中国で2005年、10歳の少年が最年少で大学に合格した。彼は現在28歳になり、社会に功績を残すような仕事に就いているかと思われたが、仕事をするわけでもなくニートのような生活を送っているという。世界の奇妙なニュースを紹介するウェブサイト『Oddity Central』などが伝えている。
2005年6月のこと、中国遼寧省出身の当時10歳だったジャン・シンヤンさん(张炘炀)が全国統一の大学入試を受験したところ、志望大学の天津工程師範学院(現在の天津職業技術師範大学)に見事合格し、一躍その名を知られることとなった。中国のポータルサイト『捜狐』によると、ジャンさんはIQ140以上で、大学入学後は13歳で修士課程を学び、16歳で博士号の取得を目指したという。
そんなジャンさんは、2歳半の時に1000字以上の漢字をわずか3か月で覚え、4歳から小学校に通っていたそうだ。彼はあまり裕福ではない家庭で育ったものの、父親の徹底した教育により、小学校では飛び級して6歳で小学校5年生に進級し、9歳を迎えた時はすでに高校3年生だった。
そして10歳で大学生になったジャンさんは「神童」と呼ばれるようになり、ジャンさんの両親のところには多くの人が子供の教育についてアドバイスを求めるようになった。しかし、ジャンさんが博士号を取得するために北京航空航天大学に入学した後、彼に対する世間の風当たりが強くなった。
それは、ジャンさんが両親に「北京市内に家を買ってくれないと勉学をやめる」と発言したことが原因だった。当時、ジャンさんは河北省廊坊市の自宅から50キロ以上の距離を歩いて大学に通っていたため、親元から離れて大学のある北京に住みたかったようだ。彼は当時、地元メディアのインタビューでこのように話している。
「両親は、僕が北京の大学に残って勉強を続けることを望んでいます。もしここに自分の家がなければ、僕はホームレスも同然です。両親は僕が博士号を取得することを望んでいるなら、なぜホームレスにならないように家を買ってくれないのでしょうか。両親は責任をもって、僕に十分な生活環境を与えるべきだ。」
ジャンさんの両親は息子を大学に通わせるため必死に働いていたが、北京に住宅を購入することは高額すぎて不可能だった。そのため両親は、賃貸で借りたアパートを「購入した」とジャンさんに偽って住まわせるしかなかった。このジャンさんの発言は世間のひんしゅくを買ったが、本人は両親についてこう主張していた。
「両親は僕を生んで、自分たちの夢を僕に押しつけたんだ。自分たちが叶えられなかったことを僕に達成してもらおうと望んでいる。両親は僕の人生の計画を立て、まるでその人生は僕が望んでいたものだと言い聞かせようとしたんだ。」
中国のニュースメディア『網易』によると、ジャンさんの父親はかつて中国人民大学に入学したものの、授業料が払えずに中退してしまった過去があるそうだ。そのためジャンさんに、幼い頃から新聞を読ませるなどの教育をしてきたという。一方でジャンさんは「大きな精神的プレッシャーから自ら命を断つことも考えた」と吐露している。
ジャンさんは博士号を取得したが、中学校で数学の教師をした後、寧夏回族自治区の寧夏師範学院で非常勤講師として働いていた。しかし彼は、社会で働くことの難しさから2021年8月に退職してしまった。現在は上海の家賃2200元(約4万5000円)のアパートに住んでおり、職に就くこともなく、友人たちと共同であるプロジェクトに取り組んでいるという。
そんなジャンさんの貯金は数千元(数万円)しか残っていないが、両親が2、3か月おきに1万元(約20万4000円)ほど仕送りしてくれるため、経済的な心配はしていないようで、ジャンさんはこう明かしている。
「今の暮らしは、前よりも全然いいよ。就職しても結局、経済的な自由は得られないし、それに今は少なくとも他人の顔色をうかがわなくて済むから。ただ、食べられて生きているだけで一生幸せなのに、やみくもに起業して努力することになったら簡単に自分を見失ってしまうことになる。」
神童と呼ばれたジャンさんの今の姿に、ネットユーザーからは「彼の両親の教育方針が良かったのか、悪かったのか、私たちが評価するのは難しい」といった声があがった。
ちなみに中国のニュースメディア『網易』が、昨年9月にジャンさんについて紹介した記事にはこのように綴られていた。
「子供たちの人格や品性、心身の全ての面でバランスよく成長できるように配慮すること。これが、おそらく最良の教育と言えるのではないだろうか。」
画像は『捜狐 2023年9月26日付「16岁读博的神童张炘炀,如今28岁还需要父母接济,家长们该警醒了」』『Mirror 2020年12月11日付「‘Curse’ of UK’s biggest ever lottery winners from divorce to death and destitution」(Image: PA)』『Hasbulla Magomedov 2022年7月14日付Instagram「А ну дайте жару по сердцам」』『TVBS新聞網 2018年12月24日付「17歲高中生賣腎買iPhone 7年後下場不勝唏噓」(圖/翻攝自 鳳凰網)』『PEOPLE.com 2018年5月22日付「Parents Successfully Sue to Get Their 30-Year-Old Son to Move Out」(CNY Central News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
2005年6月のこと、中国遼寧省出身の当時10歳だったジャン・シンヤンさん(张炘炀)が全国統一の大学入試を受験したところ、志望大学の天津工程師範学院(現在の天津職業技術師範大学)に見事合格し、一躍その名を知られることとなった。中国のポータルサイト『捜狐』によると、ジャンさんはIQ140以上で、大学入学後は13歳で修士課程を学び、16歳で博士号の取得を目指したという。
そんなジャンさんは、2歳半の時に1000字以上の漢字をわずか3か月で覚え、4歳から小学校に通っていたそうだ。彼はあまり裕福ではない家庭で育ったものの、父親の徹底した教育により、小学校では飛び級して6歳で小学校5年生に進級し、9歳を迎えた時はすでに高校3年生だった。
そして10歳で大学生になったジャンさんは「神童」と呼ばれるようになり、ジャンさんの両親のところには多くの人が子供の教育についてアドバイスを求めるようになった。しかし、ジャンさんが博士号を取得するために北京航空航天大学に入学した後、彼に対する世間の風当たりが強くなった。
それは、ジャンさんが両親に「北京市内に家を買ってくれないと勉学をやめる」と発言したことが原因だった。当時、ジャンさんは河北省廊坊市の自宅から50キロ以上の距離を歩いて大学に通っていたため、親元から離れて大学のある北京に住みたかったようだ。彼は当時、地元メディアのインタビューでこのように話している。
「両親は、僕が北京の大学に残って勉強を続けることを望んでいます。もしここに自分の家がなければ、僕はホームレスも同然です。両親は僕が博士号を取得することを望んでいるなら、なぜホームレスにならないように家を買ってくれないのでしょうか。両親は責任をもって、僕に十分な生活環境を与えるべきだ。」
ジャンさんの両親は息子を大学に通わせるため必死に働いていたが、北京に住宅を購入することは高額すぎて不可能だった。そのため両親は、賃貸で借りたアパートを「購入した」とジャンさんに偽って住まわせるしかなかった。このジャンさんの発言は世間のひんしゅくを買ったが、本人は両親についてこう主張していた。
「両親は僕を生んで、自分たちの夢を僕に押しつけたんだ。自分たちが叶えられなかったことを僕に達成してもらおうと望んでいる。両親は僕の人生の計画を立て、まるでその人生は僕が望んでいたものだと言い聞かせようとしたんだ。」
中国のニュースメディア『網易』によると、ジャンさんの父親はかつて中国人民大学に入学したものの、授業料が払えずに中退してしまった過去があるそうだ。そのためジャンさんに、幼い頃から新聞を読ませるなどの教育をしてきたという。一方でジャンさんは「大きな精神的プレッシャーから自ら命を断つことも考えた」と吐露している。
ジャンさんは博士号を取得したが、中学校で数学の教師をした後、寧夏回族自治区の寧夏師範学院で非常勤講師として働いていた。しかし彼は、社会で働くことの難しさから2021年8月に退職してしまった。現在は上海の家賃2200元(約4万5000円)のアパートに住んでおり、職に就くこともなく、友人たちと共同であるプロジェクトに取り組んでいるという。
そんなジャンさんの貯金は数千元(数万円)しか残っていないが、両親が2、3か月おきに1万元(約20万4000円)ほど仕送りしてくれるため、経済的な心配はしていないようで、ジャンさんはこう明かしている。
「今の暮らしは、前よりも全然いいよ。就職しても結局、経済的な自由は得られないし、それに今は少なくとも他人の顔色をうかがわなくて済むから。ただ、食べられて生きているだけで一生幸せなのに、やみくもに起業して努力することになったら簡単に自分を見失ってしまうことになる。」
神童と呼ばれたジャンさんの今の姿に、ネットユーザーからは「彼の両親の教育方針が良かったのか、悪かったのか、私たちが評価するのは難しい」といった声があがった。
ちなみに中国のニュースメディア『網易』が、昨年9月にジャンさんについて紹介した記事にはこのように綴られていた。
「子供たちの人格や品性、心身の全ての面でバランスよく成長できるように配慮すること。これが、おそらく最良の教育と言えるのではないだろうか。」
画像は『捜狐 2023年9月26日付「16岁读博的神童张炘炀,如今28岁还需要父母接济,家长们该警醒了」』『Mirror 2020年12月11日付「‘Curse’ of UK’s biggest ever lottery winners from divorce to death and destitution」(Image: PA)』『Hasbulla Magomedov 2022年7月14日付Instagram「А ну дайте жару по сердцам」』『TVBS新聞網 2018年12月24日付「17歲高中生賣腎買iPhone 7年後下場不勝唏噓」(圖/翻攝自 鳳凰網)』『PEOPLE.com 2018年5月22日付「Parents Successfully Sue to Get Their 30-Year-Old Son to Move Out」(CNY Central News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)