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連続ドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」主演・高石あかりロングインタビュー “相棒”伊澤彩織に伝えたいことは「お友達に…」 テレ東で9・4スタート

iza(イザ!) 2024年9月3日 15時0分

テレビ東京で4日深夜1時から連続ドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」がスタートする。放送開始を前に、主人公の1人、杉本ちさとを演じる女優の高石あかり(※高=はしごだか)が作品に込めた思いや、相棒となる深川まひろ役を務める伊澤彩織との関係性などについて語った。

今作は高石と伊澤がダブル主演を務める映画「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの連ドラ化。社会になじめない女子、ちさととまひろのゆるい日常と、すご腕の殺し屋である2人の本格アクションを描いた作品で、27日に公開される劇場版第3弾「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」に先駆け、全12話の完全オリジナルストーリーとして放送される。

映画からドラマ…そんな夢みたいなことがあっていいの?

――ドラマ版の企画について初めて聞かされたときの感想を

「びっくりしました。映画からドラマってあるんだ、そんな夢みたいなことがあっていいのかと思いました。劇場版の2作を見てくださったお客さんのコメントを拝見すると、『ドラマで見たい』とか『映画とは別の形で』と言ってくださる方がすごく多くて、自分でもドラマ版を見たいと思っていたのでうれしかったです。同時に、どんどん『ベイビーわるきゅーれ』が広く知られるようになって、それをすごく遠くから見ているような、『大きくなっていって寂しい』と言ってくださるファンの方と似たような感覚もあります」

――連ドラだからこそ表現できたことがあるとすれば、どんなことですか?

「今回は、劇場版の監督でもある阪元裕吾さんのほかに、平波亘さん、工藤渉さんと監督が3人いらしたんですが、それぞれ撮影方法が全く違っていて、新鮮で楽しかったです。阪元監督が意外とドラマっぽく撮ってくれているシーンもあるようで、ドラマならではのカットというか、すごくポップですし、ちさととまひろの日常の描写もかわいらしく撮れていて、より多くの方に愛していただける作品になりそうだなと予感しています」

シリーズ特有の長回しがドラマでも生かされている

――「ドラマっぽい」シーン、カットには具体的にどんなものがありましたか?

「細かいカット割りで見せていく面白さと、今までの『ベイビーわるきゅーれ』によくあるワンカットで長く撮る部分が織り交ぜられています。詳しくはまだ言えないんですが、シリーズ特有の長回しがドラマにもいい形で生きていると感じられるところが毎回あって、それを楽しみにしてもらえたら」

――ドラマ版で演じることで新しく気づいたことはありましたか?

「役については発見だらけで、今まで見えていなかった2人の部分がたくさんあると思いました。そういう知られざる面が、簡単にポンって出てきて『全然隠してなかったんだ! これ見ちゃっていいんだ!』というような驚きがあって、2人の関係性も大きく変わってきます。変わったのは物語でもそうですし、伊澤彩織さん、高石あかりとしても変わってます。すごく恥ずかしいですけど、撮影の中でずっと『私たちは一つです』と言い聞かせていて。今までは、アクションに長けた伊澤さんに私が食らいついていく感じだったのが、支え合うような関係性になってきていると今回のドラマ版でとても強く感じています。4年も一緒にいて、お互い欠点もいいところもわかるので、『今、助けが求められてるな』『私が助けてもらいたいな』ということが何も言わなくても伝わる。そういう存在だと実感することで生まれる表情や体の動き、アクションになっていると感じていました」

道具を使って戦う見せ方みっちり教わった

――自分が担当したアクションで苦労した部分は?

「私は筋肉が少ないので、大人数と戦う場面に説得力を持たせるのがすごく難しくて、道具を使うことで補う見せ方をみっちり教わりました」

――アクション場面を演じるうえで、参考にした映画はありますか?

「監督からその都度、参考に勧められる作品があって、たとえば劇場版2作目のときは『マッドマックス 怒りのデスロード』だったんですが、下町のおじさんたちと将棋を打つシーンで、ちさとが勝負に負けて『あー!』って言ってるところは、フュリオサが砂漠の中で叫ぶ場面をイメージして演じました。特定のシーンの『この表情がいいんです!』というふうに指定されるので、何作目かは忘れてしまったんですが『ランボー』シリーズを参考にしたこともありました」

ちさとと家族の関係は今作で初めて知った

――今回初めて描かれる組織と家族の関係は、映画の時から聞かされていた裏設定でしたか? それとも今作の撮影で初めて知りましたか?

「まったく知らなかったです。ドラマの撮影に入る前にちさとの家族が出てくる説明があって、驚きました。セリフの中にポンっと出てくるワードで過去が垣間見えたり、組織のことももっと内側が描かれますし、シリーズの中にあったものをドラマで深掘りしていきます」

――日常の場面でお気に入りのシーンは?

「劇場版第3作では地方で(殺し屋の)お仕事をしてるので、家のシーンがないんですが、ドラマでは自宅の場面がいっぱいで、2人が大人になろうとしてるのかなと感じられるところは、胸がギュッとなって好きです。それと、ご飯を食べているシーンがすごくキーになっているんです。食べてる時に本音が言えたり、仲直りのためにご一緒に食べたり、そういう場面が阪元さんぽいなと思いました」

――劇中で食べておいしかったメニューは?

「全部おいしくて、ごはんを作ってくださる方がもう天才! シンプルにおにぎりととん汁という日があったんですが、それを食べるために私、朝食抜いていって、その場面の私は素でした(笑)。伊澤さんの表情もすばらしくて、2人の幸せな気分にあふれたシーンになったと思います」

スタッフも号泣した最終話のセリフ

――互いの関係について、撮影に入る前、あるいは撮影中に伊澤さんとは話し合いましたか?

「撮影中に。私のなかで『伊澤さんを守れるのは自分だ』という気持ちがあって。どっちかが悩んでいる時にお互いすぐ気づくし、伊澤さんも同じだと思うんですが、そういう存在になろうとしました」

――伊澤さんのアクションのどんなところに魅了されますか?

「伊澤さん、第1話でめちゃめちゃすごいアクションしてるんですけど、(アクション監督の)園村健介さんが作るアクションが面白くて、阪元監督が『今までで一番好きかも』というくらいもみくちゃで、コメディー要素もあって、全部が詰まって『なんだ。これは?』という出来栄え。『これを人間ができるのか?』というレベルの要求に応えてしまう伊澤さんはやっぱりすごいです」

――今回のドラマを通して、ちさとにとってまひろはどういう存在になっていきましたか?

「…その答えを…最終話で言っています(一同笑)…それ以外言えないです(笑)」

――今までの映画とは違う展開ということですか?

「2人の中にずっとあったことで、今まで気づいていなかったか、気づいていたけど言っていなかったことを言葉にしたという感じです。でも、『だから何?』って感じなんですよ。気持ちを言っただけで関係性が変わるわけではない。そのシーンのリハーサルをやっていたとき、長年お世話になっている美術スタッフの方がそばにいらして、『これが見たかったんです!』って号泣するくらいのシーンになりました。ぜひ最後の第12話まで見てください」

――伊澤さんは高石さんにとってどんな存在ですか?

「今まで、私たちの関係性には名前をつけたくないって思っていたんですが、最近『そろそろ名前つけたいな』って欲が出てきて。まだ(伊澤さん本人に)言えてないんですけど。でも、ここで話して(記者の)皆さんを通して伝えられるのもな…(一同笑)、いや、でも『お友達になってほしいです』と伝えたくてですね、私が言うまで内緒にしてください(笑)。名前を付けたくなかったのは、ちさととまひろの関係性を定義する言葉がなかったからで。でも、映画3作で演じて、ドラマもやって、毎回、『続いたらいいな』と思いつつ、『(今作が)もしかしたらゴール』なのかもしれないっていう予感もあって、『シリーズが終わって、ちさととまひろの存在がなくなったら、私たちに本当に名前がなくなってしまう』と思って。だから早く言いたいんですけど、ちょっと恥ずかしくて言えてないです…」

宮原(本田博太郎)と話すちさまひは最高に面白い

――ドラマ版の新キャストとの共演の感想を

「すごかったです。今までも田坂さん(水石亜飛夢)みたいに濃いキャラクターはいましたが、今回の新しいキャスト全員がそれを超えるくらいの濃さでした。あるキャラクターの存在のおかげで、まひろが成長する瞬間が見えたりするのもいいんですよね。本田博太郎さんは本当に優しい方で、ずっとお話ししてくれて。役の宮原幸雄としてしゃべるたびにその場が静まる瞬間の間の置き方が本当にすばらしすぎて、一緒にお芝居させてもらえることをありがたく感じました。そこからの影響もたくさんありましたし、宮原としゃべっているときのちさまひ(ちさととまひろのコンビの愛称)は最高に面白いと思います。

柄本時生さんが演じる日野彰は、まひろと関わる役なので、私はまひろと日野さんが話すのを見ているシーンが少しあっただけなんですが、ちさとといるときとは違うまひろがそこにいて。嫉妬のような感情が芽生えるくらい、人と関わることを学んで成長していく今までにないまひろがいました。柄本さんは最高でした。伊澤さんもそうですが、お芝居をしていくなかで、目を合わせたときにビリビリくる瞬間というのがあって、そういう気持ちを一瞬でも感じさせてもらえたのがいい経験でした」

自分のなかのちさとを壊すのが一つの目標だった

――ご自身の名刺代わりにもなったこのシリーズへの思いを

「自分が想像していた以上のところにどんどん進んでいく『ベイビーわるきゅーれ』がすごくうれしくもある一方、遠くなっていくっていう気持ちもあって。このすごく不思議な感覚は滅多に味わえることじゃなくて、最初で最後かもしれないし、大切すぎて自分だけのものにしておきたいけど、本当に多くの人に見てほしいとも思います。特にドラマ版はより違うパワーアップの仕方をしていて、映画の第3作とも違う深みがあって、その比較が一緒にできる面白さもあります。ぜひどっちも見て『全然ちげー!』って思ってもらえたらうれしいです」

――他の作品に参加して、またこのシリーズに戻ってくると、ご自身や伊澤さんの成長や変化を客観的に感じられる作品にもなってるんでしょうか?

「そうだと思います。ただ、ファンの方による二次創作のアニメや小説ができたり、絵を書いてくださったり、皆さんの中でのちさととまひろ、『ベイビーわるきゅーれ』がそれぞれあって、そのイメージを裏切らないところに毎回持っていかないといけないという、シリーズものならではの“怖さ”もあります。みんなが思ってるちさまひになれているのかと。でも、そこにとらわれすぎずに、自分のなかのちさとを壊すのが今回のドラマの一つの目標でした。柔軟に役と向き合うことをこのドラマで実践しつつ、学んだことを他のお仕事でも活かしたいし、他のお仕事でいただいたことをまた、『ベイビーわるきゅーれ』でも生かしたいという思いは常にあります」

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