女優の吉高由里子が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合など)の第43話が10日、放送され、若武者・双寿丸(伊藤健太郎)が大宰府に赴くと明かしたセリフに、彼の先行きを案じる視聴者が続出した。
平安時代を舞台に、「源氏物語」の作者として知られる紫式部/まひろ(吉高)の幼少期からの生涯と「源氏物語」の執筆や、権力者、藤原道長(柄本佑)とのかかわりを軸に描く波乱の一代記。双寿丸は平為賢(神尾佑)に仕える若武者で、まひろの娘、藤原賢子(南沙良)が盗賊に襲われているところを助けたことで親交を深め、腹が減ると食事をごちそうになるために賢子のもとを訪ねていた。孤児として育ち、教養はないが、裏表のない性格で自身の境遇を前向きに捉えて仕事や仲間との生活に生きがいを見出している。屈託ない双寿丸の人柄に、賢子はすっかり魅了されており、まひろも身分を超えた2人の関係を微笑ましく見守っている。権謀術数渦巻く政治劇のなかで、双寿丸と賢子の打算のない甘酸っぱい関係が多くの視聴者の癒しとなっている。
この日の放送で、双寿丸が武功を立てるため翌年に大宰府に赴くことになったと賢子に打ち明けた。大宰権帥(ごんのそち)に任じられた藤原隆家(竜星涼)に従って彼の地に下る為賢に随行するという。このセリフは第42話(3日放送)の最後に流れた次週予告にも使われ、双寿丸の“退場”が近いのではないかと危惧する視聴者が少なくなかった。史実と照らし合わせると、隆家の大宰権帥就任が長和3(1014)年で、その5年後の寛仁3(1019)年に、大陸の北方民族の海賊が九州地方北部を襲撃する「刀伊の入寇」が起こる。この日のラストには、賢子の発案で旅立つ双寿丸を明るく送り出す壮行会のような宴が催され、不穏な予感とは裏腹な笑いの絶えない場面が展開したこともあって、SNSには「刀伊の入寇への序曲か…」「これ退場フラグじゃないだろな」「死亡フラグ立ちまくってて辛い」「双寿丸、無事でいて」などと、双寿丸の未来を心配するコメントが相次いで書き込まれた。