オーストラリアでは春先、マグパイ(カササギフエガラス)と呼ばれる鳥の被害が急増する。これは春の繁殖シーズンを迎えて攻撃的になるためで、クイーンズランド州の州都ブリスベンに住む男性は今年9月、同じ道で1週間、マグパイの襲撃を毎日のように受けたという。英ニュースメディア『The Daily Star』などが伝えた。
南米コロンビアのサンティアゴ・デ・カリ出身で、今年3月からブリスベンに住んでいるアレハンドロ・リオスさん(Alejandro Ríos、25)は9月20日、自転車で帰宅中にヘルメットを何かで叩かれたような衝撃を感じた。
アレハンドロさんはケータリング会社でキッチンの補佐をするキッチンハンドとして毎日働き、いつも同じルートで帰宅するそうで、当時のことをこのように振り返った。
「最初は何が起きたのか分からなくてね。少し不安になったんだ。果実が木から落下したのか、誰かに頭を叩かれたのかと思ったけど、全くわけが分からなかった。」
ところがアレハンドロさんは、何度か同じ衝撃を感じるうちに、自分がマグパイに襲われていることに気付いたという。オーストラリアでは春先、マグパイが上空から急降下して頭や顔を狙う被害が多発しており、過去には死亡するケースも発生している。
アレハンドロさんのケースでは、仕事帰りに毎日のように襲われるようになったそうで、このマグパイを天敵を意味する“ネメシス(nemesis)”と呼び、身構えるようになったという。
「最初は心配したけどね。何度か攻撃されているうち、マグパイが上空から襲ってくるのが分かるようになって、なんだか可笑しくなってきたんだ。ただ目だけは襲われないよう気をつけていたよ」と語るアレハンドロさん。続けてこのように述べた。
「初めのうちは、自分がマグパイに襲われるのは自転車に乗っているからだと思っていたんだけどね。ネメシスが襲うのは自分だけだということに気付いたんだ。他のサイクリストのことは狙わないんだよ。きっとネメシスは僕のことが本当に嫌いなんだろうけど、動物が大好きな僕からしたら友達でもあり、天敵でもあるね。」
こうしてマグパイに襲われるようになって1週間後、アレハンドロさんはヘルメットの上に硬い結束バンドを結んでマグパイ対策を施し、自身の安全を確保した。それ以来、ネメシスが襲ってくることはなくなったそうだが、「今でも、いつもの道で僕のことを待っているんだよ」と明かしている。
なお南オーストラリア州環境保全局によると、マグパイは脅威と感じたものを攻撃し、その人物の顔を長期間覚えているという。また、クイーンズランド州政府のウェブサイトは、マグパイの上空からの攻撃はそのほとんどがオスであることを指摘しており、襲撃は卵や雛鳥の世話をする7月から11月に起き、6~8週間で雛が巣立つと止むそうだ。
ちなみに豪クイーンズランド州では2021年8月、マグパイに襲われてパニックになった母親が転倒し、抱えていた女児が亡くなっていた。女児は生後5か月だったという。
画像は『The Daily Star 2023年10月18日付「Bloke slams giant magpie ‘nemesis’ who attacks him every day on way to work」(Image: Alejandro Rios / SWNS)』『Women Who Cycle 2013年9月30日付「How to survive the swooping bird season」』『New York Post 2021年8月10日付「5-month-old baby killed in freak bird attack was the ‘light of her parents’ life’」』『7NEWS Australia 2022年9月22日付「NSW man attacked by magpie moments after bragging to mates about never being swooped」(Credit: 7NEWS)』『People.com 2021年9月28日付「‘Territorial’ Raven’s Attack on Delivery Drone Caught on Camera in Australia」』『Latest Sightings 2022年5月17日付「Angry Birds Gang Up and Attack Snake」』『Justin Dudoward 2022年6月18日付Facebook「Eagle picked up our dog Coco wow she’s so lucky.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
南米コロンビアのサンティアゴ・デ・カリ出身で、今年3月からブリスベンに住んでいるアレハンドロ・リオスさん(Alejandro Ríos、25)は9月20日、自転車で帰宅中にヘルメットを何かで叩かれたような衝撃を感じた。
アレハンドロさんはケータリング会社でキッチンの補佐をするキッチンハンドとして毎日働き、いつも同じルートで帰宅するそうで、当時のことをこのように振り返った。
「最初は何が起きたのか分からなくてね。少し不安になったんだ。果実が木から落下したのか、誰かに頭を叩かれたのかと思ったけど、全くわけが分からなかった。」
ところがアレハンドロさんは、何度か同じ衝撃を感じるうちに、自分がマグパイに襲われていることに気付いたという。オーストラリアでは春先、マグパイが上空から急降下して頭や顔を狙う被害が多発しており、過去には死亡するケースも発生している。
アレハンドロさんのケースでは、仕事帰りに毎日のように襲われるようになったそうで、このマグパイを天敵を意味する“ネメシス(nemesis)”と呼び、身構えるようになったという。
「最初は心配したけどね。何度か攻撃されているうち、マグパイが上空から襲ってくるのが分かるようになって、なんだか可笑しくなってきたんだ。ただ目だけは襲われないよう気をつけていたよ」と語るアレハンドロさん。続けてこのように述べた。
「初めのうちは、自分がマグパイに襲われるのは自転車に乗っているからだと思っていたんだけどね。ネメシスが襲うのは自分だけだということに気付いたんだ。他のサイクリストのことは狙わないんだよ。きっとネメシスは僕のことが本当に嫌いなんだろうけど、動物が大好きな僕からしたら友達でもあり、天敵でもあるね。」
こうしてマグパイに襲われるようになって1週間後、アレハンドロさんはヘルメットの上に硬い結束バンドを結んでマグパイ対策を施し、自身の安全を確保した。それ以来、ネメシスが襲ってくることはなくなったそうだが、「今でも、いつもの道で僕のことを待っているんだよ」と明かしている。
なお南オーストラリア州環境保全局によると、マグパイは脅威と感じたものを攻撃し、その人物の顔を長期間覚えているという。また、クイーンズランド州政府のウェブサイトは、マグパイの上空からの攻撃はそのほとんどがオスであることを指摘しており、襲撃は卵や雛鳥の世話をする7月から11月に起き、6~8週間で雛が巣立つと止むそうだ。
ちなみに豪クイーンズランド州では2021年8月、マグパイに襲われてパニックになった母親が転倒し、抱えていた女児が亡くなっていた。女児は生後5か月だったという。
画像は『The Daily Star 2023年10月18日付「Bloke slams giant magpie ‘nemesis’ who attacks him every day on way to work」(Image: Alejandro Rios / SWNS)』『Women Who Cycle 2013年9月30日付「How to survive the swooping bird season」』『New York Post 2021年8月10日付「5-month-old baby killed in freak bird attack was the ‘light of her parents’ life’」』『7NEWS Australia 2022年9月22日付「NSW man attacked by magpie moments after bragging to mates about never being swooped」(Credit: 7NEWS)』『People.com 2021年9月28日付「‘Territorial’ Raven’s Attack on Delivery Drone Caught on Camera in Australia」』『Latest Sightings 2022年5月17日付「Angry Birds Gang Up and Attack Snake」』『Justin Dudoward 2022年6月18日付Facebook「Eagle picked up our dog Coco wow she’s so lucky.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)