蜂の巣を襲いハチミツを好んで食べるため、ミツアナグマとも呼ばれるイタチ科のラーテル。メスは1回で1~2匹の赤ちゃんを産むと3か月ほど巣穴の中で子育てし、約3日おきに口にくわえて別の巣穴に引っ越しするという。そんなラーテルの赤ちゃんがある日、南アフリカのクルーガー国立公園の道の真ん中に取り残され、オスのライオンに見つかってしまった。ライオンはその後、いったいどんな反応をしたのだろうか。
会計士で野生動物写真愛好家であるレオン・バーデンホーストさん(Leon Badenhorst)が16日、アフリカの野生動物専門サイト『Latest Sightings』でクルーガー国立公園でのユニークな経験を語り、注目された。
レオンさんはその日、「ヨタカなどの夜行性の鳥を見たい」と南アフリカ北東部のレタバ・レスト・キャンプを早朝に出発し、ファラボルワ・ゲート(Phalaborwa gate)近くのタール舗装された道路「H8」を運転していた。すると、まだ人が誰もいない道の真ん中に、3頭のオスのライオンが寝そべっていたという。
そこでレオンさんは、ライオンの邪魔にならないように車を停めて観察を始めたところ、ライオンは気にする様子もなく「もっと良い角度で撮影しよう」と車を少しずつ前進させた。
レオンさんは当時のことをこのように振り返る。
「しばらくすると、ライオンの1頭が立ち上がり、道路上の何かのニオイを嗅ぎ始めてね。最初はただの水牛の糞かと思ったけど、カメラでズームインしてみると、小さな動物の赤ちゃんだということに気付いた。でも最初は、それが何なのか分からなくてね。色からすると、コビトマングースかハイエナの赤ちゃんである可能性もあった。」
その赤ちゃんは生きていたものの、母親は周辺に見あたらず、レオンさんは「ライオンに見つかってしまったことに悲しさを覚えると同時に興味をそそられた」と明かし、このように述べた。
「カメラで音を拾うことはできなかったけど、キーキーと小さな鳴き声が聞こえてね。1頭のライオンは好奇心旺盛で、その小さな個体に対して不思議なほど優しくしていた。前足を使って軽く叩いてみたりして、その赤ちゃんと遊んでいたんだよ。」
「ところが観察しているうち、ライオンは『それを食べることができる』ということに気付いたようだった。そしてまさにその瞬間、私もその生き物が小さなラーテルだということを悟ったんだ。」
「するとライオンはその後、ラーテルをくわえて草むらのなかに消えていき、戻ってきた時に赤ちゃんは一緒ではなかった。それにキーキー鳴く声も2度と聞くことはなかったね。」
そうしてライオンを観察していたレオンさんは、周辺に奇妙な悪臭が漂っていることに気付いたという。鋭い爪と分厚い皮膚を持つラーテルは凶暴で、赤ちゃんを守るために激しく闘うことで知られていることから、レオンさんは「もしかしたらライオンはすでに、母ラーテルを襲っていたのかもしれない」と思ったそうだ。ただ、ライオンが怪我をしたり血を流したりして苦しんでいた様子は見られず、実際に何が起きたのかは分からないという。
クルーガー国立公園でラーテルを目撃することはそれほど珍しくないが、ラーテルは主に夜に活動するため日中にはあまり見られない。ましてや赤ちゃんとなると、通常は母ラーテルが上手く隠しているため観察できるのは稀で、今回のように母がいない赤ちゃんラーテルがライオンに囲まれているとなるとさらに珍しく、“特別”なことという。
なお動画には、次のようなコメントが寄せられている。
「ライオンは赤ちゃんラーテルを食べなかったのではないか? きっと草むらにそっと戻してあげたんだよ。」
「ライオンはとても優しくしているものね。」
「いや、ライオンが獲物に情けをかけることはないよ。最初は興味深く見ていたけど、最後には赤ちゃんをしっかり噛んでいるよ。」
「赤ちゃんの鳴き声が聞こえなくなったということは、結局食べられてしまったということだよね。」
「きっと赤ちゃんはどこかが悪かったのだろう。母ラーテルが我が子を置き去りにするはずがない。」
「動物界では赤ちゃんが病気であったり、生存が難しい場合、母はその子を見捨てるんだ。動物たちは弱く病気の子の世話をする時間がないからね。」
「ラーテルは恐怖や危険を感じると肛門の近くの臭腺から臭い液体を出すからね。悪臭がしたのは、母ラーテルがライオンを見て逃げ出したか、すでに殺されていたからかもしれないね。」
「ラーテルは最強でライオンにも立ち向かうというからね。攻撃しても無傷では済まないはず。ただ赤ちゃんを連れていたとなると、話は別なのかもしれないね。」
「いずれにしても、母がいない赤ちゃんは死んでしまう運命だった。かわいそうだけどね。」
ちなみにタンザニアの自然保護区域内では昨年、弱った子をくわえた母ライオンが驚くべき行動をとり「残酷だけど、これが自然」と話題となった。
画像は『Latest Sightings 2024年1月16日公開 YouTube「Mom Honey Badger Leaves her Baby to the Lions」』のサムネイル、『Latest Sightings 2024年1月16日付「Mom Honey Badger Leaves her Baby to the Lions」、2023年5月23日付「Lioness Bites Her Cub’s Head Off」、2022年7月1日付「Lions Hunt Pregnant Wildebeest and Pull the Baby Out!」』『Latest Sightings 2024年1月17日付Facebook「Mom Honey Badger Leaves her Baby to the Lions」』『Governors’ Camp Collection 2023年10月7日付Instagram「Sensitive viewer warning - graphic content」』『Naturaleza Castilla y León 2022年6月7日付X「Finalmente, tras la combativa defensa de la madre」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
会計士で野生動物写真愛好家であるレオン・バーデンホーストさん(Leon Badenhorst)が16日、アフリカの野生動物専門サイト『Latest Sightings』でクルーガー国立公園でのユニークな経験を語り、注目された。
レオンさんはその日、「ヨタカなどの夜行性の鳥を見たい」と南アフリカ北東部のレタバ・レスト・キャンプを早朝に出発し、ファラボルワ・ゲート(Phalaborwa gate)近くのタール舗装された道路「H8」を運転していた。すると、まだ人が誰もいない道の真ん中に、3頭のオスのライオンが寝そべっていたという。
そこでレオンさんは、ライオンの邪魔にならないように車を停めて観察を始めたところ、ライオンは気にする様子もなく「もっと良い角度で撮影しよう」と車を少しずつ前進させた。
レオンさんは当時のことをこのように振り返る。
「しばらくすると、ライオンの1頭が立ち上がり、道路上の何かのニオイを嗅ぎ始めてね。最初はただの水牛の糞かと思ったけど、カメラでズームインしてみると、小さな動物の赤ちゃんだということに気付いた。でも最初は、それが何なのか分からなくてね。色からすると、コビトマングースかハイエナの赤ちゃんである可能性もあった。」
その赤ちゃんは生きていたものの、母親は周辺に見あたらず、レオンさんは「ライオンに見つかってしまったことに悲しさを覚えると同時に興味をそそられた」と明かし、このように述べた。
「カメラで音を拾うことはできなかったけど、キーキーと小さな鳴き声が聞こえてね。1頭のライオンは好奇心旺盛で、その小さな個体に対して不思議なほど優しくしていた。前足を使って軽く叩いてみたりして、その赤ちゃんと遊んでいたんだよ。」
「ところが観察しているうち、ライオンは『それを食べることができる』ということに気付いたようだった。そしてまさにその瞬間、私もその生き物が小さなラーテルだということを悟ったんだ。」
「するとライオンはその後、ラーテルをくわえて草むらのなかに消えていき、戻ってきた時に赤ちゃんは一緒ではなかった。それにキーキー鳴く声も2度と聞くことはなかったね。」
そうしてライオンを観察していたレオンさんは、周辺に奇妙な悪臭が漂っていることに気付いたという。鋭い爪と分厚い皮膚を持つラーテルは凶暴で、赤ちゃんを守るために激しく闘うことで知られていることから、レオンさんは「もしかしたらライオンはすでに、母ラーテルを襲っていたのかもしれない」と思ったそうだ。ただ、ライオンが怪我をしたり血を流したりして苦しんでいた様子は見られず、実際に何が起きたのかは分からないという。
クルーガー国立公園でラーテルを目撃することはそれほど珍しくないが、ラーテルは主に夜に活動するため日中にはあまり見られない。ましてや赤ちゃんとなると、通常は母ラーテルが上手く隠しているため観察できるのは稀で、今回のように母がいない赤ちゃんラーテルがライオンに囲まれているとなるとさらに珍しく、“特別”なことという。
なお動画には、次のようなコメントが寄せられている。
「ライオンは赤ちゃんラーテルを食べなかったのではないか? きっと草むらにそっと戻してあげたんだよ。」
「ライオンはとても優しくしているものね。」
「いや、ライオンが獲物に情けをかけることはないよ。最初は興味深く見ていたけど、最後には赤ちゃんをしっかり噛んでいるよ。」
「赤ちゃんの鳴き声が聞こえなくなったということは、結局食べられてしまったということだよね。」
「きっと赤ちゃんはどこかが悪かったのだろう。母ラーテルが我が子を置き去りにするはずがない。」
「動物界では赤ちゃんが病気であったり、生存が難しい場合、母はその子を見捨てるんだ。動物たちは弱く病気の子の世話をする時間がないからね。」
「ラーテルは恐怖や危険を感じると肛門の近くの臭腺から臭い液体を出すからね。悪臭がしたのは、母ラーテルがライオンを見て逃げ出したか、すでに殺されていたからかもしれないね。」
「ラーテルは最強でライオンにも立ち向かうというからね。攻撃しても無傷では済まないはず。ただ赤ちゃんを連れていたとなると、話は別なのかもしれないね。」
「いずれにしても、母がいない赤ちゃんは死んでしまう運命だった。かわいそうだけどね。」
ちなみにタンザニアの自然保護区域内では昨年、弱った子をくわえた母ライオンが驚くべき行動をとり「残酷だけど、これが自然」と話題となった。
画像は『Latest Sightings 2024年1月16日公開 YouTube「Mom Honey Badger Leaves her Baby to the Lions」』のサムネイル、『Latest Sightings 2024年1月16日付「Mom Honey Badger Leaves her Baby to the Lions」、2023年5月23日付「Lioness Bites Her Cub’s Head Off」、2022年7月1日付「Lions Hunt Pregnant Wildebeest and Pull the Baby Out!」』『Latest Sightings 2024年1月17日付Facebook「Mom Honey Badger Leaves her Baby to the Lions」』『Governors’ Camp Collection 2023年10月7日付Instagram「Sensitive viewer warning - graphic content」』『Naturaleza Castilla y León 2022年6月7日付X「Finalmente, tras la combativa defensa de la madre」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)