本は大森美香さんが担当する。
――17年ぶりの「暴れん坊将軍」です。オファーを受けたの心境を教えてください
松平「前々から熱望していた『暴れん坊将軍』の撮影が17年ぶりに実現し、本当にうれしい限りです」
西畑「歴史ある作品に出演させていただき、本当に光栄なことだと思います。何よりも、上様の息子役、後継ぎ候補で出演させていただけるとは思っていなかったので、とても驚きました。台本をワクワクしながら読ませていただきました」
――西畑さんは時代劇で殺陣に初挑戦されます
西畑「僕は顔や右手に麻痺を抱えていて、基本的に左手しか使えない役だったので、殺陣も左手でチャレンジしたのですごく大変でしたが、時代劇の先輩や松平さんにアドバイスをいただきました。左手しか使えなことが役の個性にもつながるはずで、皆さんに助けていただき、すごく楽しかったです」
――劇中ではべらんめえ口調で話されています
西畑「もちろん私生活で使ったことがなかったので、イントネーションが難しく、監督とアドバイスしていただきながら、やらせていただきました」
――家重を演じる西畑さんは、見ていていかがでしたか?
松平「すごく新鮮でした。今回演じた家重は、(別宅にこもりがちで政治に関心を見せないのに)裏では城下町に繰り出しているという役で、私が将軍と新之助を演じているのと同じ設定になっています。陰陽の使い分けがはっきりしていて、とてもよかったです。セリフがべらんめえなので、武士らしい所作にはこだわっていませんでした。ただ、立ち回りは俊敏でキレがよかったです」
――お互いの印象を教えてください
松平「最初に話をした時、『マツケンサンバを歌っています』と言われて(笑)。それで打ち解けることができたかな(笑)」
西畑「はい(笑)。初めてお話をさせていただいた時、『僕はマツケンサンバが大好きです』というところから入りました(笑)。松平さんのファンだから、本当に嫡男役をやらせていただけるとは思っていなくて、まずは『好きです!』という気持ちを伝えようと思っていました」
――西畑さんが息子役を演じている姿を見て、いかがでしたか?
松平「『暴れん坊将軍』で(吉宗の)子供が出てくるのは初めてだったので、すごく新鮮でした。歴史的にも、実際にあったような流れも描いているので、これまでの『暴れん坊』とは違う作品になったと思います」
西畑「すごくアドバイスをしていただき、僕自身は時代劇の経験はそこまでなく、殺陣も初挑戦だったので、殺陣の振り方を丁寧に教えていただきました。振り方の角度で、見え方も全然違うものになるんですよ」
――三池監督との撮影はどう感じましたか?
西畑「撮り方も独特なのですが、とくに三池監督が撮るのがすごく早くて、びっくりしました。あらゆる角度から撮っていくのではなく、一瞬一瞬を収めるという方法だったので、そこはすごく新鮮で勉強になりました」
松平「いつもと違うタッチですね、間合いや立ち回りにしても。手元など細かいカットをたくさん撮っていたので、それがどうつながるのか楽しみですね。本当は、三池監督は残虐なイメージがあったのですが(笑)、今までの『暴れん坊』をすごく尊重していただき、そこからはみ出さないように撮っていただきました」
――松平さんは、西畑さんにどのようなアドバイスをしましたか
松平「形や所作は、どうしても着物を着て立ち回りをしていると、現代劇よりも足を開く必要があります。立ち回りは(右手と右足、左手と左足を同時に出す)ナンバなんですよね。そのあたりがダンスとは逆なので、やりにくかったんじゃないかな(笑)」
西畑「よく覚えているのは斬り方ですね。(振り方の)角度によってどう斬るのかが変わってきますし、抜き方なども教えていただきました。また、僕は片手でレイピアを持っている役で、(レイピアは両刃なので)峰打ちをすることができず殴ることが多かったです。“殴っている感”のある角度などを教えていただきました」
――大先輩の松平さんから学んだことを教えてください
西畑「現場にいらっしゃる時も朗らかで、漂っているオーラが優しかったです。大変なシーンでも、松平さんがいらっしゃると、安心して撮影に臨むことができました。現場を和ませる力をすごく感じました」
松平「私は現場ではあまりしゃべらないので、いつも見守っているという感じなんです(笑)」
――若い世代には、どんなところを楽しんでもらいたいですか?
西畑「ストーリーは後継ぎ問題がメーンですが、現代にも通じるような風刺的な内容も含まれているので、若い方が見ても楽しめる内容になっていると思います。
そして何より、上様がカッコいい! 近くで見ていたから、迫力がすごかったです。時代劇としても面白いので、家族みんなで楽しんでいただきたいです」
松平「子供からご年配まで楽しんでいただけることがベースの作品ですので。また私は久しぶりに、白馬に乗らせていただきました。20年ぶりに白馬で海岸を走りました。最初は緊張しましたが、走り出したら大丈夫だったので、4回ぐらい乗りましたね」
――今年の漢字として、松平さんは「喜」、西畑さんは「初」としたためていただきました
松平「今年は本当に忙しい年で、みなさんにたくさん喜んでいただいた、笑顔になっていただいた年になりました」
西畑「僕自身、羽二重を着て時代劇に出させていただくのは初めてでした。殺陣も『暴れん坊将軍』で初めて経験させていただきました。グループとしては、初めてアジアツアーをさせていただき、初めてのことが多い1年でした」