日本では、妊婦の約100人に1人が双子などの多胎児を出産すると言われる。母親の身体にかかる負担は、1人の子どもを授かる場合よりも大変だろうが、アメリカではある女性が2つの子宮にそれぞれ女の子の赤ちゃんを妊娠した。米日刊紙『The Washington Post』などが報じている。
米アラバマ州在住のケルシー・ハッチャーさん(Kelsey Hatcher、32)は、2つの子宮と2つの子宮頸部を持っている。アラバマ大学バーミンガム校付属病院(以下、UAB病院)でハイリスク妊娠を専門とする母体胎児医学専門医で、ケルシーさんの担当医であるリチャード・デイビス氏(Richard Davis)によれば、二重子宮頸部や二重子宮は、女性1000人に対して3人ほど存在するという。そして、別々の子宮に胎児が宿るケースは「本当にクレイジーなこと」だそうだ。
ケルシーさんと夫ケイレブさん(Caleb)の間には、7歳、4歳、2歳の3人の子供がおり、夫婦は共働きで毎日が慌ただしい生活を送っている。子どもは「3人目で最後」と考えていたケルシーさんだが、今年5月にUAB病院で超音波検査を受けて今回の妊娠を知った。お腹の子は妊娠8週だった。
2つの子宮にそれぞれ妊娠していることに、看護師は産科医を呼び、ケルシーさんの子宮のそれぞれに胎児がいると確信するまで何度も画像を見直したそうだ。そして、事実を伝えられたケイレブさんは「ウソでしょう!」と驚くしかなかったそうだ。
ケルシーさんが自身の身体に子宮頸部と子宮がそれぞれ2つあることを知ったのは、ティーンエイジャーだった2008年11月のことだ。医師たちからは、二重子宮頸部や二重子宮のために流産や早産のリスクが高まると警告されたが、ケルシーさんは深く考えず、当分妊娠することはないだろうと思っていた。
そして2016年、ケルシーさんは女の子を妊娠し、合併症もなく予定日近くに出産した。また第2子、第3子も問題なく生まれたそうだ。
今年の夏、妊娠16週頃になると、ケルシーさんは両方の胎児に同時にお腹を蹴られているのを感じるようになったが、それ以外は過去の妊娠と同じだと思っていた。
しかし妊娠28週頃になると、それぞれの子宮が収縮するタイミングが異なる可能性があり、赤ちゃんが数時間、数日、あるいは数週間の間隔を置いて生まれる場合があるというリスクについて考えるようになった。もし片方の赤ちゃんが先に生まれた場合、もう1人のお腹の子は帝王切開で出産する可能性が高いという。
ケルシーさんの担当医らによると、胎児らはほぼ同じペースで成長しているが、今回の妊娠は医師たちにとって未経験のケースであり、ガイダンスもほとんどないため、双子の妊娠を扱う時と同じように対応しているそうだ。
珍しい妊娠のケースとして注目を集めているケルシーさんだが、「私はあまり注目されるのが好きではないし、人に自分のことを話したくないタイプです。今回のように注目を集めることは大変だと感じています」と本音を明かしているものの、「あまりくよくよ考えすぎると、圧倒されて怖くなることもあります。ですので、ポジティブなことに集中するようにしています」と付け加え、前向きに出産を迎えようと努めている。
ケルシーさんにとって今回の妊娠は予想外の出来事であったが、「命を授かったことに感謝しているのは確かです。でも、これが間違いなく最後になるでしょう」と語った。
なお、ケルシーさんの出産予定日は今年のクリスマスであり、今回のニュースを見た人からは、「彼女は珍しいケースかもしれませんが、出産予定日はクリスマスということで間違いなく祝福されるでしょう。おめでとうございます! 健康で幸せな生活が送れますように」といったコメントがあがっている。
画像は『WVTM 13 2023年11月10日付「Dora mom with double uterus pregnant in both」』『Metro 2023年8月9日付「Woman born with two vaginas and two wombs gives birth to ‘miracle baby’」(Picture: Caters)、2022年3月8日付「Mum gives birth to two babies in one year – from separate uteruses」(Picture: Caroline Wortman/SWNS)』『People.com 2021年12月27日付「Woman with Double Uterus Gives Birth at 22 Weeks: Baby ‘Is a True Miracle’」(CREDIT: MEGAN PHIPPS)』『London Evening Standard 2019年3月28日付「Woman gives birth to twins one month after having premature baby boy」(Shutterstock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)
米アラバマ州在住のケルシー・ハッチャーさん(Kelsey Hatcher、32)は、2つの子宮と2つの子宮頸部を持っている。アラバマ大学バーミンガム校付属病院(以下、UAB病院)でハイリスク妊娠を専門とする母体胎児医学専門医で、ケルシーさんの担当医であるリチャード・デイビス氏(Richard Davis)によれば、二重子宮頸部や二重子宮は、女性1000人に対して3人ほど存在するという。そして、別々の子宮に胎児が宿るケースは「本当にクレイジーなこと」だそうだ。
ケルシーさんと夫ケイレブさん(Caleb)の間には、7歳、4歳、2歳の3人の子供がおり、夫婦は共働きで毎日が慌ただしい生活を送っている。子どもは「3人目で最後」と考えていたケルシーさんだが、今年5月にUAB病院で超音波検査を受けて今回の妊娠を知った。お腹の子は妊娠8週だった。
2つの子宮にそれぞれ妊娠していることに、看護師は産科医を呼び、ケルシーさんの子宮のそれぞれに胎児がいると確信するまで何度も画像を見直したそうだ。そして、事実を伝えられたケイレブさんは「ウソでしょう!」と驚くしかなかったそうだ。
ケルシーさんが自身の身体に子宮頸部と子宮がそれぞれ2つあることを知ったのは、ティーンエイジャーだった2008年11月のことだ。医師たちからは、二重子宮頸部や二重子宮のために流産や早産のリスクが高まると警告されたが、ケルシーさんは深く考えず、当分妊娠することはないだろうと思っていた。
そして2016年、ケルシーさんは女の子を妊娠し、合併症もなく予定日近くに出産した。また第2子、第3子も問題なく生まれたそうだ。
今年の夏、妊娠16週頃になると、ケルシーさんは両方の胎児に同時にお腹を蹴られているのを感じるようになったが、それ以外は過去の妊娠と同じだと思っていた。
しかし妊娠28週頃になると、それぞれの子宮が収縮するタイミングが異なる可能性があり、赤ちゃんが数時間、数日、あるいは数週間の間隔を置いて生まれる場合があるというリスクについて考えるようになった。もし片方の赤ちゃんが先に生まれた場合、もう1人のお腹の子は帝王切開で出産する可能性が高いという。
ケルシーさんの担当医らによると、胎児らはほぼ同じペースで成長しているが、今回の妊娠は医師たちにとって未経験のケースであり、ガイダンスもほとんどないため、双子の妊娠を扱う時と同じように対応しているそうだ。
珍しい妊娠のケースとして注目を集めているケルシーさんだが、「私はあまり注目されるのが好きではないし、人に自分のことを話したくないタイプです。今回のように注目を集めることは大変だと感じています」と本音を明かしているものの、「あまりくよくよ考えすぎると、圧倒されて怖くなることもあります。ですので、ポジティブなことに集中するようにしています」と付け加え、前向きに出産を迎えようと努めている。
ケルシーさんにとって今回の妊娠は予想外の出来事であったが、「命を授かったことに感謝しているのは確かです。でも、これが間違いなく最後になるでしょう」と語った。
なお、ケルシーさんの出産予定日は今年のクリスマスであり、今回のニュースを見た人からは、「彼女は珍しいケースかもしれませんが、出産予定日はクリスマスということで間違いなく祝福されるでしょう。おめでとうございます! 健康で幸せな生活が送れますように」といったコメントがあがっている。
画像は『WVTM 13 2023年11月10日付「Dora mom with double uterus pregnant in both」』『Metro 2023年8月9日付「Woman born with two vaginas and two wombs gives birth to ‘miracle baby’」(Picture: Caters)、2022年3月8日付「Mum gives birth to two babies in one year – from separate uteruses」(Picture: Caroline Wortman/SWNS)』『People.com 2021年12月27日付「Woman with Double Uterus Gives Birth at 22 Weeks: Baby ‘Is a True Miracle’」(CREDIT: MEGAN PHIPPS)』『London Evening Standard 2019年3月28日付「Woman gives birth to twins one month after having premature baby boy」(Shutterstock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)