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朝ドラおむすび 若林建夫役・神戸出身の新納慎也、震災当時を振り返り「実家まで9時間近くかけて戻った」「プライバシーも何もない避難所のシーンがリアル」

iza(イザ!) 2024年10月28日 10時0分

NHKは28日、現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」に若林建夫役で出演している俳優、新納慎也のコメントを発表した。

通算111作目となる朝ドラで、橋本環奈演じる平成元年生まれのヒロインが、栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む結(橋本)の姿を描いていく。

若林は、神戸市役所の職員で、米田家が営む理髪店の常連。さくら通り商店街にアーケードを設置する計画の担当者で、聖人に商店街側の責任者になるよう依頼した。神戸市出身の新納は、前々作「ブギウギ」(2023年度後期)でやり手の舞台演出家、松永大星を好演しており、大阪局制作の朝ドラに2作連続で出演となった。

新納慎也 コメント

――出演が決まったときの気持ちは?

「朝ドラ『ブギウギ』で松永大星を演じていた撮影中か放送中に、『おむすび』出演のお話をいただいて、「また大阪に行く日々がやってくるんやな』と思った記憶があります。こんなに続けての出演は珍しいことらしいので、ありがたいし嬉しかったですね。『ブギウギ』と同じスタッフさんも多く、『ただいま〜』という感じです。松永さんがよくやっていた“グッドラック”のポーズをして迎えてくださるスタッフさんもいました」

――自身の役柄について

「若林さんは松永さんと真逆の役なんです。松永さんだけじゃなく、NHKだと大河ドラマ『真田丸』で豊臣秀次役、『鎌倉殿の13人』で阿野全成役とクセが強い役をやらせていただきましたが、この流れから想像もつかない地味な役ですね。僕が出ると視聴者の方は「なんかやるぞ」と思うかもしれませんが、神戸市役所の真面目な職員で、突飛なことはしません。…多分(笑)

僕は神戸市出身なのですが、阪神・淡路大震災が起きた時はあれほどの大地震を経験するのがみんな初めてで、何もわからなかったんです。市の職員の方も本当に困っただろうと思います。震災当時、神戸市役所にも大勢の方が避難していたのを実際に見ました。市役所内に公衆電話がいっぱい並べられていて、みんながそこに電話をしに集まっていました。職員の方は対応に奔走していたことでしょう。ドラマに描かれていない部分でも、若林は市の職員として頑張ったのだろうと思います」

――阪神・淡路大震災を描くことについて

「阪神・淡路大震災を描くと聞いたときにちょっとヒリヒリする独特の感覚がありました。震災時は大学生で大阪に住んでいたのですが、神戸で暮らす家族と連絡が取れなくなったのが心配で、水をかついで実家まで9時間近くかけて戻った経験も。途中、電車が止まっていて、徒歩も交えて神戸に辿り着きました。幸い家族は無事でしたが、避難所へ知人を探しに行ったのを覚えています。だから劇中の避難所シーンの撮影では『こんなんやったね…』と、当時を思い出しましたね。エキストラさんがすし詰め状態で、プライバシーも何もない感じがリアルでした。当時の避難所は現在の避難所の様子とはかなり違っていて、もっともっとギュウギュウでした。阪神・淡路大震災以後、少しずつ改善されたんでしょうね。

ただ、『震災』は僕にとって傷であるだけでなく、誇りでもあるんです。震災当時は本当にどうなることかと思いましたし、約30年経つ今だから言えることですが、復旧復興して前向きに進んでいった神戸が『誇り』です。一方で、各地で大きな地震が起きるたびに大きく傷つく自分もいます。今年起きた能登半島地震の被災地のことがずっと気がかりですし、復旧復興が遅れている現状にとても心を痛めています。

このタイミングで『おむすび』が放送されることで、能登をはじめとする各被災地の方々に『大丈夫だよ、必ずこうやって乗り越えられるから!この国の人たちにはそのパワーがあるよ!』と伝わったらいいなと思っています」


――視聴者に向けたメッセージ、見どころ

「作品に出てきたら何かしでかすと思われがちな僕ですが、今回は何もしません…多分(笑)。神戸の復旧復興を願う、真面目な市役所職員役を楽しんでいただけたら幸いです。震災を描く作品なので、神戸や東北、能登など、各被災地の方々が悲しいことを思い出してしまうシーンもあるかもしれませんが、『いや、待てよ。これを乗り越えてきたやんか!』とパワーに変換していただけたら。日本は地震大国で何度も何度も地震に見舞われていますが、その記憶も前に進むパワーなんだと捉えてドラマを見ていただければ嬉しいです」

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