タイの首都バンコクにあるクリニックで昨年12月10日、モデルの女性Aさんが“パオヤー(Phao Ya)”と呼ばれるハーブを燃やす代替療法を受けたところ、胸や背中などに重度の火傷を負った。Aさんは現在も傷が癒えずに苦しんでおり、今月になって医師やクリニックを相手に訴訟を起こした。当時の衝撃的な動画とともに米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
タイの伝統的な“パオヤー(Phao Ya)”は、お腹の上にハーブを載せ、火をつけて燃やすことでハーブのエキスを肌に浸透させるという代替療法だ。火を燃やすことからバーニングマッサージなどとも言われ、消化器系の病気や月経痛、不眠症などに効果があるとされている。
そんなパオヤーの施術を昨年12月にバンコクで受けたAさんが今月初め、医師やクリニックを相手に訴訟を起こした。Aさんはハーブの火が身体に引火して重度の火傷を負い、現在も病院通いを続けている。
このたび公開された事故の動画では、Aさんのお腹の上にタオルに包まれたハーブが載っており、医師がハーブにアルコールをかけているのが見て取れる。その液体の量はかなりのもので、Aさんの枕元には一緒にクリニックを訪れていたボーイフレンドが治療の様子を見守っていた。
そして準備が整うと、医師は着火ライターを取り出してハーブに火をつけた。だがこの直後、Aさんの腹部に載せていたタオルや服に引火し、医師は手に持っていたタオルで火を押さえて鎮火を試みた。しかしAさんはあっという間に火に包まれ、悲鳴を上げながらベッドから転げ落ち、医師は部屋の隅に逃げてしまったという。
床の上で苦しむAさんの火を消し止めたのは、そばにいた彼とアシスタントスタッフで、タオルや枕を使っていた。カメラは受付係の女性が部屋に設置された洗面台の蛇口から水を出し、両手ですくって水をかける姿も映し出していたが、部屋には消火器の設置がなかったそうだ。
Aさんはこの事故で、背中の大部分や胸の下などに重度の火傷を負い、2か月以上の入院を強いられており、今月4日にタイ保健省に苦情を申し立てると、次のように述べた。
「幸運なことに私は感染症にかからなかった。治療には自身の保険を使っていますが、痛みが酷く、これまでに30万バーツ(約125万円)以上の治療費がかかっています。でもクリニックからの援助はなく、事故の傷は完全には癒えていないうえ、仕事にも影響が出ているのです。」
タイ保健省はこの申し立てに対し、「この治療による苦情の申し立ては初めてである」と述べつつも、調査を進めることを約束している。またAさんはこの件で、「クリニックと医師は怪我の責任を取ることを拒否した」と損害賠償を求める訴訟も起こしており、弁護士には、セレブ御用達でガン・ジョンパラン(Gun Jompalang)の名で知られるガンタッチ・ポンパイブーンウェット氏(Guntouch Pongpaiboonwet)を立てている。
ちなみに過去には、アメリカの55歳の女性が「ネイルサロンでスタッフに足を切りつけられたことが原因で、片足の切断を迫られた」と訴えを起こし、2021年に175万ドル(現在のレートで2億5700万円)で和解していた。女性は傷口から感染症を発症し、足が壊死を起こしたという。
画像は『New York Post 2023年12月5日付「Model ends up engulfed in flames after trying treatment to cure stomach issues in Thailand」(ViralPress)』『New York Times 2021年12月28日付「Nail salon pays $1.75M to client who lost leg after botched pedicure」(Shutterstock)』『Mirror 2021年7月3日付「Tan-shamed mum leaves doctor’s office in tears after devastating warning」(Image: BBC/Tanorama)』『The Sun 2023年11月11日付「HAIR HORROR I was left looking like a CHESSBOARD after botched laser treatment」(Credit: SWNS)、2021年5月14日付「FIGHT FOR LIFE I woke up to find my leg amputated after hot tub party left me battling deadly meningitis」(Credit: Caters)、2018年9月13日付「HOLIDAY FROM HELL Woman’s horror after visit to Thai fish spa left her foot with flesh-rotting infection that required her toes to be amputated」(IMAGE: VICTORIA CURTHOYS / MDWFEATURES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
タイの伝統的な“パオヤー(Phao Ya)”は、お腹の上にハーブを載せ、火をつけて燃やすことでハーブのエキスを肌に浸透させるという代替療法だ。火を燃やすことからバーニングマッサージなどとも言われ、消化器系の病気や月経痛、不眠症などに効果があるとされている。
そんなパオヤーの施術を昨年12月にバンコクで受けたAさんが今月初め、医師やクリニックを相手に訴訟を起こした。Aさんはハーブの火が身体に引火して重度の火傷を負い、現在も病院通いを続けている。
このたび公開された事故の動画では、Aさんのお腹の上にタオルに包まれたハーブが載っており、医師がハーブにアルコールをかけているのが見て取れる。その液体の量はかなりのもので、Aさんの枕元には一緒にクリニックを訪れていたボーイフレンドが治療の様子を見守っていた。
そして準備が整うと、医師は着火ライターを取り出してハーブに火をつけた。だがこの直後、Aさんの腹部に載せていたタオルや服に引火し、医師は手に持っていたタオルで火を押さえて鎮火を試みた。しかしAさんはあっという間に火に包まれ、悲鳴を上げながらベッドから転げ落ち、医師は部屋の隅に逃げてしまったという。
床の上で苦しむAさんの火を消し止めたのは、そばにいた彼とアシスタントスタッフで、タオルや枕を使っていた。カメラは受付係の女性が部屋に設置された洗面台の蛇口から水を出し、両手ですくって水をかける姿も映し出していたが、部屋には消火器の設置がなかったそうだ。
Aさんはこの事故で、背中の大部分や胸の下などに重度の火傷を負い、2か月以上の入院を強いられており、今月4日にタイ保健省に苦情を申し立てると、次のように述べた。
「幸運なことに私は感染症にかからなかった。治療には自身の保険を使っていますが、痛みが酷く、これまでに30万バーツ(約125万円)以上の治療費がかかっています。でもクリニックからの援助はなく、事故の傷は完全には癒えていないうえ、仕事にも影響が出ているのです。」
タイ保健省はこの申し立てに対し、「この治療による苦情の申し立ては初めてである」と述べつつも、調査を進めることを約束している。またAさんはこの件で、「クリニックと医師は怪我の責任を取ることを拒否した」と損害賠償を求める訴訟も起こしており、弁護士には、セレブ御用達でガン・ジョンパラン(Gun Jompalang)の名で知られるガンタッチ・ポンパイブーンウェット氏(Guntouch Pongpaiboonwet)を立てている。
ちなみに過去には、アメリカの55歳の女性が「ネイルサロンでスタッフに足を切りつけられたことが原因で、片足の切断を迫られた」と訴えを起こし、2021年に175万ドル(現在のレートで2億5700万円)で和解していた。女性は傷口から感染症を発症し、足が壊死を起こしたという。
画像は『New York Post 2023年12月5日付「Model ends up engulfed in flames after trying treatment to cure stomach issues in Thailand」(ViralPress)』『New York Times 2021年12月28日付「Nail salon pays $1.75M to client who lost leg after botched pedicure」(Shutterstock)』『Mirror 2021年7月3日付「Tan-shamed mum leaves doctor’s office in tears after devastating warning」(Image: BBC/Tanorama)』『The Sun 2023年11月11日付「HAIR HORROR I was left looking like a CHESSBOARD after botched laser treatment」(Credit: SWNS)、2021年5月14日付「FIGHT FOR LIFE I woke up to find my leg amputated after hot tub party left me battling deadly meningitis」(Credit: Caters)、2018年9月13日付「HOLIDAY FROM HELL Woman’s horror after visit to Thai fish spa left her foot with flesh-rotting infection that required her toes to be amputated」(IMAGE: VICTORIA CURTHOYS / MDWFEATURES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)