Infoseek 楽天

【海外発!Breaking News】胴から不完全な手が生え“恐竜”と呼ばれる女性、SNSのポジティブな投稿が人気に(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2023年11月17日 5時0分

生まれつき腕がなく、胴から不完全な状態の手が生えた女性が今から2年前、「障がいを持つ自分の日常や、前向きな姿をもっと多くの人に知ってもらえれば」とTikTokをスタートし、人気を博している。女性は恐竜の“Tレックス(ティラノサウルス・レックス)”にたとえられることもあるそうだが、「前向きに楽しく」をモットーに人々に元気と勇気を届けている。YouTubeチャンネル『Truly』などが伝えた。

「アザラシ肢症」という非常に稀な先天性疾患を持つデボラ・ダールさん(Deborah Dahl)は、まるでアザラシのように胴から短い手が伸びており、手指の数も極端に少ない。幸いなことに脚には奇形はなかったが、実母は我が子を自宅に連れて帰ることを拒絶し、デボラさんは児童養護施設に送られた。

そんなデボラさんの人生に転機が訪れたのは4歳半の時で、アメリカ在住の夫婦に養子として迎えられて渡米した。

デボラさんは当時のことをこう振り返る。

「アメリカの新しい家族は、私が服を着たり、髪を整えたりといった身の回りのことができるようになるまで、いつも助けてくれたの。そして5、6歳になると、母に『手で櫛を持ってみたら?』と言われてね。ただ私には手の力がほとんどなく、手でできないことを足でするようになったの。そうして足でドアを開けたり、食器棚からコーヒーマグを取り出したり、髪を梳かすことができるようになり、手がある人たちのために作られた世界に自分を適応させていったのよ。もちろん、全てが挑戦だったわ。」



ところが外見が普通と違うデボラさんは、常に周りからの視線に晒され、時には心無い言葉をかけられるそうで、「子供たちから『うわ! その腕はどうしたの?』って言われることもあるのよ。でもそんな時は『私は人と違って生まれたのよ』と答えるの」と笑う。

デボラさんのモットーは前向きで楽しく生きることと言い、「私も人間だから、悲しくなったり惨めな気分になったこともあったわよ…。たとえば『なぜ実母は私を病院に置き去りにしたのか。なぜそんなことができるのか』などと考えてしまうこともあった。それでも私を育ててくれた母が一番の理解者となって支えてくれたわ」と明かした。

一方で母ミシェルさん(Michelle)は、デボラさんについてこのように語った。

「実はデボラを受け入れた時、『私たちはいい家族になることができる』と思いながらも心配は尽きなかったの。特に7歳から14歳の成長期には、骨が成長し皮膚を突き破ってしまうようになり、年に2回の手術を受けなくてはならない大変な時期だった。でもデボラは、どんなにつらいことがあっても笑顔で乗り越えてくれてね。『なぜあの子を選んだの?』と言われることもあるけれど、私はあの子が私の人生の一部であることを心から嬉しく思っているの。」

なおデボラさんを支えているのはミシェルさんだけでなく、11年前に教会で知り合って結婚したという夫ネイサンさん(Nathan)も一緒で、デボラさんは夫について次のように明かしている。

「私はそんなに交際経験があるわけでもないけど、ネイサンはそれまで付き合った人とは全く違ってね。いつもありのままの私をリスペクトしてくれたの。」

2人は息子マシュー君(Matthew)をもうけており、デボラさんは「妊娠が分かった時は、『この手でどうやって子育てしたらいいのだろう』と心配したけど、おむつ替えも、ハグもできたし、今でも息子を持ち上げることができるわよ」と力強く述べている。デボラさんは現在、料理をしたり、食事をしたりととにかく器用に手指と足を使っていて、日常生活にはほぼ困ることはないようだ。



デボラさんは今から2年前、マシュー君の提案でTikTokを始め、動画を見た人から「恐竜みたい」「Tレックス(ティラノサウルス・レックス)は絶滅したと思っていたよ」といったコメントが多数寄せられたという。それでもデボラさんはある日、短い手指の先におもちゃの恐竜の足を付けて「ガオ~」と叫ぶ動画を投稿したところ大きな反響を呼び、TikTokのフォロワー数は現在、42万7千人を超えるまでになった。



デボラさんは、ネガティブなことを言われても常に前向きに、面白可笑しく対応するようにしているそうで、「障がいを持っていても、気の持ちようで十分、人生を楽しむことができる」ということをTikTokで発信し続けている。



そして自身については、「今の私は色々なことにとてもよく順応できているし、素敵な家族がいてくれて幸せなの。だからこれ以上のことは望んでいないわ」と述べ、このように続けた。

「私は勇気を出し、自分の障がいをTikTokでシェアしていることを誇りに思っているの! 私が子供の頃には、障がいを持つ人がテレビに出ることなんてなかったものね。でも今はプラットフォームが身近にあるから、いくらだって自分を晒すことができるのよ。だからある日、四肢に障がいを持つ子がTikTokを検索して『あ! 彼女は私と同じだ』って思ってくれるかもしれないわ。」



そんなデボラさんについて、ネイサンさんはこんなふうに話している。

「彼女は妻として素晴らしく、インスパイアされる存在だよ。それに母親としても愛情たっぷりで、思いやりがあって、面白いんだ。彼女は『人を見かけで判断することはできない』ということを私たちに教えてくれているんだよ!」

なおテックインサイト編集部では、デボラさんにこれまでで一番大変だったこと、結婚して最も嬉しかったこと、今後の抱負などについて話をうかがうべく取材を申し入れている。



画像は『Deborah Dahl 2023年7月19日付Instagram「Bingo Tuesday」、2023年8月25日付Instagram』『Deborah Look No Hands 2023年11月12日付TikTok「Woohoo!」、2023年11月2日付TikTok「#capcut」、2023年10月6日付TikTok「Took a minute but so tasty!」』『Metro 2023年4月12日付「Little girl born with ‘mermaid’ legs fused together takes her first steps」(Picture: Noelle Spivey / SWNS)』『The Sun 2022年7月21日付「CRUEL COMMENTS I was born with a huge arm because of a rare condition – some people are awesome but trolls try to tear me down」(Credit: Jam Press)』『The Mirror 2015年8月14日付「‘Boy with the World’s Biggest Hands’ measuring 33cm has surgery to reduce their size」(Image: Barcroft)』『11Alive 2021年6月1日付「Duluth police officer mentors 6-year-old who wants to be a cop」(Credit: 11Alive)』『Vanessa McLeod 2021年4月26日付Instagram「Lucky pupdate」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

この記事の関連ニュース