米テネシー州で今月9日、風速が最大で時速241キロ(150マイル)の竜巻が発生し、トレーラーハウス(モービルホーム)にいた生後4か月の男の赤ちゃんが宙に巻き上げられた。母親は当時、「もうダメだろう」と思ったそうだが、赤ちゃんは奇跡的に無事だった。米ニュースメディア『ABC News』などが伝えた。
テネシー州クラークスビルに住むシドニー・ムーアさん(Sydney Moore、22)は9日午後、フィアンセのアラミス・ヤングブラッドさん(Aramis Youngblood)と一緒に自宅のトレーラーハウスの居間にいる時、飛行機が自分たちのすぐ真上を飛んでいるような大きな音を聞いた。
息子2人はちょうど午後のお昼寝を始めたばかりだったが、シドニーさんはすぐに家の奥にある長男プリンストン君(Princeton、1)の寝室まで走ったという。
「嫌な予感がしてね。息子の上に飛び乗った瞬間、寝室の壁が崩れ落ちてきて、息ができなくなったのです」とシドニーさんは明かす。プリンストン君はその後ずっと、シドニーさんにしがみついていたそうで、2人は竜巻の凄まじい風に煽られた後、なんとか瓦礫の中から脱出した。
一方でアラミスさんは、バシネット(かご型ベッド)の中で寝ていた次男ロード君(Lord、生後4か月)を救おうと、玄関近くに位置する寝室に駆けつけた。ところがあっという間に屋根が崩れ落ち、ロード君はバシネットごと宙を舞い、飛ばされてしまったのだった。
シドニーさんは、当時のことをこのように振り返っている。
「竜巻が通過する際、アラミスは『バシネットから手を放すまい』と踏ん張っていたようですが、最初にバシネットが巻き上げられ、アラミスも渦に巻き込まれ飛ばされてしまったのです。」
幸いなことにアラミスさんは、鎖骨と肩甲骨の間の関節がずれる肩鎖関節脱臼だけで済み、竜巻が去った後は大声を出し、シドニーさんの無事を確認した。そして大雨が降る中、それぞれが別にロード君を捜し始めた。
そして約10分後、自宅から約7.6メートル(25フィート)離れた場所で、アラミスさんがロード君を発見した。倒木の小さな“揺りかご”のような穴にスッポリと収まっていたそうで、顔に切り傷があり、耳から出血していたという。
シドニーさんの姉妹ケイトリンさん(Caitlyn)は、当時の様子について「ロードが見つかった時は、『誰かが木の上に優しく置いてくれたかのようだった』と聞きました。それはまるで、天使がロードをあの場所に安全に案内したかのようだったそうです」と述べ、ロード君が奇跡的に軽傷で済んだことを明かした。
ただシドニーさんは当時、「息子は命を落として、きっと見つからないだろう」と思っていたそうで、引きちぎられてボロボロになった服を着たアラミスさんが大雨の中、ロード君を抱っこして森の中を歩いてくるのを見た時は目を疑ったという。
シドニーさんは「あれはまるで、映画のワンシーンのようでした」と語り、「ロードが今こうして生きていられるのは、神様の恩恵があったからでしょうね」と笑顔を見せていた。
ちなみに、トレーラーハウスにあった風呂の浴槽は約1.6キロ(1マイル)先で見つかったそうで、シドニーさんはこの竜巻でトレーラーハウスを含む全てを失った。そのためケイトリンさんは10日、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」にアカウントを設置し、10万ドル(約1420万円)を目標に寄付を募っている。
なお2021年にはオーストラリアで、竜巻によって遥か上空に飛ばされたポメラニアンが奇跡の生還を果たしていた。
画像は『The Sun 2023年12月15日付「TWISTER TOT Miracle as newborn baby is sucked out of his home by 150mph tornado」(Credit: Go fund me)』『ABC 2021年10月14日付「Dog that survived being sucked into tornado near Lithgow returns home from vet(ABC: Lauren Bohane)』『CGTN America 2023年10月18日付X「A one-year-old Chinese girl miraculously survived」』『Collector & DM, Balangir 2022年12月18日付X「Sh. Sadanand Meher」』『9NEWS 2023年1月27日付「Moment lightning strikes boy in ‘extreme freak accident’ on NSW beach caught on camera」(9News)』『Yahoo News Australia 2023年4月9日付「Girl’s near-death experience after freak pool mishap: ‘A miracle’」(Source: CEN/ Australscope)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
テネシー州クラークスビルに住むシドニー・ムーアさん(Sydney Moore、22)は9日午後、フィアンセのアラミス・ヤングブラッドさん(Aramis Youngblood)と一緒に自宅のトレーラーハウスの居間にいる時、飛行機が自分たちのすぐ真上を飛んでいるような大きな音を聞いた。
息子2人はちょうど午後のお昼寝を始めたばかりだったが、シドニーさんはすぐに家の奥にある長男プリンストン君(Princeton、1)の寝室まで走ったという。
「嫌な予感がしてね。息子の上に飛び乗った瞬間、寝室の壁が崩れ落ちてきて、息ができなくなったのです」とシドニーさんは明かす。プリンストン君はその後ずっと、シドニーさんにしがみついていたそうで、2人は竜巻の凄まじい風に煽られた後、なんとか瓦礫の中から脱出した。
一方でアラミスさんは、バシネット(かご型ベッド)の中で寝ていた次男ロード君(Lord、生後4か月)を救おうと、玄関近くに位置する寝室に駆けつけた。ところがあっという間に屋根が崩れ落ち、ロード君はバシネットごと宙を舞い、飛ばされてしまったのだった。
シドニーさんは、当時のことをこのように振り返っている。
「竜巻が通過する際、アラミスは『バシネットから手を放すまい』と踏ん張っていたようですが、最初にバシネットが巻き上げられ、アラミスも渦に巻き込まれ飛ばされてしまったのです。」
幸いなことにアラミスさんは、鎖骨と肩甲骨の間の関節がずれる肩鎖関節脱臼だけで済み、竜巻が去った後は大声を出し、シドニーさんの無事を確認した。そして大雨が降る中、それぞれが別にロード君を捜し始めた。
そして約10分後、自宅から約7.6メートル(25フィート)離れた場所で、アラミスさんがロード君を発見した。倒木の小さな“揺りかご”のような穴にスッポリと収まっていたそうで、顔に切り傷があり、耳から出血していたという。
シドニーさんの姉妹ケイトリンさん(Caitlyn)は、当時の様子について「ロードが見つかった時は、『誰かが木の上に優しく置いてくれたかのようだった』と聞きました。それはまるで、天使がロードをあの場所に安全に案内したかのようだったそうです」と述べ、ロード君が奇跡的に軽傷で済んだことを明かした。
ただシドニーさんは当時、「息子は命を落として、きっと見つからないだろう」と思っていたそうで、引きちぎられてボロボロになった服を着たアラミスさんが大雨の中、ロード君を抱っこして森の中を歩いてくるのを見た時は目を疑ったという。
シドニーさんは「あれはまるで、映画のワンシーンのようでした」と語り、「ロードが今こうして生きていられるのは、神様の恩恵があったからでしょうね」と笑顔を見せていた。
ちなみに、トレーラーハウスにあった風呂の浴槽は約1.6キロ(1マイル)先で見つかったそうで、シドニーさんはこの竜巻でトレーラーハウスを含む全てを失った。そのためケイトリンさんは10日、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」にアカウントを設置し、10万ドル(約1420万円)を目標に寄付を募っている。
なお2021年にはオーストラリアで、竜巻によって遥か上空に飛ばされたポメラニアンが奇跡の生還を果たしていた。
画像は『The Sun 2023年12月15日付「TWISTER TOT Miracle as newborn baby is sucked out of his home by 150mph tornado」(Credit: Go fund me)』『ABC 2021年10月14日付「Dog that survived being sucked into tornado near Lithgow returns home from vet(ABC: Lauren Bohane)』『CGTN America 2023年10月18日付X「A one-year-old Chinese girl miraculously survived」』『Collector & DM, Balangir 2022年12月18日付X「Sh. Sadanand Meher」』『9NEWS 2023年1月27日付「Moment lightning strikes boy in ‘extreme freak accident’ on NSW beach caught on camera」(9News)』『Yahoo News Australia 2023年4月9日付「Girl’s near-death experience after freak pool mishap: ‘A miracle’」(Source: CEN/ Australscope)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)