今月8日、健康なはずの娘をがん患者に仕立て上げ、寄付金を騙し取った母親が逮捕された。母親は作り上げた娘の症状をインターネットでシェアして寄付金を募っており、家族や友人を含めた大勢の善意を踏みにじった。しかも母親は、闘病中であることを偽るために娘の髪の毛をすべて剃っていたという。米ニュースメディア『CNN』などが伝えた。
米オハイオ州ノーブル郡保安官事務所は今月4日、「詐欺の疑いがある」という連絡を受けて捜査を開始した。情報によると、同州プレザント・シティ在住のパメラ・リード(Pamela Reed、41)が、娘アディ・レイちゃん(Addey Rae、7)はがんを患っているうえに、右目の視力がないことを通学している小学校「Shenandoah Elementary School」に伝えていた。
アディちゃんの症状を知った地域の人々は、複数の地元団体と協力して医療費をカバーするために募金活動を行った。また、一部の団体は治療費の支援として8000ドル(約115万円)を寄付していた。
学校側もアディちゃんの体調を心配したが、校内で視力検査を行った際、アディちゃんの検査結果に違和感を覚えた。さらに、アディちゃんがこの1年間で280日以上欠席していたことも気になり、担当医に確認した。すると、「アディちゃんはがんではないですし、過去にそういった病歴もありません」と驚きの回答が返ってきた。
パメラは、「今後、治療の一環として皮下埋め込み型ポート(中心静脈カテーテルの一種)を体内に埋め込む予定です」と学校に伝えており、その他がんに関する多数の書類を学校に提出していたが、担当医によるとこれらの書類はすべて偽物だった。
こうした悪事が明るみに出たことで、ノーブル郡保安官事務所はパメラに事情聴取を行った。当初のパメラは容疑を否認していたが、アディちゃんはがんではないことや処方箋などの書類を偽装したこと、必要のない発作薬を飲ませていたことなどの事実を認めた。
パメラがFacebookなどで公開していた写真には、髪の毛がなく、鼻からカテーテルを通した状態で病院のベッドに座るアディちゃんの姿も写っていた。アディちゃんの髪の毛は治療のせいで抜け落ちたのではなく、がんの治療をしていると偽るためにパメラが剃ったという。パメラは調べに対し、がんをでっちあげた理由を「結果として得られるサポートを気に入ったから」と述べている。
パメラは今月8日、第4級の重罪とされる詐欺による窃盗の疑いで逮捕、起訴された。逮捕の数日前には、アディちゃんの容体が良くないことを長文でFacebookに投稿しており、パメラはこのまま詐欺を続ける様子を見せていた。現在は裁判が行われており、最長で18か月の懲役刑が言い渡される可能性があるという。
他人の善意を裏切る卑劣な犯行が各メディアで報道されると、「母親の犯行に付き合わされた子どもが可哀そう」「本当に助けが必要な家族に助けが届かなくなるからやめてほしい」「こんなことが起こるなんて信じられないな」「最低すぎて気分が悪い」「募金活動の記事をシェアしちゃったよ」「この母親には罰が当たってほしいね」などといった声が相次いだ。
画像は『Noble County Sheriff’s Office 2024年1月9日付Facebook「On January 4, 2024, the Noble County Sheriff’s Office and Noble County Children’s Services received information regarding a potential theft by deception.」』『New York Post 2024年1月10日付「Ohio mother faked young daughter’s cancer for years to rake in donation money: ‘She liked the support’」(Our ‘Rae’ Of Sunshine - Team Addey Rae /Facebook)、2023年1月31日付「TikToker charged in GoFundMe cancer scam after documenting ‘battle’」(GoFundMe)』『WPXI 2019年10月22日付「Colorado mom accused of killing daughter after faking years of ‘terminal’ illnesses」』『CBS Local 2017年12月13日付「Mother Arrested For Son’s 323 Hospital Visits, 13 Surgeries, Report Says」』『NY Daily News 2018年2月3日付「Florida couple gave son fake cancer diagnosis to solicit donations for ‘medical expenses’」(OKALOOSA COUNTY SHERIFF)』『Metro 2022年6月26日付「Mum who faked cancer diagnosis to rake in £45,000 ordered to pay just £5 back」(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)
米オハイオ州ノーブル郡保安官事務所は今月4日、「詐欺の疑いがある」という連絡を受けて捜査を開始した。情報によると、同州プレザント・シティ在住のパメラ・リード(Pamela Reed、41)が、娘アディ・レイちゃん(Addey Rae、7)はがんを患っているうえに、右目の視力がないことを通学している小学校「Shenandoah Elementary School」に伝えていた。
アディちゃんの症状を知った地域の人々は、複数の地元団体と協力して医療費をカバーするために募金活動を行った。また、一部の団体は治療費の支援として8000ドル(約115万円)を寄付していた。
学校側もアディちゃんの体調を心配したが、校内で視力検査を行った際、アディちゃんの検査結果に違和感を覚えた。さらに、アディちゃんがこの1年間で280日以上欠席していたことも気になり、担当医に確認した。すると、「アディちゃんはがんではないですし、過去にそういった病歴もありません」と驚きの回答が返ってきた。
パメラは、「今後、治療の一環として皮下埋め込み型ポート(中心静脈カテーテルの一種)を体内に埋め込む予定です」と学校に伝えており、その他がんに関する多数の書類を学校に提出していたが、担当医によるとこれらの書類はすべて偽物だった。
こうした悪事が明るみに出たことで、ノーブル郡保安官事務所はパメラに事情聴取を行った。当初のパメラは容疑を否認していたが、アディちゃんはがんではないことや処方箋などの書類を偽装したこと、必要のない発作薬を飲ませていたことなどの事実を認めた。
パメラがFacebookなどで公開していた写真には、髪の毛がなく、鼻からカテーテルを通した状態で病院のベッドに座るアディちゃんの姿も写っていた。アディちゃんの髪の毛は治療のせいで抜け落ちたのではなく、がんの治療をしていると偽るためにパメラが剃ったという。パメラは調べに対し、がんをでっちあげた理由を「結果として得られるサポートを気に入ったから」と述べている。
パメラは今月8日、第4級の重罪とされる詐欺による窃盗の疑いで逮捕、起訴された。逮捕の数日前には、アディちゃんの容体が良くないことを長文でFacebookに投稿しており、パメラはこのまま詐欺を続ける様子を見せていた。現在は裁判が行われており、最長で18か月の懲役刑が言い渡される可能性があるという。
他人の善意を裏切る卑劣な犯行が各メディアで報道されると、「母親の犯行に付き合わされた子どもが可哀そう」「本当に助けが必要な家族に助けが届かなくなるからやめてほしい」「こんなことが起こるなんて信じられないな」「最低すぎて気分が悪い」「募金活動の記事をシェアしちゃったよ」「この母親には罰が当たってほしいね」などといった声が相次いだ。
画像は『Noble County Sheriff’s Office 2024年1月9日付Facebook「On January 4, 2024, the Noble County Sheriff’s Office and Noble County Children’s Services received information regarding a potential theft by deception.」』『New York Post 2024年1月10日付「Ohio mother faked young daughter’s cancer for years to rake in donation money: ‘She liked the support’」(Our ‘Rae’ Of Sunshine - Team Addey Rae /Facebook)、2023年1月31日付「TikToker charged in GoFundMe cancer scam after documenting ‘battle’」(GoFundMe)』『WPXI 2019年10月22日付「Colorado mom accused of killing daughter after faking years of ‘terminal’ illnesses」』『CBS Local 2017年12月13日付「Mother Arrested For Son’s 323 Hospital Visits, 13 Surgeries, Report Says」』『NY Daily News 2018年2月3日付「Florida couple gave son fake cancer diagnosis to solicit donations for ‘medical expenses’」(OKALOOSA COUNTY SHERIFF)』『Metro 2022年6月26日付「Mum who faked cancer diagnosis to rake in £45,000 ordered to pay just £5 back」(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)