NHK連続テレビ小説「おむすび」(総合など)第9週「支えるって何なん?」(第41~45回)の第45回が29日、放送される。
平成元年生まれのヒロイン米田結(橋本環奈)が、栄養士として人の心と未来を結んでいく青春グラフィティー。どんなときも自分らしさを大切にする「ギャル魂」を抱き、激動の平成と令和をパワフルに突き進む姿を描く。主題歌「イルミネーション」をB’z、語りをリリー・フランキーが担当する。
「おむすび」第9週「支えるって何なん?」振り返り(ネタバレ)
結の姉、歩(仲里依紗)が古着のバイヤーとなり、3年ぶりに結たちのもとに帰ってきた。海外をあちこち飛び回る歩は、中学時代の友人、相原三花(松井玲奈)がやっている古着店に商品を卸すため、結たちが住む神戸に戻ってきた。結も専門学校の授業が本格化。ある日、運動生理学の実技授業で全力疾走をすることになり、結たちがヘトヘトになって走り終えるなか、軽快に完走する矢吹沙智(山本舞香)の姿を見た森川学(小手伸也)が、彼女がかつて陸上競技の選手だったことを思い出した。スポーツ専門の栄養士を目指す沙智は、兵庫県代表として2003年のインターハイ女子1500メートルで優勝を飾っており、五輪候補として注目されるほどの逸材だった。
一方、社会人野球の名門「星河電器」で、練習に打ち込む日々を送る結の恋人、四ツ木翔也(佐野勇斗)はチームのエ―ス、澤田龍志(関口メンディー)から「プロを目指すなら、メシも真剣に食え」という助言を受ける。澤田は自分で栄養面を考えた弁当を持参していたが、社食で満腹になるまで食べていた翔也は、体重が増えて体のキレをなくしていた。翔也から相談された結は社食のメニューで1週間の献立を作ると提案。森川と湯上佳純(平祐奈)に手伝ってもらい、翔也のための献立を完成させた。
その頃、結の父、聖人(北村有起哉)は、同じ商店街で靴屋を営む渡辺孝雄(緒形直人)のもとを訪ね「(阪神大震災後、福岡・糸島へ)逃げたくせに、よく戻ってきたな」という暴言を吐かれた。孝雄は震災で亡くなった歩の親友、真紀(大島美優)の父で、歩も孝雄から墓参りに来ないように言われていた。落ち込む2人の姿を見かねた母の愛子(麻生久美子)は、結と翔也を呼んで自宅でお好み焼きパーティーを開催。翔也はその場で野球をさせてくれた家族への感謝を述べ、絶対プロ野球選手になると宣言した。その言葉を聞いた聖人は、翔也を自分の店に連れていき、今後は自分が翔也の髪を切る代わりに「結を絶対に悲しませるな。約束しろ」と述べた。
結たちは、栄養カウンセリングの授業で、生徒同士が入院患者と担当栄養士に扮して模擬カウンセリングをすることになった。結が栄養士、沙智が患者役となったが、普段から結たちと距離を置く沙智が「あんたはなんもわかってへん」と冷たく、早々にカウンセリングを切り上げた。沙智はかつて自分が入院したころのことを思い出していた。
翔也は結に言われたとおりに食事を続けたが、それを見た澤田が「これじゃ足りないだろ?」とその量について指摘した。しかし翔也は自分のために考えてくれた結のことを考え、その問題を言えないでいた。澤田はゆで卵を1つ差し出すが、翔也はそれも断った。
医者一家のなかで唯一、医者になれなかった佳純が米田家にやってきた。湯上家では、佳純が栄養士になることに父親が反対。佳純は家を出て、部屋が見つかるまで泊めてほしいと愛子らに頭を下げた。翌朝、米田家の朝食は和食で、佳純は初めて食べる芥屋(けや)かぶやお米など、福岡・糸島の食材に感動。そして朝食を食べながら丁々発止のやり取りをする聖人と歩を羨ましがり、こうやって食卓を囲んで何でも話せる関係に憧るなどと言った。佳純が米田家に泊まった夜、佳純から実家の電話番号を聞いた愛子は、内緒で彼女の母親に会いに行き、本音を聞き出していた。父親は佳純に苦労させたくないため、働くことに反対していた。よかれと思ってもちゃんと伝わらないことはあるが、しっかり話せば伝わると愛子は言った。
結は、学校で沙智に同じスポーツ栄養士を目指すと言ったことを謝罪し、ただ自分も真剣に栄養士を目指していることをわかってほしいとし、翔也のために考えた献立を見せた。誰かを支えたいと栄養士を目指していることを伝えたが、沙智は支えられる側の気持ちを考えたことがあるのかと疑問を呈し、「支える支えるって、それが善意の押しつけやって分からへんの」と声を荒らげた。
沙智の言葉をきっかけに、その晩、改めて献立を見ていた結は、アスリートの翔也には全然量が足りないことに気付いた。電話で確認すると、翔也は献立の量では全然足りないことを告白。練習後にすぐにお腹がすいてしまうと言った。結は「大切な人を支えるどころか、傷つけとった。ごめんなさい」と言葉を絞り出した。
「おむすび」第45回あらすじ
聖人は、未だ距離を縮められない孝雄の靴店へ足を運ぶが、そこで神戸市職員の若林建夫(新納慎也)が追い出されるのを見かける。その後、一緒に居酒屋に入った聖人は、若林から震災直後の孝雄の様子を聞く。
一方、結は栄養専門学校で沙智と会い、自分が支える相手のことをわかっていなかったと吐露する。