世界各地で異常気象が発生しており、人々の生活に大きな影響を及ぼしているが、オーストラリア北部のある地域では記録的な雨が続いたことが原因でネズミが異常発生し、街中に被害をもたらしている。その異常発生したネズミが大量死している様子を捉えた投稿がSNSで拡散し、「全ての野良猫を駆り出そう」といったコメントもあがっている。オーストラリアの公共放送局『ABC(Australian Broadcasting Corporation)』などが報じた。
オーストラリア北東部に位置するクイーンズランド州の海岸沿いの町カルンバは、普段は絵画のように美しい。地元住民によると、この町でネズミが異常発生したのは数週間前のことで、その後急増しているという。
SNSで拡散し、メディアが紹介した画像や動画には、何千匹ものネズミが死んでいるか瀕死の状態で、砂浜やボート乗り場の端、海辺の歩道に山積みになった様子が捉えられている。その他にも、トラヴィス・クレールさん(Travis Clair)が夜間に撮影した動画には、何百匹ものネズミが海水に浮かび、潮の満ち引きによってネズミが不気味に浮き沈みする様子が映っていた。
大量のネズミの死骸は世紀末のような光景を連想させるが、ネズミの異常発生は町の景観のみならず、地域の商業漁業者にも打撃を与えている。漁師のブレット・ファロンさん(Brett Fallon)によると、夜間に川がネズミの死骸で埋め尽くされていたのを目撃し、ブレットさんのボートには、少なくとも一晩のうちに100匹のネズミがはびこっていたという。ブレットさんは、「何百万ドルもの価値がある船舶の設備や電気系統が危険にさらされている」と懸念を明かす。
釣り漁船のオーナーであるジェマ・プロバートさん(Jemma Probert)は、浜辺に打ち上げられている大量のネズミについて、「干潮時に砂浜まで泳いできて、海水の水位が上がってくると溺れてしまい、死骸が浜辺に打ち上げられる」と考えている。
ジェマさんによると、ネズミは当初、浜辺に数匹いただけであったが、今では町中いたる所でネズミを目撃しており、ジェマさんの自宅庭にも8匹ほど出没して、その際には犬が退治したという。「水路沿いの悪臭は強烈です」とジェマさんは語っており、最近は漁船に乗り込もうとするネズミを撃退しなければならない状況下に置かれている。
ネズミの異常発生は、カルンバだけにとどまらない。クイーンズランド州ではウィントン、リッチモンド、ジュリア・クリーク、クロンカリーなど内陸部の町や、グレートバリアリーフ沿いのインガムにおいてもネズミが異常発生している。リッチモンドに住むルーク・ウォートンさん(Luke Wharton)は、「ネズミはどこにでもいます。10年ほど前にもネズミの異常発生がありましたが、今回はそれを上回るかもしれません」と話している。
またウィントンでは、この異常発生によってトビ類の鳥が増加しており、植物に隠れているネズミを食べるために空港の滑走路に集まってきているという。そのため飛行機が鳥にぶつかることなく離着陸できるよう、鳥害駆除の担当者らはショットガンを手にして滑走路を走り回り、業務にあたっている。
クイーンズランド大学のルーク・レオン生態学准教授(Luke Leung)によると、ネズミが異常発生した理由は記録的な雨季によるもので、巣を作るための草木や食料が豊富だった今年は、ネズミにとって理想的な繁殖条件が揃っていたようだ。
環境科学の専門家であるシドニー大学のピーター・バンクス氏(Peter Banks)は、「通常、異常発生は食料源が乏しくなると下火になるが、北部は雨季に入りつつあり、ネズミが食料を見つけるのはかなり容易になるだろう」と説明しており、「ここで何が起こるのか、本当に分かりません」と述べている。
シドニー大学のマシュー・クラウザー生態学教授(Mathew Crowther)は、ネズミの数を減少させるには「自然の成り行きに任せるしかありません」と話しており、ネズミの数がさらに増えて食料が少なくなるのを待つしかないという。
今回のニュースを見た人々からは、「大災害の前兆かも。丘に逃げましょう!」、「かわいそうなネズミたち。彼らは自分の人生を生きたいだけなのに」、「今夜は間違いなく悪夢にうなされるだろう。怖いし気持ち悪い」といったコメントがあがっている。
画像は『ABC(Australian Broadcasting Corporation) 2023年11月23日付「Rat plague spreads to Queensland’s Gulf as residents battle rodents at Karumba」(Supplied: Facebook)』『Chicago Cat Shelter & Cat Cafe 2020年9月26日付Instagram「From our TNR work with neighbors to our working cat placements in local businesses to our transfer partnerships with shelters in our backyard and beyond, our work is rooted in community.」』『NEWTOWN AFFIRMATIONS 2022年3月20日付Instagram「underground rat rave at the newtown chemist warehouse last night」』『Fox News 2019年10月18日付「Woman found living with more than 300 pet rats in her van in upscale San Diego community」(San Diego Humane Society)』『Carolyn Crossley 2021年6月14日付Facebook「Couldn’t resist sharing this gossamer web billowing in the breeze.」』『sheff sar 2021年4月27日付TikTok「#wildlife #birds #australia #sunset #dream #attackontitan」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)
オーストラリア北東部に位置するクイーンズランド州の海岸沿いの町カルンバは、普段は絵画のように美しい。地元住民によると、この町でネズミが異常発生したのは数週間前のことで、その後急増しているという。
SNSで拡散し、メディアが紹介した画像や動画には、何千匹ものネズミが死んでいるか瀕死の状態で、砂浜やボート乗り場の端、海辺の歩道に山積みになった様子が捉えられている。その他にも、トラヴィス・クレールさん(Travis Clair)が夜間に撮影した動画には、何百匹ものネズミが海水に浮かび、潮の満ち引きによってネズミが不気味に浮き沈みする様子が映っていた。
大量のネズミの死骸は世紀末のような光景を連想させるが、ネズミの異常発生は町の景観のみならず、地域の商業漁業者にも打撃を与えている。漁師のブレット・ファロンさん(Brett Fallon)によると、夜間に川がネズミの死骸で埋め尽くされていたのを目撃し、ブレットさんのボートには、少なくとも一晩のうちに100匹のネズミがはびこっていたという。ブレットさんは、「何百万ドルもの価値がある船舶の設備や電気系統が危険にさらされている」と懸念を明かす。
釣り漁船のオーナーであるジェマ・プロバートさん(Jemma Probert)は、浜辺に打ち上げられている大量のネズミについて、「干潮時に砂浜まで泳いできて、海水の水位が上がってくると溺れてしまい、死骸が浜辺に打ち上げられる」と考えている。
ジェマさんによると、ネズミは当初、浜辺に数匹いただけであったが、今では町中いたる所でネズミを目撃しており、ジェマさんの自宅庭にも8匹ほど出没して、その際には犬が退治したという。「水路沿いの悪臭は強烈です」とジェマさんは語っており、最近は漁船に乗り込もうとするネズミを撃退しなければならない状況下に置かれている。
ネズミの異常発生は、カルンバだけにとどまらない。クイーンズランド州ではウィントン、リッチモンド、ジュリア・クリーク、クロンカリーなど内陸部の町や、グレートバリアリーフ沿いのインガムにおいてもネズミが異常発生している。リッチモンドに住むルーク・ウォートンさん(Luke Wharton)は、「ネズミはどこにでもいます。10年ほど前にもネズミの異常発生がありましたが、今回はそれを上回るかもしれません」と話している。
またウィントンでは、この異常発生によってトビ類の鳥が増加しており、植物に隠れているネズミを食べるために空港の滑走路に集まってきているという。そのため飛行機が鳥にぶつかることなく離着陸できるよう、鳥害駆除の担当者らはショットガンを手にして滑走路を走り回り、業務にあたっている。
クイーンズランド大学のルーク・レオン生態学准教授(Luke Leung)によると、ネズミが異常発生した理由は記録的な雨季によるもので、巣を作るための草木や食料が豊富だった今年は、ネズミにとって理想的な繁殖条件が揃っていたようだ。
環境科学の専門家であるシドニー大学のピーター・バンクス氏(Peter Banks)は、「通常、異常発生は食料源が乏しくなると下火になるが、北部は雨季に入りつつあり、ネズミが食料を見つけるのはかなり容易になるだろう」と説明しており、「ここで何が起こるのか、本当に分かりません」と述べている。
シドニー大学のマシュー・クラウザー生態学教授(Mathew Crowther)は、ネズミの数を減少させるには「自然の成り行きに任せるしかありません」と話しており、ネズミの数がさらに増えて食料が少なくなるのを待つしかないという。
今回のニュースを見た人々からは、「大災害の前兆かも。丘に逃げましょう!」、「かわいそうなネズミたち。彼らは自分の人生を生きたいだけなのに」、「今夜は間違いなく悪夢にうなされるだろう。怖いし気持ち悪い」といったコメントがあがっている。
画像は『ABC(Australian Broadcasting Corporation) 2023年11月23日付「Rat plague spreads to Queensland’s Gulf as residents battle rodents at Karumba」(Supplied: Facebook)』『Chicago Cat Shelter & Cat Cafe 2020年9月26日付Instagram「From our TNR work with neighbors to our working cat placements in local businesses to our transfer partnerships with shelters in our backyard and beyond, our work is rooted in community.」』『NEWTOWN AFFIRMATIONS 2022年3月20日付Instagram「underground rat rave at the newtown chemist warehouse last night」』『Fox News 2019年10月18日付「Woman found living with more than 300 pet rats in her van in upscale San Diego community」(San Diego Humane Society)』『Carolyn Crossley 2021年6月14日付Facebook「Couldn’t resist sharing this gossamer web billowing in the breeze.」』『sheff sar 2021年4月27日付TikTok「#wildlife #birds #australia #sunset #dream #attackontitan」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)