中国の伝統的な祝日「重陽節」は無病息災を願う五節句の一つであり、今年は今月23日(旧暦9月9日)だった。この日は、「老人節(敬老の日)」とも呼ばれるそうで、中国重慶市に位置する自治県で捉えられた動画が多くの人の心を動かした。中国ニュースメディア『腾讯网』などが伝えた。
重慶市東南部に位置する彭水ミャオ族トゥチャ族自治県で今月23日、89歳の母を竹籠に入れ、担いで運ぶ50代の兄弟の姿が捉えられ、SNSに投稿されて注目された。
兄弟は58歳のチェン・チュアンさん(陈川、Chen Chuan)と55歳のチェン・リーさん(陈立、Chen Li)で、体調を崩した母親を病院に担いで連れていく途中だった。
実はチェン兄弟の母は車に酔いやすく、具合が悪いにもかかわらず「病院には行きたくない」と言い出したそうで、兄弟は自宅から20分の距離にある病院まで母を交代で担ぐことにしたという。
そしてたまたまこの光景を見た人が心打たれて動画に収め、「世界中の高齢者が、こんなふうに支えられる世の中であって欲しい」と願いを込めてSNSに投稿したところ、大きな反響があった。
動画は20秒足らずと短いが、1人が母を乗せた大きな竹籠を背負っており、もう1人はその隣を寄り添うように歩いている。道は少しだけ登り坂になっていて、籠を背負った男性は腰を曲げてつらそうにしているが、道の曲がり角まで来ると一旦休んで交替し、2人は再び病院を目指すのだった。
なおこの動画には、女性の孫が反応し「これは私の祖母と父と叔父なの。父と叔父はいつも、ああやって祖母を病院まで連れていくのよ!」とメッセージを残し、他の視聴者からは次のようなコメントが寄せられた。
「あの地域は坂と階段が多くてね。自転車に乗っている人は珍しいんだ。それにしても竹籠とは…。涙が出てきたよ。」
「折り畳み式の車椅子を購入してあげたいよ。軽量だし、階段があっても持ち運びはできるからね。」
「母にとって子供というのは宝物だね。」
「母への強い思いを感じるね。」
「50代後半であの竹籠を背負うのは決して容易いことではないはず。グッとくるものを感じたよ。」
「母が素晴らしい子育てをした結果だよ。」
「こんなニュースばかりだといいね。」
「こうやって親孝行ができるってことは素晴らしいこと。これがずっと受け継がれていくといいね。」
一方で3人兄弟の末っ子だというリーさんは、中国メディアのインタビューで「兄(長男)は若くして亡くなった」と明かし、このように述べていた。
「私が幼かった頃はいつも、母が私たちを竹籠に入れ、病院に連れていってくれたんだ。ただそんな母も、昨年からは病気がちでね。私は母の世話ができるように仕事を辞め、故郷で小さなレストランをオープンさせた。それでも父は今のところ健康で、週末以外は僕の世話をしてくれるんだ。」
ちなみに兄弟が不在の時は、義理の娘チャン・シンロンさん(張清容、Zhang Qingrong)が竹籠を担ぎ、義母を病院に連れていくそうで、チャンさんはこのように語っていた。
「私たち一人一人が高齢者をリスペクトすべき。両親は私たちを育ててくれたわけだから、今度は私たちが彼らのケアをするべきだと思っています。」
親思いのチェンさん兄弟は50代だが、中国では今春、障がいを持つ母親を健気に世話する2歳男児が話題となった。両親は2人とも運動機能に障がいがあるものの、男児はたくましく2人を支えているという。
画像は『腾讯网 2023年10月24日付「这一幕令人动容!怕老母亲晕车,两兄弟轮流用背篼背母亲去医院」』『AmoMama 2023年3月27日付「2-Year-Old Boy Takes Care of His Disabled Mother: ‘Sometimes I Feel Sorry for Him’」(Source: Youtube.com/South China Morning Post)』『MINNEWS 2022年1月15日付「A 36-year-old paralyzed man takes care of his 62-year-old paralyzed father. He cooks three meals a day and raises a stray cat.」』『South China Morning Post 2021年12月23日付Facebook「A mother’s love knows no bounds…」』『Metro 2018年10月2日付「Girl, 6, takes care of paralysed dad alone after her mother abandoned them」(Picture: Kuaishou)』『news.com.au 2018年11月7日付「Son wakes from coma after his elderly mum nursed him day and night for more than a decade」(Picture: Beijing News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
重慶市東南部に位置する彭水ミャオ族トゥチャ族自治県で今月23日、89歳の母を竹籠に入れ、担いで運ぶ50代の兄弟の姿が捉えられ、SNSに投稿されて注目された。
兄弟は58歳のチェン・チュアンさん(陈川、Chen Chuan)と55歳のチェン・リーさん(陈立、Chen Li)で、体調を崩した母親を病院に担いで連れていく途中だった。
実はチェン兄弟の母は車に酔いやすく、具合が悪いにもかかわらず「病院には行きたくない」と言い出したそうで、兄弟は自宅から20分の距離にある病院まで母を交代で担ぐことにしたという。
そしてたまたまこの光景を見た人が心打たれて動画に収め、「世界中の高齢者が、こんなふうに支えられる世の中であって欲しい」と願いを込めてSNSに投稿したところ、大きな反響があった。
動画は20秒足らずと短いが、1人が母を乗せた大きな竹籠を背負っており、もう1人はその隣を寄り添うように歩いている。道は少しだけ登り坂になっていて、籠を背負った男性は腰を曲げてつらそうにしているが、道の曲がり角まで来ると一旦休んで交替し、2人は再び病院を目指すのだった。
なおこの動画には、女性の孫が反応し「これは私の祖母と父と叔父なの。父と叔父はいつも、ああやって祖母を病院まで連れていくのよ!」とメッセージを残し、他の視聴者からは次のようなコメントが寄せられた。
「あの地域は坂と階段が多くてね。自転車に乗っている人は珍しいんだ。それにしても竹籠とは…。涙が出てきたよ。」
「折り畳み式の車椅子を購入してあげたいよ。軽量だし、階段があっても持ち運びはできるからね。」
「母にとって子供というのは宝物だね。」
「母への強い思いを感じるね。」
「50代後半であの竹籠を背負うのは決して容易いことではないはず。グッとくるものを感じたよ。」
「母が素晴らしい子育てをした結果だよ。」
「こんなニュースばかりだといいね。」
「こうやって親孝行ができるってことは素晴らしいこと。これがずっと受け継がれていくといいね。」
一方で3人兄弟の末っ子だというリーさんは、中国メディアのインタビューで「兄(長男)は若くして亡くなった」と明かし、このように述べていた。
「私が幼かった頃はいつも、母が私たちを竹籠に入れ、病院に連れていってくれたんだ。ただそんな母も、昨年からは病気がちでね。私は母の世話ができるように仕事を辞め、故郷で小さなレストランをオープンさせた。それでも父は今のところ健康で、週末以外は僕の世話をしてくれるんだ。」
ちなみに兄弟が不在の時は、義理の娘チャン・シンロンさん(張清容、Zhang Qingrong)が竹籠を担ぎ、義母を病院に連れていくそうで、チャンさんはこのように語っていた。
「私たち一人一人が高齢者をリスペクトすべき。両親は私たちを育ててくれたわけだから、今度は私たちが彼らのケアをするべきだと思っています。」
親思いのチェンさん兄弟は50代だが、中国では今春、障がいを持つ母親を健気に世話する2歳男児が話題となった。両親は2人とも運動機能に障がいがあるものの、男児はたくましく2人を支えているという。
画像は『腾讯网 2023年10月24日付「这一幕令人动容!怕老母亲晕车,两兄弟轮流用背篼背母亲去医院」』『AmoMama 2023年3月27日付「2-Year-Old Boy Takes Care of His Disabled Mother: ‘Sometimes I Feel Sorry for Him’」(Source: Youtube.com/South China Morning Post)』『MINNEWS 2022年1月15日付「A 36-year-old paralyzed man takes care of his 62-year-old paralyzed father. He cooks three meals a day and raises a stray cat.」』『South China Morning Post 2021年12月23日付Facebook「A mother’s love knows no bounds…」』『Metro 2018年10月2日付「Girl, 6, takes care of paralysed dad alone after her mother abandoned them」(Picture: Kuaishou)』『news.com.au 2018年11月7日付「Son wakes from coma after his elderly mum nursed him day and night for more than a decade」(Picture: Beijing News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)