チャールズ国王がギリシャ国旗柄のネクタイを着用し、「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議（COP28）」の壇上で演説を行った。この数日前には、リシ・スナク英首相がパルテノン神殿の彫刻をめぐる外交問題を理由に、ギリシャ首相との会談を急遽キャンセルするという事態が起こっていた。このネクタイについて、バッキンガム宮殿は「適当に選んだもの」と述べたが、ギリシャの現地メディアは「我が国を支援するジェスチャーとして解釈される」と伝えている。
チャールズ国王は「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議（COP28）」に出席するため、現地時間11月30日に今年のサミット開催地であるアラブ首長国連邦（UAE）のドバイに到着した。
翌12月1日には開会式が行われ、壇上でチャールズ国王が演説した。
この日、国王はグレーのピンストライプのスーツを着用し、ブルーのネクタイを締めていた。しかしそのネクタイには、あるメッセージが込められているという憶測が広まった。
国王が着けていたネクタイは、青と白の十字と縞模様によるギリシャ国旗がいくつも施されたものだった。縞模様は波打つようなラインを描いており、国旗とは少し異なるデザインだ。
チャールズ国王の父エディンバラ公フィリップ王配は、ギリシャ王国のコルフ島で同国のアンドレアス王子とアリキ妃の第5子として誕生した。ギリシャ人の父を持つことから同国に敬意を表して、このようなネクタイを着用したと考えることもできる。
しかし一方で、ネクタイには「政治的な意味が込められているのでは」との説も浮上している。
ギリシャ共和国のキリアコス・ミツォタキス首相は英時間11月27日、英BBC放送のインタビューに応じた際、大英博物館に所蔵されているギリシャ・パルテノン神殿の彫刻群「エルギン・マーブル」について「本質的に盗まれたものだ」と述べていた。
そして彫刻の一部をロンドンに置き、残りをアテネに置くことは「モナリザを半分に切るようなもの」として、彫刻を返還すべきだと主張した。さらにギリシャ政府が合意に向けた活動を続けることや、英国とのパートナーシップを推し進めると伝えた。
この発言を受け、リシ・スナク英首相は翌28日に予定していたミツォタキス首相との会談を急遽キャンセルした。英首相の広報担当者はその理由について、ギリシャが返還を望んでいる彫刻をめぐる問題により、会談が「支配的」になる可能性が高いと感じたからだと述べた。
国王は政治的な役割を担っていないものの、個人的な意見を表現する手段として、このようなネクタイを選んだとも考えられる。
英メディア『BBC』によると、この件に関してバッキンガム宮殿は「ネクタイは適当に選ばれたものです」と述べたという。
ある王室関係者によると、このネクタイは国王の最近のコレクションのひとつだそうで、11月下旬に英国を公式訪問した韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領夫妻をホース・ガーズ・パレードで歓迎した際にも、このネクタイを着けていたと話している。
ギリシャのメディア『Greek City Times』は今回の件について、このような見解を記している。
「リシ・スナク氏によるキリアコス・ミツォタキス氏への不当な扱いにより、英国とギリシャで起こった騒動からわずか数日後、チャールズ3世は、おそらくどんな声明よりもはるかに強く明白なメッセージを選択することで、その態度を明らかにしたとみえる。」
「それはパルテノン神殿の彫刻をめぐる論争や、ギリシャ首相のロンドン訪問中に予定されていた会談を英首相がキャンセルするという不作法な行動の背景に対し、我が国を支援するジェスチャーとして解釈されるだろう。」
ちなみにギリシャの現地メディアによると、国王が着用したネクタイは、アテネにある高級ネクタイ専門店「Pagoni Maison des Cravates」のものだという。
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画像は『The Royal Family 2023年12月1日付Instagram「Change will come by working together and making it easier to embrace decisions that will sustain our world,」』『Rishi Sunak 2023年12月1日付Instagram「The UK has reduced emissions faster than any other G7 country.」』『Kyriakos Mitsotakis 2023年6月20日付Instagram「Στιγμές από την περιοδεία μας σε Πάτρα, Αμφιλοχία, Φιλιππιάδα και Ιωάννινα!」』『The Royal Family 2023年11月21日付Instagram「The President and First Lady of the Republic of Korea have been welcomed to the United Kingdom by The King and Queen,」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 寺前郁美）
チャールズ国王は「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議（COP28）」に出席するため、現地時間11月30日に今年のサミット開催地であるアラブ首長国連邦（UAE）のドバイに到着した。
翌12月1日には開会式が行われ、壇上でチャールズ国王が演説した。
この日、国王はグレーのピンストライプのスーツを着用し、ブルーのネクタイを締めていた。しかしそのネクタイには、あるメッセージが込められているという憶測が広まった。
国王が着けていたネクタイは、青と白の十字と縞模様によるギリシャ国旗がいくつも施されたものだった。縞模様は波打つようなラインを描いており、国旗とは少し異なるデザインだ。
チャールズ国王の父エディンバラ公フィリップ王配は、ギリシャ王国のコルフ島で同国のアンドレアス王子とアリキ妃の第5子として誕生した。ギリシャ人の父を持つことから同国に敬意を表して、このようなネクタイを着用したと考えることもできる。
しかし一方で、ネクタイには「政治的な意味が込められているのでは」との説も浮上している。
ギリシャ共和国のキリアコス・ミツォタキス首相は英時間11月27日、英BBC放送のインタビューに応じた際、大英博物館に所蔵されているギリシャ・パルテノン神殿の彫刻群「エルギン・マーブル」について「本質的に盗まれたものだ」と述べていた。
そして彫刻の一部をロンドンに置き、残りをアテネに置くことは「モナリザを半分に切るようなもの」として、彫刻を返還すべきだと主張した。さらにギリシャ政府が合意に向けた活動を続けることや、英国とのパートナーシップを推し進めると伝えた。
この発言を受け、リシ・スナク英首相は翌28日に予定していたミツォタキス首相との会談を急遽キャンセルした。英首相の広報担当者はその理由について、ギリシャが返還を望んでいる彫刻をめぐる問題により、会談が「支配的」になる可能性が高いと感じたからだと述べた。
国王は政治的な役割を担っていないものの、個人的な意見を表現する手段として、このようなネクタイを選んだとも考えられる。
英メディア『BBC』によると、この件に関してバッキンガム宮殿は「ネクタイは適当に選ばれたものです」と述べたという。
ある王室関係者によると、このネクタイは国王の最近のコレクションのひとつだそうで、11月下旬に英国を公式訪問した韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領夫妻をホース・ガーズ・パレードで歓迎した際にも、このネクタイを着けていたと話している。
ギリシャのメディア『Greek City Times』は今回の件について、このような見解を記している。
「リシ・スナク氏によるキリアコス・ミツォタキス氏への不当な扱いにより、英国とギリシャで起こった騒動からわずか数日後、チャールズ3世は、おそらくどんな声明よりもはるかに強く明白なメッセージを選択することで、その態度を明らかにしたとみえる。」
「それはパルテノン神殿の彫刻をめぐる論争や、ギリシャ首相のロンドン訪問中に予定されていた会談を英首相がキャンセルするという不作法な行動の背景に対し、我が国を支援するジェスチャーとして解釈されるだろう。」
ちなみにギリシャの現地メディアによると、国王が着用したネクタイは、アテネにある高級ネクタイ専門店「Pagoni Maison des Cravates」のものだという。
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画像は『The Royal Family 2023年12月1日付Instagram「Change will come by working together and making it easier to embrace decisions that will sustain our world,」』『Rishi Sunak 2023年12月1日付Instagram「The UK has reduced emissions faster than any other G7 country.」』『Kyriakos Mitsotakis 2023年6月20日付Instagram「Στιγμές από την περιοδεία μας σε Πάτρα, Αμφιλοχία, Φιλιππιάδα και Ιωάννινα!」』『The Royal Family 2023年11月21日付Instagram「The President and First Lady of the Republic of Korea have been welcomed to the United Kingdom by The King and Queen,」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 寺前郁美）